六文は不要だ、仲良く並べ。――彼岸を飾る、洒落た頭となるがいい。
日ノ国に蔓延る霊魔を討つがさだめの〈花守〉が一ツ。平安の時代から霊魔狩りを生業としてきた一門『百鬼家』は当主となった者が名代『椿』を名乗る慣わし。
今代の椿は『右鞘』と呼ばれ、刀霊宿りし大刀【雪】と脇差【薄氷】を携え、彼岸に溢れた霊魔の頚を落とし続ける。
遠ざかり続ける春(よあけ)を、掴み取るために。
大正浪漫剣戟、異聞――開頁。
※当作品は丁字旦先生の〈禱れや謡え、花守よ〉企画参加作品です。(以下企画リンク)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889692540