応援コメント

ゾフィーの幸福を願って」への応援コメント

  • 子を得ることで、というよりその約定を取り付けることで、その言葉だけで、彼はくさびを現世に打ち込もうとしたのでしょうね
    生きねばならないと、使命だけでは足りないと……

    作者からの返信

    その通りです。全く、その通りです!!

    彼が欲しかったのは、ハプスブルクの皇子が、ナポレオンの孫である可能性(そうでないと証明する方法なんて、この時代にはないんです。噂だけで充分!)です。

    それは、もう少し先のお話で、より露骨に、露わにしたつもりです。

    秘跡を与えられようとしてなお、彼は自分の計画を持っていました。その計画は、私が推論したものとは違うかもしれないけど、とにかく、なんらかの計画を、最期まで持っていたことは、間違いないのです。


  • 編集済

    いつも楽しい物語を紡いで下さってありがとうございます。
    この話はゾフィー大公妃がフランツを言葉巧みに聖餐(秘跡の儀)へと誘導してしまう物語です。気の進まない、望まない話をさせられるゾフィー大公妃に同情します。
    さて、この話の中でフランツが「お腹の子(マクシミリアン)の父親は僕だ」的な告白をゾフィー大公妃にするシーンがありますが、この告白って何となく『帝冠の恋』の告白シーンから着想を得たのかなと感じるところがあります。
    『帝冠』では(言い方悪いですけどお許しを)、フランツがゾフィー大公妃を犯してしまい、それによってゾフィー大公妃が懐妊してしまいます。
    一方のフランツは肺を悪くして吐血し、ゾフィー大公妃が見舞いのついでに身籠ったことを告げます。
    F・カール大公(ゾフィー大公妃の夫)の子だと思っていたフランツは「ひどいこと(ゾフィー大公妃との交わり)をした」と後悔の言葉を漏らしますが、ゾフィー大公妃は「ひどいことをされたとは思っていないし、私も望んでいたこと。」と言ってお腹の子はフランツの子だと白状し、永遠の愛を誓います。
    『帝冠』をよく読んで見ると、マクシミリアンってやっぱりフランツとゾフィー大公妃の子どもかもって思ってしまいますよね。実際、マクシミリアンはフランツとゾフィー大公妃の子どもだと、宮廷内では噂されていたので・・・。
    果たして、せりももさんはマクシミリアンはフランツとゾフィー大公妃の子どもだったとお考えですか?
    私としては、噂通り、マクシミリアンはフランツとゾフィー大公妃の子どもだと見ています。最終的にはDNA鑑定でホントかどうか分かると思いますが・・・。
    ぶしつけな質問してすみません。でも、このマクシミリアンの出生の秘密はフランツとゾフィー大公妃の関係を見ていく上で一番興味をそそられる話なものですから、ぜひ一度、せりももさんなりの解釈を知りたいと思った次第です。
    (追伸)
    お返事ありがとうございます。
    さて、ゾフィー大公妃がフランツの部屋に入ってきて、出ていくまでの間に、聖餐(秘跡の儀)以外の話もしたはずなんですが、記録には残っていません。
    ここではゾフィー大公妃のお腹の子であるマクシミリアンをフランツが自分の子どもにしたいとねだったという設定で展開されていて、返信の中でもマクシミリアンはF・カール大公の子どもでは?となっています。
    私はフランツ落胤説ですけど、同じようにフランツ落胤説をとった『帝冠の恋』だと、吐血したフランツを見舞ったときに告白する設定になっています。
    ここで気になるのは、記録に残っていない『空白の時間』に二人の間でどんなやり取りがあったかということです。
    30分の面会で聖餐(秘跡の儀)の話は少なく見積もっても5分か10分くらいでしょう。なぜなら、ゾフィー大公妃が聖餐(秘跡の儀)の話をした時、フランツはYes も No も言わなかった。そして、翌日説明に来たワーグナー司祭に『聖餐拝領を受ける』と返答したことまではわかっていますので。
    フランツ落胤の説に立った上での仮説であることを断った上で解釈してみると、ゾフィー大公妃が聖餐(秘跡の儀)の話を済ませて帰ろうとした時、フランツが「もう少し話をしよう」的なことを言って引き留めたのでしょう。そこでゾフィー大公妃は思いきって、「カール(F・カール大公)にも他のみんなも、お腹の子の父親はカールだと信じ込んでいるけれど、実はフランツ、あなたの子どもなの」みたいなことを言ったのかと思います。
    その告白を聞いたフランツはびっくり仰天。(ここからは下ネタ混じりになりますのでご容赦下さい)でも、フランツも世間の常識では(肺を患わなければ)結婚して子どもの一人でも儲けてもいい年頃。恐らくはゾフィー大公妃に看病してもらってる間にひょんなことから彼女が戯れで性の話をして、フランツに性の手解きをしたのでしょう。重病人ですからそんなに交わりはなかったと思いますが、その交わりの中で気づかない内にゾフィー大公妃を孕ませてしまった。
    ゾフィー大公妃ももしかしたら、今の交わりでフランツの子を身籠った!と直感で気づいたはずですが、すぐにF・カール大公とも交わりを持ってアリバイを作ったのでしょう。
    洗いざらい告白して、最後にこんな文句を言ったのでしょうね、ゾフィー大公妃は。
    「フランツ。あなたは何も後悔することはないわ。私もむしろ、あなたの子が欲しかったの。けれど、あなたはもうじき死んでしまう・・・。『聖餐』なんて聞こえのいい言葉であなたを騙せって言われたけど、本当は秘跡の儀。騙すつもりはなかったけれど、M(宰相メッテルニヒのこと)の差し金で私が汚れ役をさせられたの。だから許して・・・。お腹の子はあなたの忘れ形見として大切に育てるから・・・。」って。
    一方のフランツは「わかったよ、ゾフィー。ずっと君のことが好きだったから・・・。君の頼みともなれば断れないさ。それと、子どものこと、実は僕もどこかで自分の子どもじゃないかって薄々感じてた。ゾフィーから予定日(7月初め)のことを聞いた時からずっと・・・。やっぱり、僕の子どもだったんだね。ゾフィー。君が子どもを産んだら、見せに来てくれる?その時まで、絶対に生き延びてみせる・・・。子どもの顔を見ないうちに死ぬことなんてできやしないから・・・。」って言ってOKしたと思います。
    そして去り際に、「ゾフィー。お腹の子が僕の子どもだということは、僕と君だけの秘密だ。お互いに墓場まで持っていこう。」とフランツが言い、誓いのキスをして別れ、ゾフィー大公妃は墓場まで持っていこうと誓った秘密には一切触れず、「素知らぬ顔で『聖餐拝領を受けよう』と(フランツを)説得するのは並大抵なものではなかった」と言ったのではないでしょうか?
    そう解釈すれば、聖餐拝領の話をした後の『空白の時間』に二人の間でどんなやり取りがあったのか、記録に残っていない謎も解けるかと思います。
    といっても今のはあくまでも仮説、フランツ落胤説を踏まえたものです。
    『空白の時間』にどんなやり取りがあったのか、せりももさんなりの解釈をお聞かせ下さいますか?

    作者からの返信

    『帝冠の恋』、私も読みました! ロマンティックですよねえ。あのような美しい恋を、私も描けたら、と思います。

    お話のマクシミリアンですが、結論として、私は、夫のF・カールの子だと思っています。いくつか、理由があるのですが……。

    まず、この後、彼女はモルに、「普通の聖餐だと彼に信じさせるのは、とても難しかった」というような意味のことを言っています。恋愛感情があるのなら、ミッションの難しさを嘆くよりも、状況の辛さに、涙してほしいものです。

    また、ラ公没後、モルがゾフィー大公妃に挨拶に行った時。彼女はモルに、「彼(ラ公)が、いつも私に見せてくれた礼儀正しさには、本当に感動させられた」と述べています。「これは、恋する女のセリフではない」とは、評伝作者の感想です。私も、「礼儀正しさ」は、恋愛感情とは遠いものに感じます。

    そして、時は流れ、息子マクシミリアンがメキシコへ行く時に、ゾフィーが彼に打った最後の電報……。
    「ご機嫌よう、私たちの―パパと私の―祝福と祈りと涙がお前のお供をします。……」(『イカロスの失墜』菊池良生)
    短い電報で、ゾフィーは二度、「私たち」を用いて、自分と夫の悲しみを伝えています。マクシミリアンは、夫の本当の子だからこそ出てきた、自然な悲しみの発露のように、私には読めました。

    このお話は、なるべく、ラ公の真実に寄り添っていきたいと考えました。しかし、ゾフィーとの美しい恋があったと信じる方が、彼の物語は長く語り継がれ、彼自身も人々の記憶に残ると信じます。その意味でも、@Kenta-H7さんの解釈は、素晴らしいと思います。

    ラ公の方は、どうだったのか。私は、「甘え」だったと思います。彼は、誰にも甘えたことがありませんでした。その飢えを、ゾフィーは満たしてくれたのではないでしょうか。恋愛感情にまで発展することも充分あり得る、「甘え」です。ただ、彼の「礼儀正しさ」が、それを許さなかった……。

    今、私が恋物語を描くなら……というか、もう、2年前にBLを書いちゃってますけど……それは、モル視点の悲恋になりそうで怖いです。それだけは、絶対に避けたいです。

    DNA鑑定……やろうと思えばできるはず。でも、ハプスブルク家は、きっと、絶対、許さないでしょう。美しい、永遠の謎です。

    ナポレオン3世に騙される形でメキシコ皇帝になり、そのまま死んでいったマクシミリアンを、私も自分のお話に取り込みたいと思い、この形にしました。

    ぶしつけなんて、とんでもない! 大好きな殿下の話ができて、とても楽しかったです。お時間をいっぱい頂いて、ありがとうございました。また何かございましたら、ぜひ、コメント頂けますと、とても嬉しいです。





    ◆◆追伸へのお答え◆◆

    すみません、追伸、今気が付きました! お返事が遅れて、大変、申し訳ありません。


    空白の30分……。なるほど、と思いました。@Kenta-H7さんのご意見、あり得ない話ではありません。


    私は、ゾフィーはひたすら、「通常の聖餐だから」と説得していたと思っていました。秘跡の儀は、受けずに死ぬと、死後の安寧も復活も望めない、欠くことのできない宗教儀式です。しかし、同時に死の宣告であるわけで……ゾフィーは、フランソワに、それと悟られないで、「聖餐」を受けるように説得することに、必死になっていたんじゃないか、と。

    なんだか、二人に騙された気がします。そして、@Kenta-H7さん説の方が、よほどロマンティックです。この時期に関しては、私はどうも、モル目線で物を考え過ぎるきらいがあります。モルと一緒になって、二人にころっと騙されたような気がしてなりません。
    そう考えると、後の1848革命の時、ゾフィーが、メッテルニヒ追い落としに暗躍したのも、説得力が増します。彼女の目的は、息子フランツ・ヨーゼフの即位と言われていますが、ライヒシュタット公の敵討ちという側面が強まります。


    実は、後付け資料の一環として、「ゾフィー大公妃との関係について」という一文を書こうと、ここまで戻ってきて、初めて、追伸に気が付きました。「ゾフィー大公妃との関係について」は、2月4日の公開となります。相変わらず、二人は関係はなかった説をとっていますが、ライヒシュタット公と噂のあった他の女性達、そして、私が、ゾフィーのお相手として物語に組み込んだ人の経歴、及び、その人とライヒシュタット公の関係等をまとめてありますので、もしよろしかったら、覗いてやって下さい。


    あと、@Kenta-H7さん説の場合、私は、夫のフランツ・カールは、フランソワの子だと知ったら、むしろ喜んで受け容れたと思います。フランツ・カールは、フランソワのことが大好きでした。彼が亡くなった時、モルの前で、大泣きしています。従者の前で泣くというのは、大変、珍しいことですので。


    ご意見、本当にありがとうございました。本当は、ライヒシュタット公に、恋愛のひとつも、成就させてやりたかったのです。@Kenta-H7さんがそう思って下さることが、とても嬉しいです。





    編集済