36 自分のための「徂徠豆腐」メモ
2023/11/02(木)08:45 かきはじめ。
youtubeで「
先日、播州赤穂で花岳寺の義士墓所などお詣りしてきたときに思った。
「そういやぁ……落語で『徂徠豆腐』て演目、あったなぁ」
ウィキペディアにも載っている人物、
個人的に王楽さんの「徂徠豆腐」が好き。youtubeにある動画では、王楽さん「おから先生と赤穂浪士のつながり」に触れている。兼好さんの豆腐屋さんは、いかにも三代以上続いた江戸っ子の
―—時は元禄。
毎日まいにち夜明け前に起きて豆腐屋さんは商売にいそしむ。両天秤を肩にかけて長屋を歩く。
「とーふー」
貧乏長屋を歩いているとき、消え入りそうな声がする。
「と、豆腐屋さん……」
この今にも死にそうな声の主が、荻生徂徠なわけよ。で、何日かタダで豆腐を食べちゃうくせに、あんまし悪びれてない(笑)。さすが高貴な御方だ。
王楽さんのyoutube動画を観ていると、最後の最後のほうで徂徠先生が赤穂浪士とのつながりあることを明かす、と先に書いた。動画を初見のとき
「えっ! えっ?! あの人が?!」
なんて、思わず声が出てしまったくらいの衝撃を受けてしまった&自分の無知さ加減を思い知らされた。ウィキペディアで赤穂事件の項を観ていると絶対に出てくる名前なのだけれども、討入ばっかりに気を取られていて。徂徠先生の名前なんざ眼の片隅にしか置いてなかった。
徂徠先生は吉良邸討入後の、大石内蔵助ならびに赤穂義士たちの運命を大きく変えた実在の人物なのだ。
幕府は大石たちを謀反とみなし、打ち首にしたかった。世論は義を重んじた彼らを生き永らえさせるべきだと動いた。それら意見をすべてなぎ倒す勢いで、徂徠先生は「切腹すべき」と強硬に主張したのだ。
まさか落語の人情噺の人物が、こんなにまで大きく歴史に影響を与えていることもあるのだとは思わなかった。それはわたしにとって、まるきり架空のストーリーが血肉をもって浮かび上がってきたかのような衝撃だった。
だから落語は辞められない。
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