第五十一回 そこから見える景色。


 ……それは、

 以前とは異なる景色。


 時間の流れを感じる。



 時間の流れることは、

 ……怖い。


 でも、楽しい。


 今宵の次へと、夜を超えること。

 眩き白い世界、朝を迎えること。


 そこに、いる。


 みんながいる。また会えること。



 繰り返される、呼吸も鼓動も……


 これで、


 これで満足できると、

 以前は思っていたけれど、違うの。


 まだまだ描きたいの。



 動かない両脚……


 だけど、手は……

 まだ動く、動いてほしい。


 筆を持つ。


 息遣いは、とてもかけがえのないこと。


 涙の雫は、

 とても暖かかった。そこから見える景色も、忘れたくないよ。



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