第十六回 すっきり爽やか、ここで自己紹介なの。


 ――それもまた、僕だけではない。



 白色蘇るお洋服を着る。もちろん下着も……


 そして僕はもう、はだかんぼではなくなった。


 一人で浴室に入れなくても、

 着替えはできるの、一人で。



 ……一人でできること、


 少ないかもしれないけれど、僕は頑張る。


 お家では、一人で車椅子に乗れた。

 ここでも、そう。車椅子に乗れた。


 僕は一人、一人でできるの。



「自己紹介まだだったね。僕は千佳ちか梅田うめだ千佳。よろしくね。

 それはそうと、君は……この学園の子じゃなよね? でも教えて、お名前」


 千佳先輩、まだ体操着。他の二人は制服なのに。

 でも活発そうで、とにかく明るくて優しそうで。


「……葉月はづき星野ほしの葉月。どの学校の子でもないの」


 すると、同じ苗字の星野さん……


 ブンブンと、僕の手を握るの。距離も近くて、近くても本当に、千佳先輩にソックリ。

 ううん、その域を通り越して、まさかの瓜二つ。


「君も『星野』なんだね。僕は星野梨花りか、よろしくね。……でねでね、この子も、そしてこの子もね、元を辿れば『星野』なんだよ。ウフフ、これって運命だね」


 と、大はしゃぎ。『この子』とは、千佳先輩ともう一人、『藤岡ふじおか』って子。


 僕はポエムを書いているのに、また別物になっちゃうよ。――と、お話は続くの。



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