第五十七回 偶然の一致。


 それは、カーテンを開けた時だ。



 昨日の曇り空と比較にならない、

 今日の晴れ渡る青空。満天な夏の彩り。


 すると、見たのだ。


 白いワンピースの千佳ちか先輩と、

 桃のワンピースの梨花りか先輩が、並んで。



 学園へ行くの?

 と、そう思った。


 ……いつもの趣とは、異なる二人。



 それは服装の効果?


 いやいや、きっと違う。

 遠巻きだけれど、その表情が物語るの。


 その明るい色と、

 真剣な表情。マジな顔。


 この胸を誘うの。


 二人は潜る、学園の門。


 その奥には、

 ……きっと、お話の続きがあるの。


 僕は乗るの、車椅子に。

 ちょっと出掛けることを、ママに告げる。


 もう、そこに否定はない。


 お昼には帰るから。と、その言葉を加え。



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