第十七回 星野一族には、ボクッ娘のDNAが。


 ――僕は、ポエムを綴る。



 動揺して、ポエムではない時もあるかもしれないけど、


 僕は綴る。それでも綴る。

 だから、ここまで来たの。



 令子れいこ先生は言っていたの。僕が今いる場所。


 そして『星野ほしの』繋がりの、この子たちと一緒にいる場所……

 それは『同一』の場所で、幻想的な場所で、その場所を『芸術棟』と言う。



 ――そこの一階。


 ダビンチ像はともかく、大きなアクリル絵。

 笑顔の見本のような笑顔で、


「今度ゆっくり見せてあげるね」

 と、令子先生は言った。そのお言葉は、小さな約束。


 ……でも、僕には大きな約束。



 そして「お家どこ? この近く?」と、千佳ちか先輩は訊くの。コクリと頷く僕。「お家の人、心配するといけないから、送ってあげるね」と言ってくれたの、千佳先輩。


 すると、するとね、みんな同じなの。


 藤岡ふじおか先輩……の一人称だけは『私』だけれど、


 千佳先輩も、梨花りか先輩も一人称は僕と同じ『僕』……千佳先輩は、去年まで『梅田うめだ』ではなく『星野』だったそうだ。そして僕は、星野一族三人目の『ボクッ娘』となる。


 何かカッコいい!


 星野一族には、ボクッ娘のDNAが存在するようだ。



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