第十八回 仕切る、そして仕切り直し。


 ――そう。仕切り直しだ。



 ママに、

 ママに怒られちゃったの。


 バレちゃったの、

 お外出たの。……グスッ。


 泣いちゃったの。でもね、



 言ってくれたの。お家まで送ってくれた令子れいこ先生。

 ……そして知ったの。


 令子先生も、僕と同じ思いをしたことがあったの。


 絵を、


 アクリル絵を描きたいと、

 その思いをひと夏にかけたの。


 それは…それはね、


 令子先生が、僕と同じ十三歳のお誕生日を迎える頃に。



 ――八月二十四日。同じ日なの。僕と令子先生のお誕生日。……一度くらい、人生をかけることがあっても。例えばクラブの活動に没頭するの。高校野球がそうなの。高校球児たちのように僕もね、何かを残したいの。此度は冒険すると決心したのだから、それくらいこだわりがあってもいいと思う。もう流されているだけなんて、やだ。との思いだ。


 僕はポエムを道連れに、

 芸術棟で見た『あのアクリル絵』を、令子先生と一緒に完成させたい。


 そのためにね、

 期間限定の美術部員になるの。だからね、ママお願い。ねえ、パパ……



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