概要
書籍版の方が、一文一文を推敲しておりますので、より良い作品になっているのは間違いないですが、紙媒体として出版するにあたり、ウェブ小説ならではの表現や工夫は取らざるをえませんでした。
この「Blind Blue」には「ドルフィン・デイズ!」とは別の良さがあると思います。ぜひ、読み比べていただきたくて全ページ公開しております。
また、カクヨムの公式連載で「ドルフィン・デイズ!」の序盤が試し読みできますので、あわせてご利用くださいませ。
あらすじ
水産業と観光で栄える海鳴市。就職浪人1年目の蒼衣の元に、思いがけずその求人は舞い込んだ。
ドルフィント
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人生を変えてくれた作品。絶対一生忘れないです。
突き抜けて青一色!
爽やかすぎて胸がぎゅっとなるくらい、海! 海! 太陽!
主人公は何事にも意欲が湧かない無気力な若者で、ダイビングで深い海に真っ直ぐ体を沈めていくのが、唯一心の休まる時。
嫌なことから逃げるように、不都合なことは考えないように、海に潜ってばかりの日々でした。
しかし、父の勧めで渋々、水族館のドルフィントレーナーの試験を受けます。
イルカに出会い、ひとつひとつ新しいことを覚えるうち、投げやりだった考え方がどんどん前向きに変わっていきます。
それは、単純に主人公が成功体験を得ているからではなく、パートナーのイルカとの絆があって、2人で新しい世界を進んでいくからこそ楽しい。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読み比べの楽しみを初めて味わいました
書籍化出版された『ドルフィン・デイズ!』を先に拝読し、その後こちらを拝見させていただきました。
同じところ、違うところ。
なるほどこんな変化があったのか。
新キャラクターの追加で、ただ職場とのやり取りだけではなく、水族館のお客さんとの繋がりまで深められたことで、やはり出版されるとこんな化学変化が行われるのかという勉強にもなりました。
どちらを先に読むかはそれぞれですが、こうやって読み比べができる幸せを堪能させていただきました。
そして実は書籍でも涙ぐみ、こちらの方でもうるっとくる感動作。
わかっていてもやっぱりグッとくるところはグッとくるのです。
違いを楽しんでいただければと思いま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この夏に、これを読まなきゃ何を読む!?
誰もがなんとなく知ってはいるけど、具体的には何も知らない。
そんな「ドルフィントレーナー」という仕事を題材にしているのがこの作品です。
海の描写がとても綺麗で、読んでいるだけで水に揺られるような感覚になります。
爽やかな(でもちょっと偏屈なところもある)主人公が、様々な人(とイルカ)と触れ合いながら、成長していく。
やはり成長するキャラクターというのは好感を抱かざるを得ません。
そして、ここからは書籍版の『ドルフィン・デイズ』について。
(こちらのカクヨム版は少し前に読ませていただいていたのですが、今回改めて書籍版も読んだので、そちらについても少しだけ触れます。)
大まかなストーリーライ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!深く潜り、放たれる
書籍化してすぐに購入しました。
読み手もともに物語の海に深く潜り、水圧とともに水面が近づき、景色が一転し青空に放たれる——カクヨムで初読のときは、想像を超えたスケールで詰め込まれたエンターテイメントに夢中になりました。
加筆され書籍化した『ドルフィン・デイズ!』は、新しい○○○も登場し、より多角的な目線で、鮮やかかつ味わい深い作品になっています。
改稿前であるこのBlind Blueの題名も、わたしには捨てがたく……もとの形をこうして残していただいて、ありがたいです。あらけずりな勢いも、この作品においてはモラトリアムと勢いと爽快さが際立つ方に働いていて、非常に魅力的です。 - ★★★ Excellent!!!水の世界で、彼の物語は輝きを放つ
就職先も決まらないままダイビングに没頭する日々を送っていた青年が一頭のイルカと出会い、初めは乗り気でなかったドルフィントレーナーと言う職業に魅せられて行く様を描く青春ストーリー。
陸上での主人公の心理描写はどこか斜に構えていて、歳相応にひねくれていて、大人の世界を冷めた目で見ていて。
反目も迎合もできない、どこか所在無い、所謂難しいお年頃である。
しかしその印象は水族館のドルフィントレーナー採用試験でバディを組んだイルカのビビと水中で『遊ぶ』場面で一変する。
本作の一人称はこのためにあると言っていい。
彼の心象風景が一気に鮮やかに色を帯び加速し始めるシーンに、気付けば一体となってビビと追…続きを読む - ★★★ Excellent!!!水族館のイルカショー あなたはその本当の魅力を知っていますか?
都会の夏に清涼をもたらす水族館。その花形と言えば何といってもイルカとトレーナーが様々な芸を見せるイルカショー。
観客の歓声に包まれる華やかな舞台の魅力は、高度に訓練された技だけで支えられているわけではない。なぜ人はイルカショーに歓喜するのか。
なかなか誰かの役に立つことのできない、若者のもどかしさ。動物といういつも同じではあってくれない相手を扱う難しさ。自分の青春をかける価値のある仕事を見つけた主人公が、大切なもののために仲間と共に自分たちのすべてをかけて奮闘します。
読めば必ずあなたの目にも、海の水のような液体が溢れてくることでしょう。
働くということは、単に労働の対価を貰うことでもな…続きを読む