92 希遊さん強化月間 三週目 参戦してまいりました
2024/11/20(水)11:42 かきはじめ
昨日の記録 ゲストは笑福亭生寿さんでした!
さて強化月間落語会演目表をば。
一、芋俵 希遊
一、親子酒 希遊
一、秋刀魚芝居 生寿
仲入り
一、走馬灯株式会社 希遊
一、トーク
「芋俵」
薄いクリーム色? の、お着物が目にまぶしい。黒の紋付袴姿も似合うのが、これまた憎い(もちろん、いい意味ですよ)。
おまぬけな泥棒が、さらにおまぬな相棒を俵のなかに詰めて泥棒をしようとするストーリー。ネタ初見でした。俵の中から「ぷう」ってオナラされたら、やだなあ。
個人的に、先週の落語会に参加していなかったせいか
「ちょっと変わった?」
という印象を受けました。
「親子酒」
このバージョンは初めて観ました! 希遊さんが酔っ払いを演じると、若くて爽やかな男性が気持ちよく酔ってるみたいでいいですね! かと言って、歳をいった父親が酔っているところも、なかなか味わいありますねー。お稽古きっちり仕上げてくる希遊さんならでは、だと思います。
「秋刀魚芝居」
ネタ初見。
おばあちゃんの訛りが可愛い、というか……なにこれ! めっちゃテクニカルに計算され尽くしているじゃないの! なんて背中がゾゾっと、する。ほんとに。マジで笑いながらも背筋に冷や汗つつー。
生寿さんは喜楽館等で拝聴する限り、コアな男性ファン(年齢を問わない)が多い印象を受けていたのだけれども。昨日の地元寄席に集ったファンは女性ファンも多かったです(こちらも年齢層は幅広かったよー)。
短時間でありながら上質な芝居を観ているようでした。あの背筋の感覚は、今年のはじめに林家染吉さんの「柳田格之進」以来。
「走馬灯株式会社」
希遊さん創作。人は亡くなる前に人生をなぞる走馬灯が現れるという、昔からの言い伝えを題材にしていました。
これねえ、冒頭で
「わたしんときは、どうなるんだろう」
なんて、考えちゃって。
自分の最期のときに見える景色は、できれば病院の白い天井であってほしい。ん。いまの時代は単純に「あした」のことでも不確定すぎる。
さて主人公男性。いまわの際に走馬灯が現れるのだが、それは違う人のものだったというファンタジー。しかも女子の人生をトレースしている!
女子「明日は初めてのブラジャーを買いに行くんだ! キャフ☆」
主人公「うわあ、あかん、あかんよー!」(飛び起きる)
おちおち眠りにつくことも出来ない……(笑)。
主人公と主人公の息子さんの遣り取りが、終始いい感じでございました。
まんぞく!
「トーク」
めちゃくちゃ濃かった……。
生寿さん曰く
「コンテストに通って(優勝して)、なにになるん?」
これ先々週の、笑福亭たまさんも仰ってましたねえ。でも、それはコンテストに優勝した者が言える言葉であって、敗残者が言っていいことではないのよね(あくまでも、わたしバイアスの価値観)。小説の公募でも、同様だと思うんだけれどもさ。
ちなみにわたし、カクヨムさん公募小説も載せておりますが(滝汗)、そっちも読んでいただけたらうれしいですよ。
話を戻して。
「コンテストに優勝してから活躍している若手、どれくらい居るのよ?」
うーん、さすが生寿さんだわ。その、きっぱりした意見の力は、生寿さんの培ってきたキャリアも当然あるのだろうけれども
「その場の空気を読む」ことに
少しでも長けるようにと、お稽古してきた自信があるからでしょう!
生寿さんはマクラからサゲまで、お稽古するときは録画するとも。ちなみに「空気を読む修行」は、繁昌亭の昼席が一番いいとも仰ってました。
で、希遊さんに問うのね。
「マクラの一言一句まで練習してる? 噺に入ってからとの温度差が気になったよ」
ああー、やっぱり生寿さんは凄い人だった。ぱっと見抜ける眼力と言語化で後輩に伝えられる懐の広さも、また凄い。
「古典を面白く演じられない人間が、新作がおもしろいわけがない」
「"場の空気を読む"のは、前座修行をキッチリしていないと無理でしょ。その点でいうと米朝門下は凄い」このあとにも、ちょっと続くんだけれども。ここでは略します。ただ、わたしが好きな若手噺家さんに感じていることと、まるきり同じでした。
「着物の着方、襟や袖のあたりにも気を配らんと」記憶が胡乱。
「若い人は繫昌亭の昼席で、マクラに重点を置いてる? マクラで笑いを取って、その続きで話に入る。そんな10分の持ち時間を使うのは、もったいない気がする。マクラを省いてもいいと思う」ここもワタシ記憶が胡乱。
でも繁昌亭の昼席に関して生寿さんが仰っていたこと(あんまり観に行ってないけれども)、ああー! そうなのよー! と頷くことばかりでしたよ。
あと、とても心に残ったのは
「人間力を磨くこと。これに尽きると思うんよ……!」
季節の変わり目で風の吹き方や葉の色づきが違うことなど、些細なことに気づくことなど。
これに関しては希遊さんもSNSでつぶやいておられましたね。
つうか。メッチャ好きな噺家さまが演じた古典が受けないときもあるなんて、それもビックリだったよ!
「大変な仕事を選んでしまった」と希遊さんは、しみじみ仰ってましたが。それはわたしも同様で。
今までボーッと高座を観て、なんとなく愉しかったー! って浮かれてましたけれども、そんな盆暗ギャラリーのために生寿さんのように、ものすごく気を遣ってくださる噺家さまもいらっしゃる。
集客のためにテレビメディアに出ることも大事なんだけれども……それだけじゃないんだよね。同じようなことを、たまさんも仰ってましたね。
深いなあー……。
追記:思い出しましたわ! 希遊さんが「この前、春風亭一之輔師匠の会に出させていただけて」と言ったときに生寿さんが
「あの師匠、死ぬほど練習(お稽古、って語彙だったかな?)していると思うで?」
「それで、あのカタを確立してる……」
と仰ってまして。他者の努力をパッとわかっちゃう人って、ほんとに迂闊なことばや立ち居振る舞いが言ったりしたり、できない。
生寿さんが「深い」のですね……。
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