第五十四回 金曜日の約束と、土曜日はお休み。


 ……そうなの。


 土曜日と日曜日は、お休みなの。


 世間はお盆だから、

 だけども、僕はずっと学校に行くつもりだったけれど、


 令子れいこ先生がお休みにした。



 どうして? 問うと、


 ……まあ、絵の方も進捗は問題ないし、

 先生もね、お休みしたいから。


 君も、しっかりお休みしてね、

 月曜日から、また一緒に描こうね。



 ……と、いうことだった。


 本当は、僕に気遣ってだ。


 それくらい……

 よくわかるの。僕の手……力が入らないことを。


 ずっとではないのだけど、

 たまに……それが徐々に頻繁に。



 ……僕は、約束した。それは金曜日に。今日だ。


 可奈かな先輩が、可奈先輩がね、

 僕を道連れに……ではなく、


 僕をモデルに、僕の像を作りたいと言ってきた。


 なら、条件あるよ。


 僕は立つの。両足を地面に。像ならできるでしょ?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る