24 桂健枝郎さんのギャップが凄い って今更ですか

 2023/09/15(金)と2023/09/16(土)に書く、2023/09/14(木)の記録。

 今日も何様、優美香さま。

 地元寄席に桂健枝郎かつら けんしろうさんが来てくださるとの告知があり、昼夜ともに予約。ランチあとに寄席を覗いてみる。

 昼は健枝郎さん一人会。アットホームな雰囲気で、しかも四席も披露してくださって大満足だったわたし。


 元々、健枝郎さん高座を初めて拝聴したのは喜楽館だったのよ。今年の3月27日との画像記録がありますね。

 一番太鼓を叩いていらした若い方が開口ゼロ番、で。その次に出て来られたのが富裕層男性をターゲットにした雑誌の専属モデルさん? などと思ってしまった男性だった……ほとんどの噺家に漂う、ちょっとした隙や、そこから生まれる親しみやすさが一切なかった。長身瘦躯をピンと伸ばして、ムダのない動きで座ったその人は「天満の白狗」を話してくれた(江戸前落語だったら「元犬」と呼ばれるもの)。

 当時とても気になったのは、噺が終わって観客席に頭を下げて、捌けていくまでの表情。エンタメモードから一転して、誰も寄せつけたくないとでも言いたげな、受け取りようによってはつめたく感じられるかもしれない真顔中の真顔。おそらくは彼の本質なのだろうかと、そのとき感じたのだが。のちに覆されることとなる。

 それからしばらくして、桂笑金さんが地元寄席で二人会を行った。そのときに朧気ながら感じたのは

「あれ? あのときのモデルさんみたいな人かな?」

 だったんだよね。

 端正で理知的で生き方にムダがないような雰囲気は、あんまり変わっていなかったように感じた。噺が終わって捌けるまでの、一転する表情も同じ。けど、同期の笑金さんの深みのある明るさや、可愛らしいはっちゃけ具合とイイ感じに混ざりあっていて……「この落語家さん、また観たいな! もっと知りたいな!」リストの中に一瞬で入った。それと、熱く語っていらした趣味のカメラ機器収集やカレーライスに傾ける愛情表現が、とてもとても魅力的だった。

 ツギハギ荘で笑金さんのイベントにも、お手伝い? で、来ていらしたので。

「ものすごーくクールに見えても、きっと芯の部分は優しい人なんだなぁ」

 そう思った。ますます、この人の高座が見たくなった。


 9月14日の一人会・昼の部が終わった直後に話を戻す。夜の部がはじまるまでには、結構な空き時間がある。寄席から五分ほどあるいたところに、屋外に灰皿を出している非常に良心的なパチ屋さんがある。

 たまたま灰皿前のベンチに座って、ぼーっとしていた。そのとき!

 向こう側から短い丈の白シャツにブリーチされたジーンズ(だったと思う)、めちゃくちゃに整った脚長い男性が歩いてきた。片手には洋モノの煙草が握られている。

 あれっ?

「け、健枝郎さん?」

 ご本人さまでした。わたしは、その瞬間からパニック。退職以来、他人と話すことに慣れていないことだけは自覚していても、上手に話を組み立てて「伝える」ことができない。

 でも、これだけは伝えたい。

「中に入ったほうが涼しいし座れますし、200円でコーヒーも飲めますよ。ちゃんと淹れてもらえるの」

「え、入れるんですか?」

「はい」

 そこの扉を開けると簡素ながらカフェスペースになっていてトイレを借りたりも出来るし、別に飲み物を注文してもしなくてもかまわない。勿論、自販機で購入したお茶などの持ち込みもオッケー。さすがにお弁当を食べている人材はみたことがないけれども、近くの職場から休憩時間中に「腰を掛けにくる」人も多いのだった。

 しかもwifiも無料で使える。なによりもパチ屋のお手洗いはきれいだ!

 健枝郎さんはカウンターの一番隅に座られた。わたしはかなり離れたテーブル席に着いたのですが……。その折りに、逆に相手方に多大に気を遣わせてしまう事態があって。(ちょっとだけ、良かったこともあったのですが)


 申し訳なかったので、駅前の某アンリシャルパンティエで夜用に差し入れを購入しました。夜の部ゲストは、ナマで是非一度拝聴したかったゲストが呂翔さんだったので……ある意味、ちょうどよかった(滝汗)。

 そんでもって寄席前に辿り着くと、私服のお二人がいらっしゃる。ナイスタイミングでござる! さっそく、手渡しできました。心の重荷が、かなり楽になりました。あくまでも自己満足だとは感じますが……。

 健枝郎さんはインスタで。わたしの撮影させてもらった写真を「いい写真!」とコメント付きで上げてくださっていて。本当に有難い方だと思ったよ……。


 昨日の話になるのだけれども、14日に健枝郎さんにアイスコーヒーを出した別嬪カフェ嬢さんが

「あのお兄ちゃん、ホントに素敵ね……。それに早稲田卒やねんね!」

「あ、それは知らなかったー(恥汗)」

「パッとみて知的な男の子だな、とは思ってんけどね、ほんとに凄い人やったんやね!」

 帰宅途中で調べてみたら、早稲田大学文学部卒だって……村上春樹さんもたしかそうだったよね。


追記:呂翔さんは別建てで、またあとで。


 






 


 

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