第六十五回 僕の……最後のポエム。
まだ少し動く手……
パパが設定してくれた音声入力も、
できたのだけど、……できるのだけどね、
泣いちゃうから、……できないの。
さっき……
さっきね、
泣いちゃったの。
今日が、期間限定の美術部員の最終日で、
絵が……『天使のうたたね』が完成した。
するとね、
また描きたくなったの。……でも、この先はね、
難易度の高い手術。また入院なの。
僕の病気はね、
病気はね……まだ生きていたいの。
とっても怖いの……怖いの。
……
……でもね、きっと、
白い世界が広がって、
その先にね、その先には、
ちゃんと動く両脚。
自由に、自由に体全部を使って……
伸び伸びと描きたいの。……きっと、病気とはお別れだね。
そして眠ったその先に、
……白い世界は広がっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます