第十三回 その人は、この場所の主なの?


 ――これって、肝試し?


 それにしては、今はまだ明るく午後の風。



 こら! との、女の人の叫び声。

 前回から、今も引き継いでいる。


 背筋はゾクッと……

 ダビンチ像が立ちそうな、幻想的な場所。


 それとは不似合いな、

 エアコンのリモートコントロールの、

 科学的な音。そのリモートコントロールの主は、

 玄関ともいえる、大きな病院でも見かけそうな、

 強化ガラスの自動ドアから……そしてもう、

 振り向いたら、僕の背後にピッタリといる。



 ……グスッと、

 泣いちゃうくらいの、怖いイメージとは裏腹に、


『まあ、とっても可愛い子!』


 満面な笑顔……そう。まるで笑顔の見本のような女の子。



 と、思いきや、


「あっ、令子れいこ先生、その子はね」


 とアタフタと、声をかける梅田うめだ先輩。……帰ってきてくれた。


千佳ちかさん、どういうことなの?」


 えっ、えっ? 背後にいる女の子は、な何と先生? でねでね、梅田先輩の下のお名前は……千佳っていうの。色々ありすぎちゃって、これはもうポエムじゃなくなったよ。



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