第八回 今思うと、移り変わる窓。


 ――それは二種類の窓。



 お家の窓。


 病室の窓。



 ……いつも、いつの日も、

 窓から外を、眺めていた。



 そしてこの春、僕は退院した……


 だけど何度目?


 繰り返しの入退院。初めての入院は……

 小学四年生の春。急だったの。急だった。



 学校で転んだの。

 目の前が真っ赤で……何か頭がヌルッと。


 痛いよりも、

 もっともっと。……何が起きたの? って感じだった。


 周りの子みんな、僕を見るの。


 大丈夫? と心配してくれる子も、いっぱいで集まってくるの。



 そして聞こえてくる、救急車というワード。


 ――ただ、大変なことになったことだけは、わかった。


 今思うと、それが始まりだった。


 その時の……大きな怪我が、

 ママとパパに、僕の病気を伝えることとなった。……ごめんね、続きます。



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