葉月、ポエムを綴る。

大創 淳

第一回 窓から見えるもの。……見てきたもの。


 僕は、外の世界を知らない。



 気温は? 暑い? 寒い?

 匂いは? どの様なもの?



 今日は見かけない。近所の……ほぼ隣接気味の、学園。

 そこに登校する生徒たち。僕と同い年の子たちも多く。

 話し声など聞こえてくる。その中に、僕も入りたくて。

 ……でも、

 このままずっと……そうなのかな?



 そう思うとね、泣けてきちゃうの。

 この窓よりも、外の世界を知らないまま、僕は……



 泣いちゃダメ!

 だから決行するの!



 僕と同じ名前の月……八月は葉月はづき

 僕は、自分のことを僕と言うけど、

 これでも女の子なの。鏡で見ると、どう見てもそう。

 エンジェルリングに、お下げ髪……もう背中に届く。

 色白く、丸い眼鏡……これがないと、何も見えない。



 趣味は……ポエム。

 う~む、そうなのかな? やっぱり詩……擬きかもだけど、ポエムが僕のお友達。



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