応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • パルマ小公子への応援コメント

    細かい描写で毎回本当に勉強になります❗️

    ナポレオンは毒をあおったのは事実ですか?

    ルイ17世にキスしたことのある町のおばさんは流石に創作ですね😄
    ドキッとするシーンですがせりもも様は資料を読み込まれてるのでまさかこれも本当か?とも思ったからの質問です

    作者からの返信

    勉強なんて、とんでもないことです。恐縮してます。

    毒は、実は、事実かどうかわからないのです。ナポレオン神話は、帝王の弱い部分を隠しますから。ただ、そういう話が伝わっているのは確かなようです。

    ルイ17世のキスの話は、評伝にありました。そう言いながら、私の殿下の手にキスしたそうです。なんてうらやましい……。

    特に1章、2章は、資料の内容をそのままアレンジしたエピソードが多く、また、当時のデマも積極的に取り入れています。資料頼みの生産性のなさは、物を書く人間にあるまじき姿勢かと悩んだのですが、3章以降、虚構を構築していきますので、まあ、許されるかな、と……。大量の事実に少量の嘘、嘘つきの基本ですよね (^_^;)

  • パリ陥落への応援コメント

    ここのやり取りは興味深いし知らなかったです

    アレキサンドル1世が入城し
    早くもタレーランが仕切った

    そしてナポレオン2世とマリールイーゼは
    オーストリアにタレーランが届けたとばかり思ってました

    次の展開で判明すると思うのですが
    ナポレオンは息子の事を忘れてたのでしょうか?

    それともオーストリアが味方にならず、使えないと思ったのでしょうか?

    楽しみです

    作者からの返信

    どちらかというと、マリー・ルイーゼは、タレーランら政府を恐れていました。今やナポレオンの敵に回っていたからです。彼女は、ナポレオンの兄ジョゼフを信じていましたが、この人は殆ど頼りにならなくて。

    ただ、タレーランはメッテルニヒと通じていましたから、オーストリア側と、何らかの連絡は取り合っていたと思います。最も彼の要求する袖の下は莫大で、値切らないと払えなかったようですけど。

    仰る通り、ナポレオンはオーストリア皇帝に失望したと思います。この後彼は、フランツ帝の弟、昔戦ったカール大公と連絡を取ろうとしていきます。


    暑い中、コメント、本当にありがとうございます。どうかご期待に沿えますように。

  • ママ・キューの帝王教育への応援コメント

    嵐の前の静けさという感じがしました
    ナポレオン2世の成長も感じます

    父が好きだったんですネ
    これもその後どんな精神的な影響があるのか?

    また、ナポレオンの手紙。これは資料に残ってるんですネ、戦場からもナポレオンはちゃんと把握してたんですネ

    作者からの返信

    彼は終生、父親が大好きでした。特に幼児期は、家庭教師たちが些か過敏気味に、彼の言動から父親への思いを感じ取っています。

    ナポレオンの手紙は、マリー・ルイーゼの評伝からの孫引きですが、確かに残っています。私はこれを読んだ時、ナポレオンも、マリー・ルイーゼの子育てに、なんとなく不安を感じていたんじゃないかな、と思いました。やはりハプスブルク家ともなると、下々の者(ナポレオンような貧乏貴族もココに入れてしまいます)には、? と思われることも多かったのではないでしょうか。

    いつもコメント、本当にありがとうございます。

  • これは名シーンです!

    本当にナポレオンは息子をハプスブルクで育てられるぐらいならば殺す事を望んだのでしょうか?

    作者からの返信

    なんかそうみたいですよ。
    これは、評伝で読みました。ナポレオンの専門家が書いた本ですので、たとえば、ジョゼフ辺りの手紙か何かが残っているのかもしれません。

    一方で自分の負けが明らかになってくるとナポレオンは、マリー・ルイーゼに、実家の父親を頼れと手紙を出しています。

    また、セント・ヘレナのナポレオンの居室には、ローマ王の絵が2枚と胸像が飾られていたそうです。特に胸像は、ソファーに横になった時に良く見える位置にあったといいます。

    王者というものは、複雑ですね……。

    いつもコメント、本当にありがとうございます。

  • 家族は裏切らないへの応援コメント

    まず、削除されてしまった件は全く気にしてませんので❣️

    この章も細かく描写されてますね

    ナポレオンがロシア遠征し、そのまま仏は敗戦したと整理されてる書籍は多いですが、実際は盛り返したんですネ。

    この時メッテルニヒがどう言う心情だったのか?個人的にはもっと詳しく表現して欲しいかったのですが、主役はナポレオン2世ですもんね

    タレーランはもうすぐ出て来るのでしょうか?
    次ものすごく楽しみです❗️

    作者からの返信

    ロシア遠征、盛り返したというより、むしろ敵の罠に嵌ったといった方がいいかと思います。ロシア側はたいした抵抗もしないまま、領土の奥深くまでフランス軍を誘いこみます。これは自軍を消耗させないための作戦ですが、モスクワ近くのボロディノで会戦し、両軍大きな犠牲を出しています。面白いことにこの時、ナポレオンもロシアのクトゥーゾフも、それぞれの妻に、自分の軍が勝ったと手紙を書いています。

    フランス軍がモスクワに到達したところで、大火が発生します(誰が放火したかはっきりしないのですが、一説にはモスクワ総督ロストプチンだったとも)。そもそもモスクワの人は、動ける者は皆避難しており、町は静まり返っていました。

    で、撤退が始まるのですが、後は、仰る通りの敗退でした。冬が迫り、途中の補給地は全て、ロシアの手で焼かれており、惨憺たる撤退でした。

    タレーランは暗躍中です。フーシェも併せ、殿下のお話には、残念ながらほぼ出てきません……。

    いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
    あまり有名どころは出てこないのですが、どうかお楽しみ頂けますように。

    編集済
  • マレー将軍のクーデターは知らなかったですねえ

    それにナポレオンの大敗戦をパリからの視点も見れて面白いです

    作者からの返信

    マレは、ナポレオンを第一執政とするという国民投票に反対票を投じたことからナポレオンに恨まれ、冷や飯を食わされた挙句、解任されています。

    1812年、彼は、同じく忠誠を疑われて抑留中のギダルとホリー(後者は、文豪ユゴーの生物学上の父親かも、と噂されています)を脱獄させ、クーデターに参画させます。マレは二人に宰相カンバセレスを襲うよう命じたのですが、二人は私怨を優先させ、自分たちをはめた(らしいです)警察長官サヴァリを監禁します。

    マレの目的は、ナポレオンが死んだと世間に信じ込ませ、政府を転覆させることでした。この目論見は、しかし簡単に見破られてしまいます。

    とはいえ、自分が死んだということを一時的にせよ、世間が簡単に信じたということが、ナポレオンには大きなショックとなったようです。

    ゆうべは失礼致しました。お見限りなく、ほっと致しました。
    いつも温かいコメント、本当にありがとうございます。



    ・。・。・。・。・。・。・。・。

    ここをお読み下さっている皆様へ
    ゆうべ私は、自分の誤字を直そうとして、うっかり商社城様のコメントごと削除してしまいまして。慣れないアプリを小さな画面で使うのは危険だと痛感しました。

    「断乳戦争 2」に頂いたコメントと私の返信は、近況ノートに転載させて頂きました。

    https://kakuyomu.jp/users/serimomo/news/16817139555903560240

  • 断乳戦争 1への応援コメント

    これはこれは面白いですねえ

    宮廷内の小さな 歴史的には間違いなく見過ごされる筈の、マリールイーゼの付き人の争い

    こう言う事実を知る事で重要な歴史的事件の背景が理解できると思います

    それに物語が動いた❣️と感じました

    作者からの返信

    ありがとうございます。

    物語が動いた、というより、私の興味がぐんと引かれて行った、という感じです。小さな子どもを間に挟んだ養育者同士(母と祖母とか?)の諍いという視点で見れば、今でも普通にみられるごたごただと思ったものですから。読み手の方に、少しでも身近に感じて頂ければいいな、と思いながら書きました。

    あと、マリー・ルイーゼが、なかなかなお母さまで……。

    いつもコメント、本当にありがとうございます。とても励みになります。

  • 払われた犠牲の大きさへの応援コメント

    ジョセフィーヌは皇后の地位を維持してたんですね
    と言う事は2人の妻が居たと

    これは宗教的からは切り離されてたんでしょうか?

    作者からの返信

    当時の結婚については、世俗的結婚と宗教的結婚があります。(革命は宗教を否定しましたが)

    世俗的な結婚は、「お妃探し1」で、離婚証書へ署名し、結婚解消を宣言しています。
    宗教的な結婚については、「お妃探し2」にあります経緯を辿って問題をクリアしました。

    ジョゼフィーヌに与えられたのは、皇后の称号と潤沢な扶持だとお考えいただければ、と思います。ちなみナポレオン自身はセント・ヘレナで、ジョゼフィーヌとの結婚生活の途中で、彼女とベッドを共にすることはなくなっていた、と述べています(いつだったかは忘れました)。

    いつもコメント、本当にありがとうございます。

  • ママ・キュッ!への応援コメント

    この描写は、事実では無く想像が大半と信じたい(^^)
    もしほぼ事実ならばせりもも様の調査は半端無いですよ❗️

    シャルロットの存在がどのように展開されるのか?楽しみです❗️

    作者からの返信

    マリー・ルイーゼが赤ん坊に対して比較的冷淡だったことと、ローマ王が、パパ、ママより先に養育係の名を呼んだことは、評伝からです(パパの方がママより先だったことも)。以来、「ママ・キュー」というのが、モンテスキュー伯爵夫人の呼び名になりました。

    情景描写・心情描写につきましては、僭越ながら、私の創作です。つまり、想像が大半ということで。赤ちゃんの頃の殿下は、さぞや可愛かっただろうな、と、わくわくしながら書きました。

    モンテスキュー伯爵夫人は、彼女に関する資料をみつけたので、より一層、感情移入してしまいました。

    いつもコメント、ありがとうございます。とても嬉しいです。

  • 公式記録に残ったんですネ、きっと
    ナポレオン2世は逆子

    2人のバロネス

    次楽しみです

    作者からの返信

    公式記録は、きっと私にはアクセスできないと思います。どこで何を見ればいいかわからないし(きっと行けないでしょう)、手書きだったりしたら、完全にアウトです……。

    一次資料が大事なことはわかっていますが、要領よくまとめてあり、しかも当時の歴史について必要なことを過不足なく教えてくれる評伝は、とてもありがたいです。

    いつもコメント、本当にありがとうございます。ボロがボロボロ……とならないように祈っています。

  • 感心します
    生まれる前にこんな事があったとは
    この章に記載されてる事は全て知らない事で楽しめました

    ナポレオンが赤子では無くマリールイーゼを選択したのですね
    こう言った事もどうやって調べたのか?
    本当に感心してます

    作者からの返信

    仮死状態で生まれたという事実は(なにせほぼ衆人観座の中で誕生したので隠しようがないのです。プライバシーって大切ですね!)、将来、重大な疑義(というよりいっそ侮辱)を、殿下に齎します。

    公平に言ってナポレオンは、ジョゼフィーヌと同じようにマリー・ルイーゼも愛していたようです。マリー・ルイーゼの方は、……。

    お産のシーンはあちこちの資料で同じ内容を読みましたが、ラス=カーズの『セント・ヘレナ覚書』辺りがどうやらネタ元らしいと、最近知りました。この本は、抄訳ですが、翻訳も出ています。日本の出版文化は素晴らしいと、改めて思いました。

    参照した資料は、ブログにまとめてあります。
    https://serimomoplus.blog.fc2.com/blog-entry-78.html

    いつもコメント、本当にありがとうございます。調べたことを、微妙にナポレオン・ディスに持ち込んでいるのが私のお話の特徴でして……(^_^;)

  • いつ愛人と密会するかへの応援コメント

    プロトコル
    よく調べられてますね

    他にも知らない事実があり楽しめました❣️

    作者からの返信

    私は、ハプスブルク家のお産のおおらかさに圧倒されました。やっぱり子だくさんの家系には敵わないのかなあ、とも思います。

    お褒め頂き恐縮です。
    どうか少しでもお楽しみ頂けますように。

    いつもコメント、本当にありがとうございます。

  • 二人のバロネスへの応援コメント

    伯爵 公爵の違いの議論もそうですが、夫人の描写までされているとは!

    きっとそれはナポレオン2世の幼児の体験に重要だからなのでしょう
    展開が楽しみです❗️

    作者からの返信

    特にモンテスキュー伯爵夫人が、大きな関わりを持ってきます。別な方面で、モンテベッロ公爵夫人も負けてないです。宮廷は女官の戦場。そんな雰囲気もお楽しみ? 頂けたらと思います。

    殿下のご幼少時代は、とにかく可愛くて。赤ちゃんの頃は、更に愛らしいです。仰る通り、幼児体験、彼の場合は特に教育がクローズアップされてきます。フランス王室では、王子達の幼少時の教育は、王妃の友人が受け持ったとマリー・テレーズの本にありましたが、ナポレオンはそうした教育を採用しなかったようです。

    いつもコメント、本当にありがとうございます。とても励みになります。

  • 懐妊への応援コメント

    もう小説も楽しいですがせりもも様との交流も楽しみになってきました❣️

    昨日のせりもも様の「何故この時代のこの人物を選んだのか?」に読者に伝わる事を祈る気持ち

    と言う言葉は感度しましたし、共感しました

    そしてこの章も沢山驚く事実と整理された事実があるのですが
    特に驚いたのが
    ナポレオンが「フランツ帝が神聖ローマ帝国解体宣言」に驚いた気持ちです

    なるほど、自分の息子が神聖ローマ皇帝にならないのが残念と言う気持ちも確かにあったかと、新たな発見でした

    作者からの返信

    ご共感、ありがとうございます。調べたことばかりで、未だに純粋な知識には至っておりませず、恐縮しています。

    ナポレオンの古代ローマへの憧れは、そのまま若き日の憧れで、それに共感してくれたのは、ほぼドゼ(ドゼー将軍)一人きりでしたが、彼はマレンゴで死んでしまいました(そういえば14日はマレンゴ戦勝記念の日です)。エジプトへ行くまでは、ナポレオンもきっと純粋であったに違いないのですが。

    やっかいなのは、ナポレオンの息子(同時にオーストリア皇帝の孫でもあります)を、古代ローマ帝国の継承者に、と目論んでいたのは、メッテルニヒも同じでして。たとえ彼の主の皇帝フランツが神聖ローマ帝国を解体しようと、メッテルニヒは野望を繋いでいたようです。

    ナポレオンがロシアでボロ負けするまでは。

    フランスとオーストリアの間で玩具のように利用された殿下(ライヒシュタット公です)が、哀れでなりません。

    応援、コメント、本当にありがとうございます。

  • 初夜?への応援コメント

    このプライベートな部分に立ち入る描写も、せりもも様の勝手な想像ではなく資料に拠るところなのでしょう?
    題も「初夜?」ですし

    それも単なるゴシップではなく
    複雑な典礼に従う事で宗教的にも世俗権威的にも正当化しようとするナポレオン側、メッテルニヒ側の思惑を 自由奔放に台無しにするナポレオンの描写に繋げています❣️

    表現が長いとコメントされてますが私はそうは感じません

    それは知識の差であって西洋史関連の書物あるあるだと思います

    竹中半兵衛をご存知な方もメッテルニヒは知らない人は多いし
    複雑な王統血統、聞き慣れない地名で、そこが遠いのか?近いのか?暑いのか?寒いのか?貧しいのか?都会なのか?

    分からないんですよ読者は(苦笑)

    そこを私も悩んでますし、克服している日本の作家は皆無だと思いますヨ
    文章力云々では無いと思います

    改めてせりももさんの文章はそこも汲みとって丁寧に表現されてると思います❣️

    作者からの返信

    はい、ここも別の本ですが、参照しています。私のしたことは、(著者に敬意を表しつつ)若干下世話に色をつけたくらいでしょうか。いえ、わざとじゃありません。気がついたらこうなっていて。

    仰る通り、その時代・地方の気候風土や、登場人物がそうしなければならない理由など、無視してしまっては物語そのものが成り立たなくなってしまう要素がたくさんあり、そこをすっ飛ばしてしまったら、当時の人や歴史に対し、礼を失することになると、私も考えています。逆に、そこを忠実に書き込むことによって、自分の中の無駄な勢いといいますか、思い込みのようなものが淘汰されていく気もしています。

    だた、読み手の方にしてみたら、「余計な描写」になってしまうのかも、と恐れています。私にできることは、なぜその人(時代・場所)を選んだか、きちんと読み手の方に伝わるようにと、祈るような気持ちでいます。

    お褒め頂いて恐縮です。このような話はなかなかする機会がありませんので、お付き合い頂けて嬉しいです。


  • 結婚のプロトコル 2への応援コメント

    昨日のメッテルニヒ本の話、実は私も同じ本を探していた時期が有り
    ネットでは確か途轍もなく高価で断念してと記憶してます
    改めて見ると3500円でした
    古本屋まで探した裏話は共感するものがあります

    この章も知らない事実がたくさんあります
    マリーテレーズがハプスブルクに嫁ぐ話があったとは知らなかったですし

    ナポレオン2世の話でマリーテレーズまで調べようとは私なら発想すら無かったかと

    この小説途轍もなく知の発見があります❣️

    Twitterでまた宣伝させて頂きます

    作者からの返信

    メッテルニヒの本、そこまで高くなっていたんですか! 諸行無常ですねえ。

    調べるのは、すごく楽しいです。でも、やり過ぎたらダメですね。ついつい長くなってしまって、せっかくいらして下さった方を、(その長さで)怯えさせてしまってるみたいです。

    先日、とある所で、力技ばかりでなく見せ方も大事だと指摘され、それについてずっと考えていますが、自分の小説は客観視できなくて難しいです。ゾフィー大公妃とのエピソードや、彼の死への友人たちの悲痛(少ししたらカクヨムさんにも持ってきます)など、切り分けたりもしているのですが。

    コメントはもちろん、フォローや、それにツイッターでのご紹介、本当にありがとうございます。とても感謝しております。

  • 結婚のプロトコル 1への応援コメント

    メッテルニヒの夫人まで調べられている

    仮装パーティの件から凝縮された展開
    とても面白いです❗️

    作者からの返信

    この辺りは、『メッテルニヒ』(塚本哲也 著)を参考にしています。日本語で書かれた本なので、情景が鮮やかに浮かんで、書いていて楽しかったです。ここは歴史のままなのですが、……(ネタバレになるのでここまでと致します)。

    余談ですがこの本、図書館で読んで購入しようと思ったのですが絶版になっていまして。ちょうど古本祭りをやっていたので神保町に行き、検索システムで調べて貰ったのですが、どのお店にも在庫がありませでした。帰宅してから、ならアマゾンで、と思ったのですが、少し前まで確かにあった(というか、随分前からあったのですが)アマゾンのマーケットプレイスの本も軒並みなくなっていました。偶然でなかったとしたら、さすが古書の町、いい社会勉強になったなあ……と。本はその後、アマゾンに出品されるのを待って、無事購入しました。

    いつもコメント、ありがとうございます。私も殿下(私にとって殿下はライヒシュタット公だけです)に顔向けできる気が致します。

  • お妃探し 2への応援コメント

    丁寧に書かれてます
    恐らくこの章は何度も読み返すと思います

    実はこの小説を何度かTwitterで宣伝させて頂いてます
    もしご迷惑でなければ、この章もTwitterで宣伝したいのですが
    如何でしょうか?

    作者からの返信

    嬉しいコメント、ありがとうございます。

    ツイッターでのご紹介、とても嬉しいです。既にご紹介頂き(それなのに気づいていなかったとは!)、恐縮するほどありがたく、感謝でいっぱいです。

    SNS での活動は、なんというか、少し苦手でして。数ヶ月に一度くらいつぶやいてはいるのですが、ほぼ独り言になってます。

    私の代わりに、しかも高い評価でご介頂いて、申し訳ないやら嬉しいやら、心から御礼申し上げます。

  • お妃探し 1への応援コメント

    重要な歴史的事実をふんだんに取り入れ面白い内容だと思います‼️

    私はでエリザベス女王を題材に小説を描き始めたのですが、実はナポレオン2世と迷ったんです

    この章を読むだけでもナポレオン2世を選ばなくて良かったと思います

    せりもも様の方が造詣が深く
    面白いからです‼️

    作者からの返信

    いやいや、そんなことおっしゃらないで、どうか是非、ご一緒にライヒシュタット公を盛り立てて参りましょう。彼は、その価値のある人です。

    私はオタクなので、守備範囲が狭く、そして深掘りし、妄想の沼に嵌ることを喜びとしております。歴史を幅広く逍遥されるのは素晴らしいことで、羨ましいです。

    せめて読んで下さった方を騙すことのないようにと(むろん創作部分はあるわけですが……)、それだけは心掛けています。どうか気長にお付き合い頂けたら嬉しいです。

    嬉しいコメントを、ありがとうございます。

  • 邪悪なナポレオンへの応援コメント

    ナポレオン2世は魅力的でミステリアス

    なので、今迄何故誰も目をつけられ無かったのか?

    もう完結済みですが、応援させて頂きます‼️

    作者からの返信

    ゾフィー大公妃とのお話と合わせ、応援頂き、ありがとうこざいます。

    おっしゃる通り、ライヒシュタット公を主役としたフィクションは日本ではまだなく、ならば微力ながらご紹介を……、と始めたのが、このお話です。

    凄く魅力的な人です。それなのに孤独で父母の縁に薄く、にも関わらず、けっしてグレることなく真っ直ぐに生きた人です。

    完結はさせましたが多くの人に知ってもらいたく、ほんと、力ないんですけど、こんな私にもできることを、生涯、頑張っていきたいと思っています。

  • 出産の前日まで、というのは相当なものですね……

    作者からの返信

    私も、ゾフィーが最後に訪れた日(モルの記録)と、マクシミリアンの誕生日を比べて、驚きました。早産だったのか? と疑ったくらいです。ゾフィー恋人説、マクシミリアンはライヒシュタット公の子ども説が、根強いわけですよね。

    ほんとに、私でなかったら、さぞやロマンティックなお話になったでしょうに。自分が残念でなりません。

    コメント、ありがとうございます。決して暗いエンディングではありませんので、お楽しみいただけると嬉しいです。

    えと。ここに書いてもいいのかな。
    作者名を変え、カクヨムさんとのリンクも貼らないつもりですが、今週末から異世界バージョンを公開する予定です。パソコンを買い替えましたから(めでたくwin10になりました!)、きっと誤字は少ない……といいな。

  • 「目録を作りに取り組んだ。」
    「を」がもしかしたら混入かなと思いました
    死を覚悟するということは、周囲の人々にとっても心を締め付けるような実務を要求するものですね……

    作者からの返信

    コメント、ありがとうございます! こんな時にこんなお話で、本当に申し訳ありません。でも、お読み頂けて嬉しいです。

    「を」、その通りです! ご指摘、ありがとうございます。「我々のプリンス(©ディ先生)」のお話が、これでまた一歩、完璧に近づきました!
    (本当に感謝しています。もっとどしどし、言ってやって下さい。あ、どしどし誤字があったらまずいですよね……)

    「心を締め付けるような実務」、仰る通りです。実務的でありながら、モルが、殿下に「本物の愛情を抱いていた(©プロケシュ)」件は、完結後の短編で、思いっきり、趣味に走らせて頂きました。それを書くのが楽しみで、私は、この辛い時期を乗り切りました!(いろいろすみません……)

  • 母との齟齬への応援コメント

    結局彼を精神的になり一時的になり救える人は、とっくの昔に彼のもとから去ってしまっているのだな、ということが再確認にされて、ひしひしと辛さが……

    作者からの返信

    「とっくの昔に彼のもとから去ってしまっている」、重いお言葉です。

    思えば、フランソワが誰よりも慕っていたママ・キューの罷免を早めたのは、マリー・ルイーゼでした。いえ、もっと早く、出産の時、鉗子を見て、生まれてくる子どもの為に、自分は殺されると、彼女は叫びました。

    母性というものは、もとから備わっているものではないといいます。ですが彼女の場合は、最後まで、自分が中心なんだな、と。
    その晩、母が来ないと知って、フランソワがほっとした時、私もまた、ほっとしました。漸く、母の呪縛から離れられたのだと。

    暗い話ですみません。ですが、最後になんとかしたつもりですので、どうか、お見限りなく……。

  • 母、来るへの応援コメント

    マリー・ルイーゼは少なくとも、他の人々が手を下した秘跡の儀には参加せず、彼を殺さなかった唯一の肉親であり、しかしそれまでの無為無策によって彼を殺した最も血の繋がりの強い肉親であると……

    作者からの返信

    「秘跡の儀には参加せず、彼を殺さなかった唯一の肉親」、そうか。そういう見方もありますね! 私はただただ、なぜ来ない、母親! って、思ってました。

    当初、マリー・ルイーゼは、19日到着と知らせてきていました。秘跡を受ける、受けたという知らせを、マリー・ルイーゼは、どこでどのようにして聞いたのでしょう。秘跡に間に合うつもりはあったのでしょうか。あるいは、わざと遅れた?(それはそれで、彼女の気持ちがわかる気がします)

    母親が来て、気分が上向いたライヒシュタット公。なんでもっと早く、と、本当に、力いっぱい思います。

  • 秘跡の儀への応援コメント

    大けがを負った人や、大病を患っている人に最もしてはいけないことは、死を予感させること、意識させること、生への執着を放棄させることだと聞いたことがあります。ここにおいて、正に公はウィーンに、ハプスブルクに、オーストリアに、社会に、世界に、列席者に、しきたりに、そして何よりも彼の愛した祖父やゾフィーによって殺されたと言える、そのなんと残酷なことか……

    作者からの返信

    ほんとに、おっしゃる通りだと思います。説得役にゾフィーを指名したのは、ワーグナー司祭だったのでしょうか。誰であれ、彼女を選んだということに、ぞっとしました。皇帝も、その通りです。

    私は心の中でずっと、メッテルニヒに、悪役にしてごめんなさいと謝り続けてきたのですが、秘跡を待っていたかのように、在フランス大使に手紙を書いたことに、憤りを感じました。ここまでずっと、公の病気を隠してきたのに。フランスの6月暴動が何事もなく収まり、ライヒシュタット公の「利用価値」がなくなったと判断したのでしょうか。


    こんな時期に鬱展開が続いて申し訳ありません。よろしかったら、続きもお読み頂けると嬉しいです。

  • ゾフィーの幸福を願ってへの応援コメント

    子を得ることで、というよりその約定を取り付けることで、その言葉だけで、彼はくさびを現世に打ち込もうとしたのでしょうね
    生きねばならないと、使命だけでは足りないと……

    作者からの返信

    その通りです。全く、その通りです!!

    彼が欲しかったのは、ハプスブルクの皇子が、ナポレオンの孫である可能性(そうでないと証明する方法なんて、この時代にはないんです。噂だけで充分!)です。

    それは、もう少し先のお話で、より露骨に、露わにしたつもりです。

    秘跡を与えられようとしてなお、彼は自分の計画を持っていました。その計画は、私が推論したものとは違うかもしれないけど、とにかく、なんらかの計画を、最期まで持っていたことは、間違いないのです。

  • ゾフィーとフランソワという対比の重みにやっと気付けた気がします
    暫く読めずに居たのが幸か不幸か理解を深めるのに役立っているような……

    作者からの返信

    私も、完結してからコメントを頂けて、凄く嬉しいです。

    ゾフィーは、ハプスブルク家の未来。その未来に、フランソワを連れて行く役を担ってもらいました。

    恋愛を楽しみにされていた方の期待は、恐らく裏切ってしまったと思うのですが、そこに死が絡んでいる以上、軽々しく、二人のコイバナは、書けなかったのです。

    気づいて頂いて、ありがとうございました。

  • 高熱と喀血、そして礼儀への応援コメント

    フランソワ……

    作者からの返信

    どこまでいっても、彼は彼ですね……。
    ここ、呆れるところでしょうか。それとも、感動するところでしょうか。自分でわからなくなりました。

    完結したにも関わらず、来て頂けて、とても嬉しいです!! ありがとうございます!!!

  • 断乳戦争 1への応援コメント

    アルコレ橋のランヌ、かっこいいです。まさに元帥擲弾兵という変な表現を使いたくなるくらいに。
    モンテベッロ公爵夫人については女の戦場という感じで、楽しみです

    作者からの返信

    元帥敵弾兵、ステキです!

    私は、ランヌの奥さんを、ちょっと意地悪な目で見ていたので、ランヌ自身の魅力も目減りしてしまったようで、心配でした。

    モンテベッロというのは、ナポレオンがイタリアに落ち着き、初めて王朝めいたものを開いた土地の名前です(妹二人に、ここで結婚式を挙げさせています)。思い入れのある土地の名を与えたのですから、ナポレオンはよほど、ランヌが好きだったのだと思いました。

    もっと、カッコよく書けば良かったです……。 

    完結したにも関わらず、お読み下さって、本当にありがとうございます。どうか、気長にお付き合い頂けると嬉しいです。

  • 結婚のプロトコル 2への応援コメント

    輿入れの場面など、『ベルサイユのばら』の第一話を想起しました。自分のこの時代に対する興味関心はこの作品に起因しているように思われます。

    作者からの返信

    コメント、ありがとうございます!!
    「ベルサイユのばら」、私も夢中になって読みました……。

    アントワネットを想起されるのは当然で、ナポレオンは、全てを、典礼に則って行いました。オーストリアからフランスへの輿入れの、直近の例は、マリー・アントワネットです。彼女の辿った運命を考えると、それはどうかな、と思うのですが、ナポレオンにとって何より大事なことは、新興のフランス帝国の威信でした。その為、どうしても、古い伝統を受け継ぐ必要があったのです。

    この後、祝賀行事の中で、大きな火事が発生するのですが、実は、マリー・アントワネットの婚儀の時にも、火事がありました。

    ナポレオンとマリー・ルイーゼの結婚は、やはりどうしても、不吉な前兆をはらんでいました。

  • お妃探し 2への応援コメント

    十九世紀、大革命以降のフランス史、欧州史に興味があるので読み始めました。
    まずは、ナポレオン二世の誕生を心待ちにしますね。

    作者からの返信

    はじめまして。ようこそ! コメント、ありがとうございました。歴史に興味を持たれている方がいらっしゃると、とても嬉しい反面、緊張します。

    ナポレオン2世の悲劇は、この時代の変遷と密接な関係にあり、歴史をうまくお伝えできなければ、彼の悲劇をご理解頂くことは、到底、難しい……。そう気がついた時には、自分自身が、深みにはまっていました。その点、読み手と書き手の共通認識のある時代小説や、異世界ものは強いのだな、と、改めて痛感した次第です。

    ですが、おかげで、隠井さんのような方にお目に止めて頂いて、幸運でした。ナポレオン2世は、素晴らしい人です。それは、保証します。
    このお話を、どうか、少しでも、お楽しみいただけますように……。

  • オーストリア戦役 1への応援コメント

    あのエステ家がいったん断絶する1796年、歴史が感じられていいですね。

    作者からの返信

    ありがとうございます。

    エステ家は、フランツ帝の3番めの妻マリア・ルドヴィカと、彼女の兄フランツが、この後、出てきます。マリア・ルドヴィカは早く亡くなってしまいますが、兄は、イタリア中部革命の時にまた、ひょっこり顔を出します。

    それにしても、マリア・ルドヴィカといい、アンリ・ダルトワの妻といい、エステ家の女性は、美人が多いですねえ。……そんな風に、繋がりを辿る感じで、ライヒシュタット公の周囲を固めていきました。一歩間違えれば、興味本位というか、野次馬根性……ただ、ライヒシュタット公への萌えと推しと敬意は本物です。

    お楽しみいただければ、幸いです。

  • 友たちの悲痛への応援コメント

    どれほど悲しくても、目前の光景に向き合う勇気を彼は持っていたのでしょう。
    彼への敬意が、先に進ませてくれます。

    作者からの返信

    ありがとうございます。
    嘘は、なにひとつ、書いていません。シェーンブルン宮殿に移ってからのお話は、モルの手記を基にしています。

    ですが、どうにも悲しく切なく、やり切れない話です。書くのが辛かったです。推敲しようと読み直すたび、何も手につかない状態になってしまって。これはもう、R15とかのように、最初に申告しておくべきだと、重い心で決意しました。私にしてみれば、読者さんがゼロになっても仕方がない、という覚悟でした。

    それなのに、お付き合い頂けて、私は、本当に幸せです。汐凪さんには、いつも励まして頂き、どれほど心強かったことか! そして今、最後の難所も、暖かく手を差し伸べて頂けて、とても嬉しく、また、ほっとしています。
    本当に、ありがとうございます。

    どうか、ライヒシュタット公を見守ってやって下さい。彼は本当に、勇敢で立派でした。


  • 編集済

    ゾフィーの幸福を願ってへの応援コメント

    いつも楽しい物語を紡いで下さってありがとうございます。
    この話はゾフィー大公妃がフランツを言葉巧みに聖餐(秘跡の儀)へと誘導してしまう物語です。気の進まない、望まない話をさせられるゾフィー大公妃に同情します。
    さて、この話の中でフランツが「お腹の子(マクシミリアン)の父親は僕だ」的な告白をゾフィー大公妃にするシーンがありますが、この告白って何となく『帝冠の恋』の告白シーンから着想を得たのかなと感じるところがあります。
    『帝冠』では(言い方悪いですけどお許しを)、フランツがゾフィー大公妃を犯してしまい、それによってゾフィー大公妃が懐妊してしまいます。
    一方のフランツは肺を悪くして吐血し、ゾフィー大公妃が見舞いのついでに身籠ったことを告げます。
    F・カール大公(ゾフィー大公妃の夫)の子だと思っていたフランツは「ひどいこと(ゾフィー大公妃との交わり)をした」と後悔の言葉を漏らしますが、ゾフィー大公妃は「ひどいことをされたとは思っていないし、私も望んでいたこと。」と言ってお腹の子はフランツの子だと白状し、永遠の愛を誓います。
    『帝冠』をよく読んで見ると、マクシミリアンってやっぱりフランツとゾフィー大公妃の子どもかもって思ってしまいますよね。実際、マクシミリアンはフランツとゾフィー大公妃の子どもだと、宮廷内では噂されていたので・・・。
    果たして、せりももさんはマクシミリアンはフランツとゾフィー大公妃の子どもだったとお考えですか?
    私としては、噂通り、マクシミリアンはフランツとゾフィー大公妃の子どもだと見ています。最終的にはDNA鑑定でホントかどうか分かると思いますが・・・。
    ぶしつけな質問してすみません。でも、このマクシミリアンの出生の秘密はフランツとゾフィー大公妃の関係を見ていく上で一番興味をそそられる話なものですから、ぜひ一度、せりももさんなりの解釈を知りたいと思った次第です。
    (追伸)
    お返事ありがとうございます。
    さて、ゾフィー大公妃がフランツの部屋に入ってきて、出ていくまでの間に、聖餐(秘跡の儀)以外の話もしたはずなんですが、記録には残っていません。
    ここではゾフィー大公妃のお腹の子であるマクシミリアンをフランツが自分の子どもにしたいとねだったという設定で展開されていて、返信の中でもマクシミリアンはF・カール大公の子どもでは?となっています。
    私はフランツ落胤説ですけど、同じようにフランツ落胤説をとった『帝冠の恋』だと、吐血したフランツを見舞ったときに告白する設定になっています。
    ここで気になるのは、記録に残っていない『空白の時間』に二人の間でどんなやり取りがあったかということです。
    30分の面会で聖餐(秘跡の儀)の話は少なく見積もっても5分か10分くらいでしょう。なぜなら、ゾフィー大公妃が聖餐(秘跡の儀)の話をした時、フランツはYes も No も言わなかった。そして、翌日説明に来たワーグナー司祭に『聖餐拝領を受ける』と返答したことまではわかっていますので。
    フランツ落胤の説に立った上での仮説であることを断った上で解釈してみると、ゾフィー大公妃が聖餐(秘跡の儀)の話を済ませて帰ろうとした時、フランツが「もう少し話をしよう」的なことを言って引き留めたのでしょう。そこでゾフィー大公妃は思いきって、「カール(F・カール大公)にも他のみんなも、お腹の子の父親はカールだと信じ込んでいるけれど、実はフランツ、あなたの子どもなの」みたいなことを言ったのかと思います。
    その告白を聞いたフランツはびっくり仰天。(ここからは下ネタ混じりになりますのでご容赦下さい)でも、フランツも世間の常識では(肺を患わなければ)結婚して子どもの一人でも儲けてもいい年頃。恐らくはゾフィー大公妃に看病してもらってる間にひょんなことから彼女が戯れで性の話をして、フランツに性の手解きをしたのでしょう。重病人ですからそんなに交わりはなかったと思いますが、その交わりの中で気づかない内にゾフィー大公妃を孕ませてしまった。
    ゾフィー大公妃ももしかしたら、今の交わりでフランツの子を身籠った!と直感で気づいたはずですが、すぐにF・カール大公とも交わりを持ってアリバイを作ったのでしょう。
    洗いざらい告白して、最後にこんな文句を言ったのでしょうね、ゾフィー大公妃は。
    「フランツ。あなたは何も後悔することはないわ。私もむしろ、あなたの子が欲しかったの。けれど、あなたはもうじき死んでしまう・・・。『聖餐』なんて聞こえのいい言葉であなたを騙せって言われたけど、本当は秘跡の儀。騙すつもりはなかったけれど、M(宰相メッテルニヒのこと)の差し金で私が汚れ役をさせられたの。だから許して・・・。お腹の子はあなたの忘れ形見として大切に育てるから・・・。」って。
    一方のフランツは「わかったよ、ゾフィー。ずっと君のことが好きだったから・・・。君の頼みともなれば断れないさ。それと、子どものこと、実は僕もどこかで自分の子どもじゃないかって薄々感じてた。ゾフィーから予定日(7月初め)のことを聞いた時からずっと・・・。やっぱり、僕の子どもだったんだね。ゾフィー。君が子どもを産んだら、見せに来てくれる?その時まで、絶対に生き延びてみせる・・・。子どもの顔を見ないうちに死ぬことなんてできやしないから・・・。」って言ってOKしたと思います。
    そして去り際に、「ゾフィー。お腹の子が僕の子どもだということは、僕と君だけの秘密だ。お互いに墓場まで持っていこう。」とフランツが言い、誓いのキスをして別れ、ゾフィー大公妃は墓場まで持っていこうと誓った秘密には一切触れず、「素知らぬ顔で『聖餐拝領を受けよう』と(フランツを)説得するのは並大抵なものではなかった」と言ったのではないでしょうか?
    そう解釈すれば、聖餐拝領の話をした後の『空白の時間』に二人の間でどんなやり取りがあったのか、記録に残っていない謎も解けるかと思います。
    といっても今のはあくまでも仮説、フランツ落胤説を踏まえたものです。
    『空白の時間』にどんなやり取りがあったのか、せりももさんなりの解釈をお聞かせ下さいますか?

    作者からの返信

    『帝冠の恋』、私も読みました! ロマンティックですよねえ。あのような美しい恋を、私も描けたら、と思います。

    お話のマクシミリアンですが、結論として、私は、夫のF・カールの子だと思っています。いくつか、理由があるのですが……。

    まず、この後、彼女はモルに、「普通の聖餐だと彼に信じさせるのは、とても難しかった」というような意味のことを言っています。恋愛感情があるのなら、ミッションの難しさを嘆くよりも、状況の辛さに、涙してほしいものです。

    また、ラ公没後、モルがゾフィー大公妃に挨拶に行った時。彼女はモルに、「彼(ラ公)が、いつも私に見せてくれた礼儀正しさには、本当に感動させられた」と述べています。「これは、恋する女のセリフではない」とは、評伝作者の感想です。私も、「礼儀正しさ」は、恋愛感情とは遠いものに感じます。

    そして、時は流れ、息子マクシミリアンがメキシコへ行く時に、ゾフィーが彼に打った最後の電報……。
    「ご機嫌よう、私たちの―パパと私の―祝福と祈りと涙がお前のお供をします。……」(『イカロスの失墜』菊池良生)
    短い電報で、ゾフィーは二度、「私たち」を用いて、自分と夫の悲しみを伝えています。マクシミリアンは、夫の本当の子だからこそ出てきた、自然な悲しみの発露のように、私には読めました。

    このお話は、なるべく、ラ公の真実に寄り添っていきたいと考えました。しかし、ゾフィーとの美しい恋があったと信じる方が、彼の物語は長く語り継がれ、彼自身も人々の記憶に残ると信じます。その意味でも、@Kenta-H7さんの解釈は、素晴らしいと思います。

    ラ公の方は、どうだったのか。私は、「甘え」だったと思います。彼は、誰にも甘えたことがありませんでした。その飢えを、ゾフィーは満たしてくれたのではないでしょうか。恋愛感情にまで発展することも充分あり得る、「甘え」です。ただ、彼の「礼儀正しさ」が、それを許さなかった……。

    今、私が恋物語を描くなら……というか、もう、2年前にBLを書いちゃってますけど……それは、モル視点の悲恋になりそうで怖いです。それだけは、絶対に避けたいです。

    DNA鑑定……やろうと思えばできるはず。でも、ハプスブルク家は、きっと、絶対、許さないでしょう。美しい、永遠の謎です。

    ナポレオン3世に騙される形でメキシコ皇帝になり、そのまま死んでいったマクシミリアンを、私も自分のお話に取り込みたいと思い、この形にしました。

    ぶしつけなんて、とんでもない! 大好きな殿下の話ができて、とても楽しかったです。お時間をいっぱい頂いて、ありがとうございました。また何かございましたら、ぜひ、コメント頂けますと、とても嬉しいです。





    ◆◆追伸へのお答え◆◆

    すみません、追伸、今気が付きました! お返事が遅れて、大変、申し訳ありません。


    空白の30分……。なるほど、と思いました。@Kenta-H7さんのご意見、あり得ない話ではありません。


    私は、ゾフィーはひたすら、「通常の聖餐だから」と説得していたと思っていました。秘跡の儀は、受けずに死ぬと、死後の安寧も復活も望めない、欠くことのできない宗教儀式です。しかし、同時に死の宣告であるわけで……ゾフィーは、フランソワに、それと悟られないで、「聖餐」を受けるように説得することに、必死になっていたんじゃないか、と。

    なんだか、二人に騙された気がします。そして、@Kenta-H7さん説の方が、よほどロマンティックです。この時期に関しては、私はどうも、モル目線で物を考え過ぎるきらいがあります。モルと一緒になって、二人にころっと騙されたような気がしてなりません。
    そう考えると、後の1848革命の時、ゾフィーが、メッテルニヒ追い落としに暗躍したのも、説得力が増します。彼女の目的は、息子フランツ・ヨーゼフの即位と言われていますが、ライヒシュタット公の敵討ちという側面が強まります。


    実は、後付け資料の一環として、「ゾフィー大公妃との関係について」という一文を書こうと、ここまで戻ってきて、初めて、追伸に気が付きました。「ゾフィー大公妃との関係について」は、2月4日の公開となります。相変わらず、二人は関係はなかった説をとっていますが、ライヒシュタット公と噂のあった他の女性達、そして、私が、ゾフィーのお相手として物語に組み込んだ人の経歴、及び、その人とライヒシュタット公の関係等をまとめてありますので、もしよろしかったら、覗いてやって下さい。


    あと、@Kenta-H7さん説の場合、私は、夫のフランツ・カールは、フランソワの子だと知ったら、むしろ喜んで受け容れたと思います。フランツ・カールは、フランソワのことが大好きでした。彼が亡くなった時、モルの前で、大泣きしています。従者の前で泣くというのは、大変、珍しいことですので。


    ご意見、本当にありがとうございました。本当は、ライヒシュタット公に、恋愛のひとつも、成就させてやりたかったのです。@Kenta-H7さんがそう思って下さることが、とても嬉しいです。





    編集済
  • 秘跡の儀……そんなものがあったのですね……
    戦場に赴く場合ってどうしてたんでしょう、してから出かけるなんて不吉だけど、せずに出張って死ねばそれまでだし……

    作者からの返信

    本当ですね。考えてもみませんでした。戦場での死は、特別に名誉なことなのかもしれませんね。だから、天国へまっしぐら、とか? ごめんなさい、よくわかりません。

    秘跡の儀は、とにかく、受けねばならぬもののようです。フランソワにとっては、残酷なものになってしまいました。けれどもそれは、彼が、生きようとしていたからで……。

    お読み下さって、本当にありがとうございます。

  • パリ 6月暴動への応援コメント

    世界の情勢も、ライヒシュタット公の容態も、ことここに至って、メッテルニヒの意図すると宣うところも正当性を失い、いよいよ彼は私怨で公を害しているようにしか思えない……

    作者からの返信

    あまり言われていませんが、この6月暴動は、実は、メッテルニヒにとって、大きなターニングポイントだった、というのが、私の意見です。

    この暴動があっさり鎮圧されたことにより、脆弱だったルイ・フィリップ政権は安定します。もう、抑止力としてのナポレオン2世は、必要ありません。

    私怨……確かにそう言っている人は多いです。評伝の作者は、ナポレオン憎しの行き着く先だと、思っているようです。実際彼は、オーストリアにとって、お荷物でしたし、扱いに困る存在でした。

    私も、私なりに、いろいろ考えて、お話を進めて参ります。どうか、最後までお付き合い頂けますように……。

  • 頬の赤い筋への応援コメント

    当時でも、旅は命がけであったのでしょう、そうだとしても、我が子の命が危ういと、その報せを聞いて、駆け付けずにはいられないほど、マリー・ルイーゼは母親ではなく、また君主としての自覚に欠けてもいなかった、ということなのでしょうか……
    それでも、やはり、どうしたって、彼女の行動には疑問が残ります

    作者からの返信

    私には、疑問しか残りません。君主としての自覚……確かに、マリー・ルイーゼは、イタリアではとても評判がいいそうです(フランスでは最悪です)。しかし、自国の民に、理解を求めることができないほど、彼女は孤立していたのでしょうか。君主が、病床の息子の元へ旅立つことを許せないほど、パルマの人々は狭量だったのでしょうか。

    ですが、やっぱり、彼女の悪口は控えます。殿下の、大切なママンですから。

    お読み下さって、本当に、ありがとうございます……。

  • キリスト教徒としての死をへの応援コメント

    口にはせずとも、もう皇帝の心中には、孫の死が逃れようもなく、自分が見据えなくてはならないものとして、現れていたのかもしれませんね……

    作者からの返信

    皇帝も、他の皇族も、付き人達も、ウィーンの人々も、パリの新聞も……みんな、わかっていました。彼はもう、助からない、って。

    わかっていないのは、ハルトマン将軍だけです。けれど彼は、彼なりの忠誠心で、上官であるライヒシュタット公の死が近いことを、認めたくなかっただけなのです。

    ところで、ハプスブルクの皇族は、どうやら、身内の葬儀には出席しないようですね。イタリアへ行かなくてはならないことは、孫の苦しみを、間近で見ていなくてもいいということは、皇帝にとっては、救いであったのでしょう。


  • 父親の罪を償うだけの人生への応援コメント

    「いい加減しないか!」については、これ「に」が抜けてるやつですか、それとも俺が知らないだけの言い方ですかね

    作者からの返信

    ばっちり、「に」が入るやつです。すみません、またやってます。さっそく直してきました。
    いつも、本当に、ありがとうございます。

  • 墓を飾る昇進への応援コメント

    マリー・ルイーゼ、なんなら、お別れができるならそれで結構とでも、思っていたんですかね……

    作者からの返信

    いや、さすがにそれはない……と、思いたい……けど……。

    マリー・ルイーゼには、年を経るごとに、若い妻に甘かった優しい夫の像は消えて、ナポレオンの嫌な側面ばかり、クローズアップされていったようです。そんな彼女にとって、父との思い出を大切にし、父を敬愛するフランソワは、厄介な存在だったことでしょう。

    でも、息子ですよ? ああ、彼女は昔、幼い彼を置き去りにして、パルマへ旅立って行けたんでしたっけ……けど、息子ですよ? ……ああ、既にパルマには、ナイペルクとの間の子どもが二人、いるんでしたっけ……でも!!!

    高貴なお方という者は、私には、理解できないのかもしれません。

  • また見つけました「その出血は、患者を解放を導いたようだ、」同じ助詞の連続です。

    しかしマリー・ルイーゼ、どんだけライヒシュタット公と会いたくないのか……

    作者からの返信

    うぎゃ。やっちまってますね! いつも本当に、ありがとうございます。間違えたくないなどと大見得を切った手前、恥ずかしいですが、ご指摘いただいて、とても嬉しいです。これで、私の、殿下への真心(作品)が、また一歩、完璧に近づいた、と……、小説として、完璧には程遠いですが。

    私も、どれだけ、マリー・ルイーゼの悪口を言いたいことか! 殿下の大好きなママンだからこそ、我慢しているのです……。

  • ベリー公妃の脅威への応援コメント

    メッテルニヒからすれば、死ぬなら死ぬでよし、死なぬなら死なぬでよし、なら特に手をかけることもなし……時代の倫理というものもありましょうが、皇帝の孫をこうまで「使える」というのは、恐るべき、彼の特質だったのでしょうか……

    作者からの返信

    特に手をかけることもなし……。これは、評伝の作者も言っていることです。

    ただ、メッテルニヒは、君主制の信奉者でした。「皇帝の意志から外れるようなことがあれば、私は一日として、外相(当時)の椅子に座ってはいられないだろう」と言っていますし、フランツ帝が亡くなった時には、「私は父であり、主人であり、友人を失った」と言って、涙しています。

    どうか、このことを、お気に留めておいて下さい。

    編集済
  • ナポリへ!への応援コメント

    いままでも、何度も、こうして周囲の人の好意の波がライヒシュタット公を救おうとしては、どういうわけか都合が悪く、振り出しに戻ってしまうことの繰り返しであったし、ライヒシュタット公が辿る結末がどのようなものか知ってしまうと、やはりこの波を見続けることが苦しくなる一方です。

    作者からの返信

    書く私も、苦しかったです。エンタメであるべきweb小説で、このような残酷なお話を公開していいのか、ラスト近くなって、ためらいの気持ちが強くなっていく一方です。

    ただ、ひとつ、私がどうしても言いたいのは、彼の周りの人達は、彼を愛さずにはいられなかった、ということです。憎いナポレオンの息子でも、国家のお荷物であっても、自分の監視対象であっても、なんなら、病気で快活さを失ってしまっても……周囲の人は、彼を、愛さずにはいられなかった。そこを、強調したいのです。

    辛いお話は、序盤に入ったばかりです。どうかお許しを。

  • 余命数ヶ月への応援コメント

    また、差し出がましいようですが、

    「再発にすぎない。。」

    もしかすると三点リーダー的運用かも、とは思いましたが、一応。

    作者からの返信

    お気遣い、ありがとうございます。「。」が一個多い間違いです、サンテンではなく。

    ご指摘頂いて、助かっています。誤字脱字は、自分ではなかなか見つけられないものです。ですが、この作品は、特に思い入れが深く、ライヒシュタット公への敬意の為にも、間違いは、絶対に許せないのです(その割に、結構やらかしてますが)。
    さっそく、直させて頂きました!

    いつも本当に、ありがとうございます。

  • Guten Abend!(下がれ!)への応援コメント

    フランソワは何を考えていたのか……
    そういえば、モルらはこのことで何か処罰など受けたのですか?

    作者からの返信

    寒い日の、この出来事は、事実です。なぜこんな寒い日に、弱った自分の体を試そうとするかのように、二度も外出したのか。これは、本当に謎です。私の用意した答えは、フランスで、エリザ・ナポレオーネが待っていたから、というものでしたが、真実はどうだったのでしょうね。軍務への無茶な傾倒の他に、この辺りからも、ナポレオン2世自殺説が、クローズアップされたのです。

    モルは、皇帝さえも、孫によく尽くしてくれていると感謝していたくらいですので、大丈夫です。もっとも、彼とライヒシュタット公の間で、何らかの確執があったらしいのですが、モルが、自分で、手記の大半を処分してしまったので、詳細は不明なのです。ライヒシュタット公への、よほどの悪口を書いたのか……それとも……愛?

    編集済
  • 遂に祖父まで彼を誤解して、或いは理解してしまったと……
    しかしフランソワに、その祖父を信頼せず、二冠という発想は絶対に漏らさず、死後まで利用し続けるという選択肢は思いつかなかったでしょうね……

    作者からの返信

    劇場で、祖父が孫に疑問を感じたのは事実で、後で、もう一度、出てきます。それと、ライヒシュタット公が「エンツォ王」の劇を観たと、マリー・ルイーゼに宛てて手紙を書いていること、そして、最後まで「ナポリ」へ行きたがっていたこと……。その辺りを鑑みて、このお話を作りました。

    この辺から、フランソワの悪魔的な性格……といっていいのか……が、次第にクローズアップされていきます。
    賛否両論あると思いますが、イケメンでステキな貴公子だけではない、時代に翻弄されながら、決して挫けなかった姿を描きたいのです。

    編集済
  • マルファッティの診断への応援コメント

    彼は半ばは若さによって、そもそも傷んだからだをなんとか持ち直させようとしていたのでしょうか……
    そして、そうであることに、みな期待していた……期待が判断を曇らせた。

    作者からの返信

    彼は半ばは若さによって、そもそも傷んだからだをなんとか持ち直させようとしていた……
    これは、その通りだと思います。若さと、負けん気、意地、いろいろあったと思います。

    そうであることに、みな期待していた……
    これは、むごいようですが、正反対だと思います。皆、無関心だったのです。皇族でありながら、ゴールデン・フリースも与えられず、大公でもない。公爵(Herzog)というのは、オーストリアでは、特殊な身分です。その上、軍での身分も低いし、ウィーンから出られない以上、出世の見込みもない。
    実際、ディ伯爵なぞは、殿下は、低く見られているのではないかと、本人であるライヒシュタット公に、文句を言ってます。

  • 蛍狩りへの応援コメント

    アシュラが無事(?)で一安心(??)なのはいいとして(???)、フランソワ、結核でタバコだなんて、こりゃもう、露骨な自殺ですよねえ……

    作者からの返信

    いやまあ、アシュラがいなくなったら、私もいろいろ困るもので……。

    当時、煙草の害は、どこまで知られていたんでしょうかね。ナポレオンは煙草が好きだったそうで、もともとスペインのローカルな煙草だった葉巻は、彼がヨーロッパ全域に広げたといいます。フランソワは案外、葉巻の匂いに、無意識のうちに、父の懐かしさを感じていたのかもしれませんね。それとも、粋がっていたのか。
    (2019.12.17. タバコについて、補足しました)

    煙草は、貴婦人方には評判が悪く、メッテルニヒの3人目の妻などは、大嫌いだったそうです。

    編集済
  • ドナウの暗い流れへの応援コメント

    アシュラ……
    久しぶりでいきなり、というのもなんですが二点。

    ・『暖かいイアリアでゆっくり休んだなら』
    ・『「マルファッティを脅しやつだろ」』

    作者からの返信

    ひええええ、我ながら、相変わらず元気にやってますね……。

    そしてうっかり、「イアリア」で検索したら、他でも同じミスをやっていたという、かなしみ……。

    いつもご指摘、ありがとうございます!!

  • 束の間の軍務再開への応援コメント

    まずいですよ!
    良くも悪くも友人が二人、遠く去ってしまった後に……

    作者からの返信

    そうなんです。
    グスタフがいつ、どういう理由でウィーンを離れたか、定かではないのですが、1832年の8月初旬にはナポリにいたので、この辺りで、ウィーンを離れたのは間違いないと思います。

    しかも、彼で終わりではないのです。

    それがなぜかはわからないけれど、ライヒシュタット公は、精神的に、本当に、ひとりぼっちになってしまうのです……。

  • 賭けへの応援コメント

    そういえば、ジャン・クリストフ・ナポレオン・ボナパルトとオリンピア・フォン・ウント・ツー・アルコ=ツィネペルクが結婚したそうですね。二人の子供には、ぜひとも幸せになってもらいたいものです。

    作者からの返信

    見ました見ました! webニュースで。興奮しましたねえ!!!
    年の差があまりなく、恋愛結婚だったので、マリー・ルイーゼとナポレオンのようにはならないはず! です。

    赤ちゃんが生まれたら、ぜひ、見てみたいなあ。金髪は劣勢遺伝だというから、ローマ王みたいな子が生まれる確率は低いのでしょうか?
    いや、数撃ちゃ当たる、そして、ハプスブルク家の多産の伝統はどうなるのか……などと、変な興味もあったりして。でも、幸せは、子どもの数に比例するもんじゃないですし。

    末永くお幸せに! と(全く縁のない私ですが)、祈っています。

  • 破戒 2への応援コメント

    何かを失う代わりに何かを得ようと思うのは、病に責められ、既に自信を失っているのかもしれませんね。少なくともナポレオンは、なんでも手に入れたかったのだろうし、そうしたでしょう。それを越えようと言うなら、死後の平穏すらも自ら保全してみせてほしかった。しかしフランソワの現実は恐らくこうだったのだろうと思います。

    作者からの返信

    病は、すでに、相当、重くなっています。もはや、何をする気にもならないレベル……。ただ、彼はそれを、周囲に隠していました。

    死については、次の章の終わり頃から、次第にクローズアップされていきます。もう、気の毒で、やってられない感じでした。これ、書く必要、あるのかな? とも迷いましたが、ぎりぎりの瀬戸際で、彼の勁さがにじみ出ているのが感じられ、割愛はできませんでした。「ナポレオンの息子は身体が弱く、若年時の運動不足も祟り」……などという誤った認識を是正したい気持ちからも、頑張って書きました。
    私の頑張りが、間違った方向に行かなかったことを、祈っています。

  • 破戒 1への応援コメント

    300話おめでとうございます!
    もしそうなっていたら……と思わずにはいられませんが、まあその場合民主主義や今の世界はどっかへ消えてしまうので、それはそれで困る、んですが……ナポレオン二世としてであろうとフランソワとしてであろうと、もっと生きてほしかった……

    作者からの返信

    え? 300話? ひえーーーーっ!!!

    改めて、ここまでお付き合い頂いて、本当に、ありがとうございます。まだまだ続きますので、どうか、最後までお付き合い頂けますように……。

    身の回りの人と、ナポレオン2世がヨーロッパに君臨したら……という話をしたのですが。私は、少なくとも、ナチス・ドイツの覇権はなかったと思うのですが、一度根付いた民族自決を考えると、ナポレオン2世に何ができたか、と疑義を呈されました。

    ただ、人種差別は起こらなかったと思うのですよ。ライヒシュタット公は、そういう人でした。決して、理想化しているわけではなく。

  • エンツォ王の悲劇への応援コメント

    やったー、当たり―!

    作者からの返信

    おめでとうございます!!
    そして、ここまで、丁寧に読み取って頂き、本当に、ありがとうございます。

    なんかもう、理屈が多くて、これはweb小説なのに、でも、歴史について考えないと、ライヒシュタット公の本当の悲劇は表現できないし……つか、私の頭は、この時代の知性に縋りつくことくらいはできているのか? という、疑問と葛藤の中で、ここまで書き進んで参りました。

    お付き合い頂いて、心から、感謝の気持ちでいっぱいです!!
    ありがとうございます!!!

  • 神に逆らう行為 2への応援コメント

    ローマを討つ。そして自分の名の通り、ローマ王として、自らを中心に、統一をなす……そういうことでしょうか……

    統一はそれ以前のものを破棄することであると、フランソワが気付かないのは……若さゆえでしょうかね

    作者からの返信

    統一はそれ以前のものを破棄することである……その通りです。ナポレオン亡き後、すでに、歴史は積み重なっており、その辺りも、これから、プリンスを悩ませていきます。

    ただ、私にわからなかったのは、彼がどこまで、王位(皇位)にこだわったか、という辺りです。時代が動いていることは、彼にもわかっていたのではないでしょうか。王制にこだわるのは、愚かであると……ある時点で気がついたと思いたい。さもなければ、メッテルニヒに敵意は持たなかったはずです。

    王位につくことを目指すのではなかったら、彼は、何を目指せばよかったのか。それは、後から生まれた現代人にしか、出せない回答かもしれません。

  • 神に逆らう行為 1への応援コメント

    グスタフも……
    なかなかどうして、フランソワの周りには彼の頭脳と釣り合う同年代の男が居ないものですなあ

    作者からの返信

    グスタフについては、とにかくモルが、彼を、目の敵にしていました。"Kupplergemacht"(仲介者……女性との……、くらいの意味らしいです)と、罵ってますし。
    それと、昇進の記録がないことを総合して、このような人物造形にしました。あと、モーリツとともに、若者たちが夜に集う場所に詳しい、と資料にありましたし。
    グスタフとか、モーリツ・エステルハージとか……。謝っておいたほうがいいのかな? ……いろいろ、すみません。

    プロケシュは、プリンスの周りには、気持ちのいい集まりができていた、というような意味のことを言っていましたが、やはり、世界情勢や政治について語り合うことは難しかったと思います。

  • モル……
    あ、お久しぶりです。

    作者からの返信

    コメント、ありがとうございます!
    なんか、長引いてます。でも、大丈夫。ラストまで書き終えましたので! 残すところは、エピローグのみ。(連載は、まだ結構、続きます……)
    なんか、お世話になりっぱなしで、その上長引いてしまって、申し訳ないです……。

    モルは、腐女子の楽しみ……じゃなくて、実際、こういう人だったらしいですよ? なかなか屈折した人なので、初めは、ディートリヒシュタインに気があるのかと思っちゃったくらいです。文通相手ですし。でもそれは、間違いでした!!

  • 夜遊びのすすめへの応援コメント

    フランソワは、実のところ、何を嫌ったのだろう……

    作者からの返信

    ずばり、人です。それも、自分に近づいてくる他人を、一番、警戒していました。

    理由としては、幼い頃から、身の回りを探られていたことや、都合の悪い情報を隠されてきたこと、受けてきた教育などが挙げられます。実際に、命を狙われているという情報が齎されたこともありました。親しげに接触してくる人を警戒するのも、無理のないことだといえます。

    ですが、純粋に、彼と親しくなりたいと思う人達には、頑なに映ったことでしょう。彼は、友達が欲しかったのですが、自ら、身の回りにバリアを張っていたわけです。

    このバリアは、簡単には外せません。複雑な身の上はもちろんですが、彼の(実は)内気な性格も、彼を無愛想に見せていたことでしょう。身近に、同じ年齢の人がいなかったため、人と、どう親しくなったらいいのか、わからなかったのではないでしょうか。内気さは、魅力にもなり得た筈なのに。

    いろいろ残念な人なのです。ライヒシュタット公は。決して、完璧なプリンスだったわけではありません。

    この辺りが、次第にクローズアップされてくると思います。うまく表現できるといいのですが。

    いつも本当に、ありがとうございます!!

  • みんな、わかってないなあ……

    作者からの返信

    私には、ディートリヒシュタイン伯爵の加担が、一番驚きました。ディ先生、カタブツなだけじゃなかったんだ……。その上、プロケシュとグスタフが加わると、大真面目で、おかしな方向へ突っ走りそうで、これは、ライヒシュタット公には、明らかに迷惑だったでしょうね……。

    時代は、日本では江戸時代のお話なんですよね。なんだか、今の日本と地続きの、あるある話のような気がします。彼、この頃元気がないな。よし、女の子でも紹介してみよう! みたいな。親しみを感じると言ったら変ですが、みんな、ちゃんと人間だったんだなあって、改めて思います。

  • 気がかりへの応援コメント

    フランソワ、単にフランス王即位だけでなく、現状維持以上のことを望めない体調であったのかもしれませんね……

    作者からの返信

    お言葉の通り、1831年11月末といえば、病はかなり悪化していたと考えられます。けれども彼は、それを決して人に悟らせませんでしたし、自分でも認めようとしませんでした。軍務復帰の強い意志と、ナポレオンの息子としての矜持があったからでしょう。

    もし、この時期に、きちんと静養していたら…。プロケシュもディートリヒシュタイン伯爵も、しょっちゅう、彼に会っていたわけではありません。毎日会っていたのは、3人の軍の付き人達でしたが、彼らは、フランソワの監視役です。また、フランソワは、マルファッティ医師を信用していませんでした(あれだけ、ヤブ診断をしてたわけですから)。

    やはり、彼は、どうしようもなく、孤独だったのです。

    メッテルニヒに逆らい、強引にでも彼を療養に連れ出すのは、母親の役目だったと、私は考えるのです。そうすれば、ライヒシュタット公は、まだまだ、死ななくて、済んだ筈です。

    なんかもう、やり切れません。
    ですが、今しばらく、この時代のウィーンをお楽しみ頂けるかと。
    いつも、本当に、ありがとうございます。

  • プロケシュの訪れへの応援コメント

    最後の一文で、フランソワの命日を確かめてしまいました……
    そんな……

    作者からの返信

    そうなんです。
    残り少ない日々の中で、いかに輝きを拾うか。また、以前、鷦鷯さんに頂いたお題、彼は、ナポレオンを超えられるのか。このテーマに挑んでいきます。(ま、また、ハードルを上げてしまった……)

    フランソワは、ナポレオンを、崇めなぞろうとするだけなのか。それとも、超えられるのか。
    魅力的なテーマを、ありがとうございました。難しいお題で、最初は、頭を抱えてしまいました。けれど、どちらの答えであれ、成功した暁には、お話に、非常な深みが出ると思います。精一杯努力しますので、どうか、お付き合い下さい。

  • 密会への応援コメント

    ナイスヴァーサ!

    作者からの返信

    以前書いた、ヴァーサ公の軍への報告書……ライヒシュタット公は健康だという……の、後始末を、私がつけました!!
    ヴァーサ公は嘘つきではないという……。

    ライヒシュタット公が、周囲から巧みに病気を隠していたのは、本当です。ただ、いくら隠し通そうとしたって、共に暮らす家族には、隠し通せないはず。つまり、彼には、身近な、親身になってくれる「家族」がいなかったということになります。

    軍の上官のヴァーサ公に見抜けなかったとしても、それは当然です。

    お読み下さって、本当にありがとうございます。

  • ゾフィーと夫への応援コメント

    ゾフィー……

    作者からの返信

    ゾフィー大公妃とライヒシュタット公のロマンスは、多くの女性の憧れの的です。事実、ゾフィーは、この後も、ライヒシュタット公に、とても良くしてくれましたし。ですが、研究者の先生方は、完全否定です(それも、あんまりな気が…)。

    ちなみに、ゾフィーは、数十年後、長男(フランツ・ヨーゼフ)の嫁に対して、かなりコワイ姑になったといいます。
    ここにお話ししているのは、その彼女が、きれいで、初々しかった頃のお話です。彼女の若い日々に、ライヒシュタット公が、花を添えていたと……そういう風に、私は、理解しています。

    お読み下さって、本当に、ありがとうございます。エンタメ風のお話は、もう少し、続きます。ライヒシュタット公にも、楽しい(?)時間があったのだと、思いたいのです。お読み頂けると、嬉しいです。

  • ゾフィーの扇言葉への応援コメント

    娯楽が少なかったことは無いと思うんですがねえ、他人という娯楽はいつの時代でも大人気だ……

    作者からの返信

    自由なバイエルン宮廷で育ったので、ゾフィー大公妃は、天真爛漫だったようです。隠すことをしない彼女は、大公妃という身分もあって、ウィーン宮廷では、常に、好奇の的だったことでしょう。うるさく付き纏う噂を、彼女が撃退できるようになるのは、1848年革命、息子のフランツ・ヨーゼフが即位するまで、待たねばならないようです。

    お読み下さって、ご感想も頂けて、本当に、ありがとうございます。
    エンタメ要素が続きます。なにしろ、王子さまですから……私なりに、精一杯の華やぎを、ライヒシュタット公に贈るつもりです。
    お付き合い頂けると、嬉しいです。

  • ゾフィー大公妃への花束への応援コメント

    フランソワのことだから、やったとしてもこの程度だったのでしょうねえ……

    作者からの返信

    ありがとうございます、ぎりぎりのフィクションです。

    ゾフィー大公妃とライヒシュタット公が仲が良かったのは事実らしいのですが、具体的にどんなことがあったのか、お互いにどんな気持ちを抱いていたのかまでは、伝わっていません。お互いが、お互いのガーデナー(守護者)だったのかなあ、と、想像してみました。相手がとても大切だという感じの、場合によっては、恋愛に発展しそうな……。しかし、フランソワですからね。プロケシュの手を握って、愛を告白しちゃった……。

    花の好きな祖父の皇帝の薫陶を得た彼のことですから、花をモチーフに、それっぽく演出してみました。ライヒシュタット公への、せりもも、渾身のサービスです……。

    明日も、宮廷恋愛(?)、頑張ってみます。どうか、お楽しみ頂けますように……。

  • 見え始めた希望への応援コメント

    史実を知っているともう、泣くことしかできないんですけどね……

    作者からの返信

    書こうかどうしようか、迷っていた出来事です。実際にこんな事件があったのかは、記録にありません。あったとしても、間違いなく、事故だったと思います。けれど、ライヒシュタット公は、モルの前で、ひどく自分を責めていました(何年か前の狩りで、とありました。恐らく、モルが来る前でしょう。本当に深刻な出来事だったら、ディートリヒシュタインが騒いだ筈です)。

    ライヒシュタット公の「告白」は、亡くなる2週間ほど前のことです。
    彼の死の前の言動は、重要視すべきではないという意見があります。ですが、死の直前だからこそ、本質的な何かがあった気がします。

    このお話では、時期を早めてご紹介し、これからゆっくり、考えてみたいと思います。
    決して、ライヒシュタット公を貶める意図ではなく。

    ご共感頂き、本当にありがとうございます。
    最終章の下書きに入ってます。プロットをしっかり組み立てないと、伏線の回収が難しいので、気をしっかり持って……でもやっぱり、泣きそうです。

  • ポリティカルな話題への応援コメント

    フランソワのこの優しさは一体何を最大のベースとしているのかな……

    作者からの返信

    フェルドナンド大公への気持ちは、また、触れることがあると思います。次の皇帝への、ライヒシュタット公の複雑な思いは、全くのデタラメではないつもりですが、概ね、フィクションです。

    レオポルド大公一家は、彼に対して、親身であったので、彼自身も、親しみを抱いていたと思われます。

    以上は、モルの手記からの推測です。

    ゾフィー大公妃ですが……。ライヒシュタット公の彼女への優しさは、常に礼儀正しさに則っていたそうです。ゾフィーの方は、まるで肉親のような愛情を、彼に対して抱いていたのに。
    家庭教師も軍の付き人も、皆、彼を探っていたのに、彼女だけは、それをしませんでした。そのおおらかさに、ライヒシュタット公は、安らぎを感じていたのではないでしょうか。でもそれは、愛とは違います。そこがまた、彼の孤独を感じさせ、切ないです。以後のお話で、うまく表現できるといいのですが……。

    お読み下さって、本当に、ありがとうございます。なんか、自らハードルを上げてる気がしてますが、ライヒシュタット公は、本当に……。是非、最後までお付き合い頂けると、とても嬉しいです。

  • せりももさん、ついに……

    作者からの返信

    不完全燃焼……。モルと画家じゃあねえ。
    大丈夫です。最後まで、気を確かに持って、腐りません。そうでないと、本物のライヒシュタット公に申し訳ないというか、彼のファンに殺されます。私も、死んでから、彼に合わせる顔がありません。

    もろもろ片付いてから、こっそりと……。この際、需要は、関係ありません。萌えです! 彼ほどの逸材はありません!!


    めんどうなお話もあったのに、ここまでお読み下さって、本当に、ありがとうございます。
    敷くべき伏線も、残す所、あとひとつ。すでに敷き終えた伏線と合わせ、うまく回収できますように。ものすごいロングパスもあって、自分が心配になってき……いえ、頑張りますので、どうぞどうぞ、よろしくお付き合い下さい。

  • 薔薇と小鳥への応援コメント

    F・カールとレオポルド、好きだなぁ……

    作者からの返信

    レオポルド大公はちょっとよくわからないのですが(ライヒシュタット公の口車に乗せられて、マリー・ルイーゼの子どもたちのことをぺらぺらしゃべっちゃったのは、事実です)、フランツ・カール大公は、だいたい、このようなお人柄だったのではないかと思います。

    ライヒシュタット公は、叔父のフランツ・カール大公のことを、プロケシュに、さんざんに言ってますが、でも、彼は、いい人でした。どのようにいい人かは、おいおい、書いていきたいと思います。

    それにしても、ライヒシュタット公は、ほんの戯れで、叔父さんの悪口を口にしただけだと思うのです。なんで書いちゃったんですかねえ、プロケシュは。フランツ・カール大公は、絶対、プロケシュの書いた本を読みましたよ。それか、人から聞かされたか。でもまあ、彼のことだから、泣き笑いで、決して、甥のことをは恨まなかったと思います。

  • ゾフィー大公妃のお願いへの応援コメント

    ゾフィーに、感謝しなくちゃいけませんね……

    作者からの返信

    ゾフィー大公妃のおかげで、ライヒシュタット公のお顔や姿が、ちゃんと伝わったわけですものね。町の肖像画家、ダッフィンガーも、デタラメを描いてたわけじゃないって。

    つまり、彼は、イケメンだったと、証明されたわけです!!!
    (3人の孫の絵では、若干、線が細すぎるような気もします。でもまあ、子ども2人と並べるわけですから。画家の苦労が偲ばれます)

    ゾフィー大公妃は、なにくれとなく、ライヒシュタット公によくしてくれて、本当に、この二人が恋人同士だったと書けたなら、私の小説も、どんなに人気が出たことかと……。でも、妄想の付け入る隙もなかったんです。なにしろ、彼は、ああいうお人柄ですので。

  • ハプスブルク家の縁組、ほんとどうしようもないな……

    作者からの返信

    気の毒な日本人の書き手のことを、もう少し考えてほしいですよね、ほんとに。もう、系譜を辿っているだけで、大混乱。似たような名前ばっかりだし。

    ただ、懸命に辿っていくうちに、(うまく遺伝子が噛み合えば)美男美女が生まれるんだ、ということがわかりました。さすがハプスブルク家です。


  • 編集済

    抑止力への応援コメント

    プリンスは、状況に対応しようとしたメッテルニヒの悪意の犠牲者……にとどまらず、全関係者の選択が明らかによくない方向に彼を導いてしまっていた、という作品全体の繰り返しがもう、刺さる刺さる……

    作者からの返信

    全関係者の選択が明らかによくない方向に彼を導いてしまっていた……。

    うわあ、見抜かれたかな? 
    実は、最後にどんでん返しを考えています。この視点は、転換の視座です。

    そうなんです。彼に対し悪意の全くない人、彼を愛している人たちでさえ、彼をいい方向に導けなかった。

    ですが、ここまでです。どうかぜひ、最後まで、お付き合い下さい。私も、これ以上見抜かれないよう、そして、うまく着地できるよう、頑張ります。

  • 史実部分の経緯を見ていけばいくほど、倫理どこ……ってなってしまいますな……

    作者からの返信

    王政復古から続くこの時代は、比較的平和な時代であったのですが……ブルジョワジーが台頭し、人々が、小市民的な幸せを謳歌していた時代です。やがてプロレタリアートの不満が爆発するのですが、それはまだ、先の話です。

    つまり、市民の犠牲になったのが、ナポレオンの息子、ライヒシュタット公だったと、私は思うのです。
    倫理もまた、人々の幸せの前には、全くの無力だったと。
    もし、今の時代、私達が、平和を貪っているとするのなら……私達の、私の、犠牲になっているのは、誰だろう、と、思わずにはいられません。

    偉そうに書いてますが、本当の所、自分のことで精一杯……倫理のかけらもない、私です。

  • 劇の一場面、という感が深く。

    作者からの返信

    全くの虚構でもないのです。この次の、「アレネンバーグ城の密談 4」で、嘘と史実の境を、ご説明致します。もしよろしかったら、後書きまで、お目通し下さい。

    よく知られているお話なら、嘘をしれっと並べ立てて終わりにするのですが。革命と革命の間のこの時代は、日本ではあまり話題にならないので、蛇足がつき、お読みになっていて煩わしいかな、と、申し訳ないです。

    ちなみに、ここでのお話は、伏線になっていたりします。もちろん、史実に即してお話を勧めますが、ライヒシュタット公を、運命に翻弄されただけの可哀想な人、だけでは、終わりにしたくないのです。

  • やはり現実問題としてプリンスの即位は無理があったのでしょうか……

    作者からの返信

    もし、フランス王に即位するなら、それはあくまでも、オーストリア皇帝の孫として、だったでしょう。もちろん、ナポレオン2世であることに変わりはないのですが、「ナポレオン」は、名前だけです。
    オーストリアは、あらゆる面で、フランスに介入し、やがて彼は、フランス人から疎まれるようになるでしょう。ライヒシュタット公がそれを望むとは、とてもじゃないけど、思えません……。

    オーストリアの影を振り落とし、フランスに入る。
    その方法を、彼は考えていたと思うのです。
    私も、考えてみました。
    彼の残した言葉を頼りに、拙いながらも、これから描いていきます。それが、彼が父を超えたという、唯一の証明だと思いますので。

  • ユゴーとエミールへの応援コメント

    「状況の犠牲者」という言葉に、日本における「英霊」の語と同様の構造を見ました。

    作者からの返信

    正直、そこまでの深い意味は込めませんでした。
    ただ、私は悔しいのです。7月革命のあの時、ライヒシュタット公が、フランスにいたら! せめてもう少し、彼の露出が多く、その容貌、人柄、考え方が、フランスに伝わっていたら!
    ルイ・フィリップに、出番はなかったはずです。

    英霊というと、靖国神社の遊就館へ行った時のことを思い出します。残された遺品に、兵士たちが、とても若かったことを思いました。若い人を犠牲にしておいて、英霊と祭り上げるなど、あってはならないことだと感じました。

    ライヒシュタット公もまた、若くして、犠牲になった人です。でも、このお話では、悲劇の人で終わらせないつもりです。

  • 鉄の意志とガラスの体への応援コメント

    同年代の付き人の不足も、やはりフランソワにはよくなかったのでしょうな……
    こういう時に、伏せっているときにこそ効いてくる……

    作者からの返信

    モルの方では、最初の頃は、年下の上官の気に入られようと、かなり努力したらしいです。元来、無口な性格なのに、ライヒシュタット公の気を引こうと、一生懸命しゃべっていた様子を、プロケシュが書き残しています。

    ところで、ライヒシュタット公は、マリー・ルイーゼへの手紙で、最初の頃のモルの印象を、「知的で、しっかりしており、口が固く、進取的」などと褒め上げたあげく、例のアレですよ、「Ich liebe ihn(彼を).」。
    どうしてこのお方は、男性相手に、すぐ、愛を感じちゃうんでしょうねえ。もう、腐女子の餌食一直線と言うか……。

    モルは、軍の付き人として、採用されました。しかし、上官の病が重くなるに従って、次第に、その看護の任を担っていきます。単純なように見えて、思慮深く、複雑な人物です。

    お読み下さって、本当に、ありがとうございます。次週は、少し、理屈を申しますが、あながち、デタラメでもないので、どうぞ、お楽しみ頂けますように。

  • ナポレオンが絡むと、なんだか凡庸な詩ですなぁ

    作者からの返信

    そうですね。バイロンの持ち味の、破戒的な凄みがありませんものね。3つ目か4つ目に読んだのがこの詩で、お陰で私は、バイロンのことを誤解するところでした。"farewell" も、古めかしい言葉の割に、響きが軽いですし。

    やはり、諸悪の根源は、ナポレオン……、1章で、もっと、悪口を挙げとくべきでした。

    あ。私の訳が下手な可能性もあります。というか、その可能性は、大きいです。もしそうなら、バイロン卿に、心の底からお詫びを。

    ところで昨日は、ナポレオンの誕生日だったそうです。すっかり忘れていました。すみません、どうでもいいといえば、本当に、どうでもいいトリビアでした。

    お読み下さって、いつも、本当にありがとうございます。

    編集済
  • コレラ襲来への応援コメント

    ディ先生すごい……プリンスのために不敬発言も厭わない…

    作者からの返信

    愚痴の多いだけの偏屈先生じゃ、なかったんですね。

    プリンス15歳の時、ウィーンへ来たマリー・ルイーゼが、息子を昇進させてくれるよう、皇帝に頼みました。しかし、ディ先生は、早すぎると反対しました。皇帝は、結局、ディ先生の意見を取り入れて、昇進は2年先まで見送ったという出来事がありました。

    皇帝も、ディ先生には、一目、置いていたんですね。その上で、もし万が一、こんな風に怒っているのが露見したら、そりゃ、皇帝をも操ろうとしている、と、悪口言われますよね……。

    たた、おっしゃる通り、先生は、本当に、フランソワのことだけしか、頭にないのです。ある意味、親馬鹿というか……。ディ先生が無事でいられたのは、やはり、有力な貴族である、兄の存在が大きかったと思います。


    台風は、大丈夫でしょうか。
    いつも、本当に、ありがとうございます。


    編集済
  • 魔王にふさわしい……への応援コメント

    公がそのようなことを口にするというのは少し意外ですが、なんならこういう迂闊な言葉こそ本心なのでは、という気もします。イーグレットはイーグレットだった、と。

    作者からの返信

    プロケシュが言ったように、ライヒシュタット公の宗教観は、非常に unfamiliar なものです。神を冒涜するようなことは、当時は、決して口にすべきではなかったし、ましてや祖父の皇帝は、敬虔なカトリック信者です。ライヒシュタット公も、厳格な宗教教育を受けて育ったことでしょう。

    その彼が、このようなことを口走ったことに、はっとさせられました。これは、なにか、重要なことなのではないか。おっしゃるように、「本心」という言葉が頭に浮かびました。もっと言うなら、隠された心の発露。

    土着の日本人である私は、当初、よその国の宗教は、目をつぶって通り抜けるつもりでした。あまりにも難しく、正答がないように思えたからです。所詮、他人事というか。しかし、あえて、泥沼に足を踏み込むことにしました。というか、気づいたら、沼のど真ん中で……。少し先になりますが、この先の展開に、どうかご期待下さい。

    貴重な夏休みに、おつきあい頂いて、本当に、ありがとうございます。ご期待にそむくことのないよう、心して、書き次いでまいります。

  • クローバーとうまごやしへの応援コメント

    敵ではなかったのかもしれない。それでも、ヴァーサ公の内心には、熾火が、ほんのりとでも残っていたのかもしれません、意地悪心というには幼いような、薄い、ちょとした負の贔屓目のような。
    往々にしてそういうものの積み重ねは人を殺す。

    作者からの返信

    小さな負い目の積み重ねは、本当に恐ろしいと、私も思います。ヴァーサ公の場合は、ゾフィー大公妃への気持ちが、未だ冷めきっておらず、それがいろいろ問題となってきます。この二人の話、まだ、終わってないんです……。

    特に、ライヒシュタット公とゾフィー大公妃の恋物語は有名ですので、期待をひしひしと感じます(誇大妄想かも……)。ですが、研究者は否定しがちで、私は、難しい選択を迫られました。そこで、ヴァーサ公の登場となったのですが……(肖像画が大変、イケメンでしたので)。

    間接的にナポレオンに国を奪われた廃太子と、彼が愛するゾフィーが、なにくれとなく世話を焼くライヒシュタット公。問題が発生しないわけがないです。しかも、ヴァーサ公の新妻は、ライヒシュタット公の「姪」ですから……。
    いろいろ楽しく、捻っていきたいと思います。

  • 送り込まれた刺客への応援コメント

    実際のところ、フランソワに選択肢などというものはなかったのでしょう、現状に甘んじることだけが可能だった、早逝への途だったとしても……
    そのように、ナポレオンの子を恐れる力は全てを縛り尽してしまっておいた……

    作者からの返信

    そのように、ナポレオンの子を恐れる力は全てを縛り尽してしまっておいた……

    おっしゃる通りだと思います。ここへきて、改めて思われるのは、ナポレオンこそ、全て元凶だということです。私が1章で、ナポレオンのアレな側面ばかり強調したのは、果たして、この親に、それだけの価値があったのかという非難と怒りの気持ちからでした。

    ですが、ここで終わらせるのは、悔しかったのです。なんとしても、フランソワに、ナポレオンを凌駕して欲しかった。
    限られた史実を掬い上げ、 少しずつ、スピードを上げてまいります。歴史が勝り、理屈ばかりにならぬよう、フィクションの利点を最大限利用して、頑張ってみます。
    ライヒシュタット公の名誉の回復のために。

    どうぞ、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

  • ディ先生……

    作者からの返信

    本当に、ほろりときました。
    厳しすぎる、愚痴が多すぎると、悪評の高いディートリヒシュタイン先生ですが、ライヒシュタット公は、ちゃんとわかってたんですね。彼の気持ちにも、胸を打たれます。

    ライヒシュタット公は、後に、ディ先生はじめ、家庭教師達の教育についての意見を、付き人のモルに漏らしています。病気が進んでからの出来事なので、まるごと信じるわけにはいきませんし、どういう風に扱うかは、非常に難しいのですが、何らかの形で触れられたら、と思っています。

    それでもやはり、この時の、彼の優しさと、感謝の気持ちは本物だと思うのです。たとえ親であっても、意見の違うことはよくあることです。感謝と不満は、共存すると思います。

  • タバコ と がみがみ先生への応援コメント

    ナポレオンは短時間しか寝なかった、なんて言説がこの時代にもうあったのなら、フランソワは自分が根をつめることの正当化にそれも利用していたかもしれないな、なんて。

    作者からの返信

    いたずらにボナパルニストを喜ばせるだけかもしれませんが、ライヒシュタット公は、本当に、ナポレオンとよく似ています。本人も、帽子の被り方や馬の乗り方、歩く姿勢や、胸の前で腕を組むポーズなど、故意に似せていた側面があります。

    それ以上に、根を詰め、夢中になって物事に打ち込む様子も、父親によく似ていると思うのです。ですから、その熱意が薄れることは、なにか、異常なことだと、周囲の人間は、気がつくべきでした……。

  • 軍務開始!への応援コメント

    しかし、フランソワ、この年で「大好きなママへ、」なんて書いちゃうんだから……

    作者からの返信

    英語でいうと、dearest Mamma です。母親への手紙の、あっちこっちで、使ってます。dearest って、dear の最上級ですよね。どう訳してやろうか、さんざん考えた末に、平凡な訳になってしまい、残念です……。
    フランソワには勝てません。いや、マザコン度で勝ってもしようがないのですが。やっぱり、ナポレオンの、イタリア系の血のせいでしょうか。

  • 欲しいものを買うために他を節約する若者……

    作者からの返信

    この、馬やギグを買う話は、ちょうど、今の若い人が、免許を取ったり、軽自動車を買ったりする感覚と似ているように思えて、微笑ましかったです。特にギグですが、ライヒシュタット公は、これを買う為に、借金までしたそうですよ! 自由を手に入れて、若干、粋がってたんでしょうね。祖父の皇帝の渋い顔が、目に浮かぶようです。

    ライヒシュタット公って、日本でいうと、江戸時代の人なんですよね。日本の侍が、頭にちょんまげ乗せてた時代の人です。江戸時代は、とても遠いのに、ライヒシュタット公のことは、なんでこんなに身近に感じるのでしょう……。

  • 愛の往復書簡への応援コメント

    中国風の爪……どういう感じなのでしょうか……
    フランソワにとってナンディーヌは、そういう同一化願望を抱くような女性だったのでしょうね……
    しかしモーリツと二人でなければ会えない……フランソワにはどのように見えていたのか……

    作者からの返信

    私もざっと調べてみた所、爪を長く伸ばし、染めるようです。庶民は、労働の為に、働かねばなりません。その際、どうしても手を使います。爪が長いと、邪魔になります。ですから、中国において、爪を長く伸ばすことができるのは、非生産階級の証、裕福な貴族の証明であったそうです。

    自分の爪をうっとり眺めていた、なんて、ともすると、ナルシストに捉えられかねないのですが、「中国」をキーワードに、強引に、ナンディーヌに結びつけてみました。なにしろナンディーヌは、ライヒシュタット公のお話に出てくる、数少ない、恋人候補ですので。それがあの、モーリツ・エステルハージの紹介というところが、忸怩たるものがあるのですが。

  • またしてもウィーンへの応援コメント

    ディ先生……親友の息子だからってさんざんないいようですな……
    クーラーが壊れてほんとに暑くて酷い湿気の下宿から帰省して、涼しい実家で読ませてもらってます。いつもありがとうございます。

    作者からの返信

    クーラーが壊れてるって……それは、危険ですよ! ぜひぜひ、直してもらわないといけません。大家さんか管理会社か……言えば、直してくれるはずです。夏休みが終わっても、9月の終わり頃までは暑いので、ご実家から、電話を掛けてごらんになったら、いかがでしょうか。


    グスタフは、言われても仕方がない気がします。父のナイペルクの、勇敢で優雅な面は受け継がず、放蕩者で、いい加減な側面ばかりを受け継いでしまったようです。ウィーンの、若者の集う悪所も、よく知っていたようですし。出世もしなかったとみえて、大尉とか少佐とかの称号ももらっていません。
    出世が全てではないです。ですが、ライヒシュタット公を悪所へ案内したかもしれないとなると、話は変わってきます……。

    こちらこそ、いつも、本当にありがとうございます。おかげさまで、ここまで進んでまいりました。書きたいことを書かせて頂いて、しかも読んで頂けて、その上、ご感想まで頂けて、私はとても幸せです。
    下書きは、もう後少しです……。でも、完結させたくない……。

  • ランシュトラーセの陰謀への応援コメント

    テストとはいえ、ナポレオン二世の命日に彼のことを頭から追い出してたのが残念です。
    まずは彼の冥福を。そしてメッテルニヒには苦悶を。

    それと、お久しぶりに揚げ足取りですが、かなーり前のこと、「チビナポ」でフランソワとディ先生が初めて会ったときは、「モーリス・プロスカウ・レスリー・ディートリヒシュタイン伯爵」との表記でして、スとツの違いがあること、一応。

    作者からの返信

    ありがとうございます。丁寧にお読みいただいて、また、覚えていて下さって。そういう場合ではないかもしれませんが、感激しました。

    固有名詞、特に、翻訳されていないものは、初めの頃は、グーグル翻訳に放り込んで、音声で読ませて、カタカナにしていました。で、「ス」と聞こえたんです。ですが、その後、NHKラジオのドイツ語講座を聞き始め、読み方の法則を、ちょっとだけ、理解できました。「ツ」が正しいです(なぜかドヤ顔)。

    ご指摘、本当に、ありがとうございます。速攻で、直してきました。


    大丈夫です。御命日なら、来年も、再来年も巡ってきますし。そして、メッテルニヒの陰謀は、フィクションです……。

  • この、バカ息子!への応援コメント

    いよいよフランソワの周囲から、徹底的に人が去っていきますね……

    作者からの返信

    本当に、不思議なくらい、親しかった人が去っていきます。モーリツで終わりじゃないんです。私はそれを、つい最近知って、愕然としました。

    なんでしょうね。彼から生きる気力を奪い取りたかったのでしょうか。もしそうなら、あまりにむごいことです。

    やはり思うのは、彼は、恋人を作っておくべきだった、ということです。恋人なら、いざという時、なにはさておいても、周囲が会わせたのではないでしょうか。世論も、それを後押ししたと思います。もっとも、恋人のその後までは、保証もできませんが。ライヒシュタット公に愛された以上、生涯独身は覚悟すべきでしょう。
    (少し逸脱してしまいました。すみません。今日は本当に暑いでした……)

  • 結婚式への応援コメント

    ディ先生……

    作者からの返信

    ディートリヒシュタイン伯爵夫妻が、5人授かった子どものうち、大人になるまで成長できたのは、二人だけです。ユーリアは、大切な娘だったのでしょう。

    ですが、どちらかというと、彼が晴れ姿を見たかったのは、教え子の方だったような気がしてなりません(結婚式という舞台ではなくても)。また、先生から、花婿の付添人を頼まれた時の、ライヒシュタット公の戸惑った顔も、自然に目に浮かんできて、おかしくてしようがなかったです。

    それにしても、資料の花婿の描写が、先生そっくりなんですが。ディ夫人は、反対しなかったんですね。ライヒシュタット公の育て方は、いまいちな気がしますが、案外、いいパパだったのかもしれません。

  • フランソワにとって、孤独の対義語は恋でも愛でもなくて、ただ友人であったのだろうと思います。近い立場の人。それだけ……

    作者からの返信

    本当に、心の底から、友達が欲しかったのだと思います。それはもう、気の毒なくらい。
    何かしたくても、一人では何もできない。それが、身にしみていたのではないでしょうか。白馬の王子様を待つ、お姫様に似ている気さえします。彼は、父への敬愛さえ、否定されて育ちました。

    ちょっとだけ、エステルハージ家のドラ息子の為に弁護しますと、ライヒシュタット公の親友になりたい、という気持ちは、彼の方でも、相当に強かったようです。彼は、プロケシュ少佐を羨む手紙を、後に、少佐に書き送っています。いずれにしろ、政治的なことは難しすぎて、モーリツの手には負えなかったようですが。

    そして、ライヒシュタット公の方は、政治的な意見を戦わせ、自分を高める為には、プロケシュが一番の友人でしたが、より俗な方面で気を許していたのは、モーリツ・エステルハージの方であったようです。

    孤独な彼にも、友情の輝きがあったことをお伝えしたく、特にプロケシュの方は、いろいろ疑問に思うこともあるのですが、ライヒシュタット公が信じていたというただ1点をもって、親友認定しました。

    編集済
  • 兄からの警告への応援コメント

    ある意味、ディ先生は、メッテルニヒから「役立たず」として判定されたわけですな

    作者からの返信

    もともとディ先生は、折り紙付きの、「国家の忠実なる下僕」でしたのにね。皇帝の孫の家庭教師に抜擢されたのは、その忠誠心も買われたのだと思います。
    ディートリヒシュタイン伯爵の「愛」は、オーストリア、そして皇帝から、次第に、小さな生意気なプリンスに移っていったと思われます。情が移ったと言うより、それだけ彼が魅力的だったのではと、私は確信していますが。

    それにしても、ディ先生の愚痴は、評判が悪いです。彼が、もう少し、生徒を褒めてあげる先生だったら、プリンスは、もっと幸せだったろうに、そして、ナポレオンをあそこまで信奉することもなく、従って、有意義に生きられたろうに、などという意見も見かけました。
    教育って、難しいですね……。

    そして、もうひとつの重要なファクターは、兄の侯爵の存在です。ディートリヒシュタイン家は、古くから続く家柄で、家長たる兄には、それなりに力がありました。そしてこの兄は、反メッテルニヒ派でした。この辺りからも、ディートリヒシュタイン・弟は、目をつけられたのだと思われます……。

  • フランソワの態度、目に浮かぶようですな……そして、カロリィ家の三者三様の心中も、この回だけなのによくわかる、毎度ながら、流石ですな……

    作者からの返信

    実際は、わかりません。塚本哲也『マリー・ルイーゼ』では、なんだかやたら幸せそうで、初々しい二人が描写されてるし。優しい人は、束の間でも、恋を成就させてあげるんでしょうね。でもそれなら、例の、ゾフィー大公妃との噂は何なの? って、私なんかは思うわけです。
    「彼は、女性の肌に触れずに墓に行ったのではないか」……プロケシュ少佐に1票です!

    お褒めに預かって、恐縮です。実際のところは、意地悪な目線が、最大限に出てしまっただけなのでは、と、怯えています。

    夏休みに、さっそくお読みいただいて嬉しいです。貴重なお時間を、無駄にさせないような出来であることを、今、本気で祈っています……。

    編集済
  • えー、やっとテストも終わって、帰省することもできて、懐かしい実家の机で待ち望んでいた次話を覗いてみたら、プロケシュが……

    メッテルニヒ、ナポレオン体制の否定に心血を注いでいたわけで、半ば病的でしたし、せりももさんの説もかなり納得できてしまいます……

    作者からの返信

    待望の夏休みですね! 目一杯、楽しまれますように。そんな中、お読み下さって、ありがとうございます。19世紀ウィーンの、憂鬱な帳の中で、少しは、フランソワも楽しみを見出していけるといいな、と思います。

    メッテルニヒは、いつの間にか、個人的に、ナポレオンの息子を嫌っているようで、私もあれ? と思いました。ヨーロッパの平和を守りたいだけじゃなかったの? って、感じです。メッテルニヒは手記で、ナポレオンを褒めていますが、実は、相当、嫌いだつたのでは? と、思わず邪推してしまいます。なんにしても、父親と息子は、違う人間なのに。この辺り、メッテルニヒは未熟者だと思いました。

    それにしても、ライヒシュタット公は、本当にプロケシュが好きだったんですね……。放置するには、あまりにもったいないネタではあります。勿論、ここでは、腐らせませんけど。

  • 送り込まれた刺客への応援コメント

    私が宰相の娘だったなら。
    プリンスではなく、父親に伝染してやったのに。
    邪悪に荷担するよりは、親不孝であっても義に従って逆臣を討ち滅ぼすべきだから。

    作者からの返信

    クレメンティンが亡くなった場面を、幻視(変な言い方ですみません)したのが、お話の中で、メッテルニヒの陰謀の幕開けでした。同時に、かつての名宰相、カウニッツの孫娘でありながら、夫に加担したメッテルニヒの妻、エレオノーレの苦しみと悲しみにも、心が向きました。だって、メッテルニヒは、浮気し放題だったもんですもん。婚外子もいたりなんかして。なぜ、ダンナをシメておかなかったのか、って、私も思います……。

    そして、私の疑惑は、ヤブ医者、マルファッティにも向きました。ついでに、ベートーヴェン殺し(?)の罪も被ってもらって……。
    特にライヒシュタット公の主治医として、この医者に悪意がなかったとしたら、マルファティは、本当に、罪人レベルのヤブだと思います……。

    ウィーンも、今年は暑いそうです。夏の療養は、大変だったろうな。なんかもう、いろいろ考えてしまって、ますます暑い夏になっています。

    いつも、本当にありがとうございます。
    暑さももう一踏ん張り、なにとぞ、御身お大事になさって下さい。実り多き秋、そして大団円へ向かって、書き進んでまいります。どうかよろしく、お付き合いください。

  • ランシュトラーセの陰謀への応援コメント

    老獪さではザウラウさまのほうが上手のはず!
    メッティ坊や ゆかりのルートで届いたワインなど、口にするわけないです。

    なんとかワインの毒性を証明して、邪悪な若造を告発できればいいのですけど……。

    作者からの返信

    ありがとうございます、年寄りに優しくして頂いて。

    ザウラウは、ヨーハン大公に、もっともっと、ライヒシュタット公の為に動いてもらいたくて、ご登場願いました。ライヒシュタット公自身も、ヨーハン大公に親しみを覚えていらしたし、また、ヨーハン大公も、彼の境遇に対する不満を書き残していますので。

    Saurau は、名前の読み方さえ自信なく、グーグル翻訳で、音声を出して、確かめたのを思い出します。ただ、この人の亡くなった日が、すごく気になりました。偶然といえば偶然かもしれないですけど……。なにしろ、あの「坊や」がいますからね……。

    今日という日に、ライヒシュタット公のお話をお読み下さって、ありがとうございます。力のない私ですが、これで少しは、殿下に顔向けできるかな、と、とても嬉しいです。

    いつも、本当にありがとうございます。今少し、エンタメ寄りのお話が続く予定です。どうか少しでも、お楽しみ頂けますように……。




  • この、バカ息子!への応援コメント

    まったく、なりふり構わず追いつめようとしてきますね、あの卑劣な臆病者。
    地獄に堕ちればいいのに。

    ナポリですか。
    まだ、スペイン語でしょうかね......。
    文化的にはモーリツくんに合ってる気もしますけど。

    ……ああ、もう、ほんとに刺してやりたい。刺してから、グリグリしてやりたい。

    作者からの返信

    モーリツは、その後もあまり出世をしなかったとみえて、若い頃のことは、よくわからなくて(やっぱり、放蕩息子?)。1831年5月にウィーンを去って、その後、ナポリからプロケシュに手紙を寄越しているので、ナポリに行ったのだ、としか、わかりませんでした(ドイツ語やフランス語の資料も読めたら、もっとわかるんでしょうね……)。ただ、ライヒシュタット公の周りから、次々と、親しい人がいなくなるんです。評伝の著者は奇妙な偶然と言っていますが、私にはとても、偶然とは思えません。

    そうか! スペイン語! イタリア・ブルボン家は、スペイン・ブルボン家の派生ですものね! 恥ずかしながら、スペイン語までは思い至りませんでした。この時代は、外来王の時代なので、民衆は、土着方言をしゃべっていたようですが、ある程度、身分のある人は、スペイン語を使っていたでしょうね!
    教えてくださって、ありがとうございました! 視野が広がりました。そして、いよいよ、モーリツが心配になってきました。


    いつも本当に、ありがとうございます。
    もうすぐ梅雨も終わります。そしたら、暑い……ですけど、どうか、御身お大事になさって下さい。
    私も、7月22日が過ぎたら、19世紀のウィーンから、体を置き去りにしてきた現代日本に帰ってきたいと思います。留守の間、体が好き勝手に、飲み食い放題していないか、心配です (^_^;)

  • 簒奪を怖れるものこそが、誰よりも簒奪者である。
    赦すまじ……とメラメラしてしまいました。
    ディートリヒシュタイン先生、私も、あなたと似た心地です。

    あいつ、背後からでも構わず刺してやりたい。
    卑怯ものとか関係ないです知らないです殺る!

    作者からの返信

    汐凪さん……。私も同じです!! 
    ずっと、罪悪感を感じてたんです。世界的に有名なエライ人を、このような悪役に仕立てちゃって、いいのかな、って。でも、この辺まで調べが進んだ時、消えましたね。罪悪感。もう、あとかたもなく。やっぱりこいつ、悪いやつだ!!

    ライヒシュタット公のお手紙も、いつもは、わかりにくい表現(私の読解力がとても及ばないような難しい文章)なのに、このプロケシュの手紙と、母への手紙は、すうーっと、胸に落ちました。時間も距離も、なんなら言語も関係ないんですね。人の気持ちが伝わる瞬間って。


    いつも応援頂いて、本当にありがとうございます。

    編集済
  • やはりフランソワ、育ってきた環境ゆえに友達コンプレックスが根深い……

    そしてマルモンの評がそのまま自分にグサグサ刺さる……

    作者からの返信

    ライヒシュタット公が孤独だった、というのは、初めから、私が全面的に表現したいことでした。しかし、ここまで友達を欲しがっていた、とは……。
    同じ年代の友が欲しいというのは、相当に強い気持ちだったようです。まだ詳しくは書けませんが、死の1ヶ月ほど前にも、そんな気持ちを吐露しています。

    彼がプルードンのゆりかごを、母から取り戻したことと、ライヒシュタット公のマルモン評は、事実です。特に後者は、モルが書き残しています。最終的にナポレオンが許したマルモンを、ライヒシュタット公は、身近に起きたくないと言っています。少しずつ、ライヒシュタット公は、父の影響下から離れようとしているような気がしてなりません。もっといえば、父の名を利用しようとしているような。
    あとは、彼が、彼自身の仲間を見つけることさえできれば!