第二十九回 また、色は動き出すの。


 見える色。


 そして、感じる色……



 かつての、あの色。


 心がワクワクする……灰色ではない日々を。



 自分の足で、この両足で、

 大地を駆けていた感じと、その感じた空気。


 風、温度も、

 その頃の色も蘇るの。それは僕の色。



 そしてまた、

 キャンバスに向かって、楽しそうに、


 でも必死に、様々な色彩、


 一糸まとわぬその肌にも、織り交ぜながら描いている。


 それは日々、

 様々な色を、肌に纏うことを意味するの。


 日々の変化を、

 令子れいこ先生は知っているの。


 色は動き出すの。


 そして僕は、この瞬間もまた、興味を持つ。


 それはあなたに。


 あなたの行動は、

 僕にまた、夢中になるという輝きを、そっと背中で教えてくれた。


 僕には令子先生が、一番の先生です。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る