第二十八回 僕の色彩。……それは絵の具から。


 使うものは、アクリル絵の具。


 僕がまだ……

 歩けていた頃、パパと一緒に尋ねた画材店。



 パパは、


 パパはね、お絵描きが好きで、

 漫画が大好きで、……よくアシスタントをしているの。



 最近はWEB漫画があるという……

 とあるエッセイで見かけたの。


 またパパに見せてあげるねと、

 ……あっ、もちろん描く方の。



 お話は脱線しちゃったけれど、

 画材店のお話……忘れてない。


 見かけたのを……思い出した。


 アクリル絵の具。――今、令子れいこ先生が、全身をもって使っているのと同じもの。


 歩けていた頃だから、


 こんな昔から……と、思った。パパとはジャンルも、

 絵の種類も違うのだけど、描くその先に見据えるものは同じなのかもしれない。


 僕は、その『描くその先』を知りたい。


 僕も、令子先生のように、お手伝いのその先の、

 こだわれるもの。譲れない思いをも感じたいの。


 だから、令子先生と同じように、

 アクリル絵の具を、僕の肌で感じ、全身で描きたいの。――天使のうたたねを。



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