13 桂笑金さんを熱く語らせてください・1  

 決して褒めすぎではないと思われ。

 桂健志郎さんの魅力もフルに知れた一日でした。

 昨日に行われた「推し活(笑)」地元落語会の記録


2023/07/14(金)& 2023/07/15(土)テキスト作成


 7/13地元の寄席で桂笑金かつらしょうきんさん桂健枝郎かつらけんしろうさん二人会がありました。昼夜の二回、予定されていました。

 はじめは夜だけ参加するつもりだったのです。

 なぜかと申しますと、昼夜と参加して噺家さま御本人に

「あのババアうぜえ」

なんて内心で、思われてしまったらどうしよう……って、いまさら考えちゃいまして。


(前回、笑金さんと弥壱さんの会にも参加していたため。余計に気になってしまった。だって距離感が近い落語家さんとファンの間柄であっても

「若くて綺麗な女の子に好かれたほうが、噺家さんにとってもいいよね……」と思うのが人情ではないでしょうか)

(過去の話ですが国政選挙事務所のバイトをしていたときに、事務所内にウグイス嬢が入った途端に中にいた男性全員の態度が変わったことを目の当たりにした経験があります。ほんっと露骨に変貌した……汗)


 しかし一応は「昼夜と観るのは鬱陶しくないだろうか」と、ハコ管理している人にLINEで打診してみる。

 そしたら「そんなことないですよ!(主旨)」返信を頂いたので……昼席も参加することに致しました。ありがたいことです。


 結論。

 行けて良かったですーーーー!

 昼夜とも、トークコーナーでは写真撮影許可になりました。

 テーマは「好きなもの」です。

 昼は笑金さんがサッカーのゴールキーパーを熱く語って、健枝郎さんがわりかし「ふーん、で?」みたいな反応。

 身近に同じポジションを守っていた者がおりましたので、笑金さんの激アツ加減がめちゃくちゃ伝わる伝わる。

 健枝郎さんは写真撮影というかカメラ収集が好きと披露してくださいました。

 旧ソ連製の機器やナチスドイツの時代に作られた機器を持ってきてくださいました。ドイツ製は「わあー、さすがドイツ製やなー!」と思う代物だとのこと。カメラってホント凝り出すと、とことん行っちゃうよね。

 思わず立ち上がって語る笑金さん。あのとき、ほんっと冷房が利かなくなったわ(笑)。


 それが夜席では健枝郎さんが、カレーライス愛を熱く語る語る。

 昼と立場が逆転したかのように熱いカレー愛の人・健枝郎さんを「ふぅーん」と冷たくいなす笑金さん。

 なんでも健枝郎さんは以前、椿山荘勤務だったそうで。超がつくほどの一流ホテルマンが何故に落語家に!

 それと一見クールで、ちょいシニカルにも見える健枝郎さんが「えっ」と思われるほどのカレーライスに傾けるラブ……ギャップが凄い! 死語だけど「萌えー!」って、なる! ならん人は確実にアタオ〇(マジで断言してもいい)。

 夜のトークコーナーの折りに舞台の隅に置いてあるのは、笑金さんがラブなゲーム「マザー」キャラクターのぬいぐるみでした。

 昼夜ともに。お二人とも、羽織がピシッと決まっていて素敵です。これは眼福。そして垂涎。

 おまわりさん! わたしです! でも勘弁してください!


 さて演目の記録、まずは昼席。


「二人癖」健枝郎さん

 初見ネタ。誰にでも癖はある。「のめる」が口癖の男が、「つまらん」が口癖の辰ちゃんと賭けをする。お互いの口癖を言ったら1円の罰金を払う……この駆け引きがおもしろい! 演じる側からすれば、サゲまでテンションを下げずに言い切るって……つくづく、大変。


「狸賽」笑金さん

 わたし、めっちゃ好きな古典落語。とにかくタヌキが可愛い!

 助けてもらった男性のためにサイコロに化けて賭場に行くストーリーなんですが。いちいち健気で可愛いのだ! たーちゃんのリアクションを見守る主人公もやさしくってステキ!

 itune音源で林家たい平師が演じる「狸賽」も聴いたことはありますけれども、笑金さんが演じると「たーちゃんと、たーちゃんを見守る男のハートフル冒険ストーリー」に様変わりする。たぶん、心が弱っているときに笑金さんの「狸賽」を聴いてしまったら涙が止まらなくなるだろう。あの日は泣かなくてよかったw


「考える豚」健枝郎さん

 お師匠さまの桂文枝作品。桂三実さんも、お師匠さま作品を高座で披露してくださるときがありますね。

 ストーリー展開にあらがない。そして、ちょっぴり理系の匂いも漂うところなど、さすが桂文枝さま作品だとあらためて驚嘆しました。新作落語は小説と同じなのだろうけれども、聴いているうちに「いろいろ勉強したい! ストーリー分析したい! 起承転結は? パターンは?」などという考えがあっても、全部が吹き飛んでしまう。

 なんでキレイさっぱり勉強したい意欲が消えてしまうのか理由を考えてみた(野暮だ)。

 ストーリーの楽しさもさることながら、演者の巧みさも確実にあるよね! 


 夜席。

「道具屋」笑金さん

 高座ではよくかかる噺ですね。ですので同じストーリーでもAさんが演じると、こうなる、Bさんが演じるとああなる、など様々に比べることが出来る演題でもあります。短剣と偽った木刀を客と引っ張り合うところや、ひな人形の首が取れてしまうところ等々、見せ場がいっぱいあって楽しい。笑金さんの古典落語でも、彼の表現力に舌を巻く一席。他に「時うどん」なんざ、ほんっと……(語彙不足/汗)。


「饅頭こわい」健枝郎さん

 フルバージョンでした。

 キツネのエピソードはたしか無かった……と思うんだけどな、けど身投げしようとしていた云々……たっぷり堪能させていただきました。とんでもなくラッキー!


(Wikipediaより・上方では、冒頭のシーンに「狐に化かされた」と話す男や、若い頃に東横堀川の安堂寺橋付近で女性の幽霊を目撃した(という夢を見た)ことを回想する老人[5]を登場させ、怪談噺のようにたっぷり演じる演じ方があり、この場合30分以上の大ネタとなる。なお、このうち狐話のシーンは、江戸落語では「九郎蔵狐」の題で独立して演じられる)


「山への誘いいざない」笑金さん

 ハートウォーミングな幽霊奇譚。新作落語ですね。

 途中、ホロッと来ました。笑金さんは悲しみや切なさを真っ直ぐに演じてくださるから好き! 

 余談になりますが。

 少し前に笑金さんの新作落語「茨木童子」、これを初見で涙が出そうになったんです。あのときに「こんなに凄い人が、上方の若い世代にいるんだ……!」と思いました。そのときの感動というか、心が激しく揺れたことを思い出しました。


 今月中に、また笑金さん落語会に行きますよ!




 

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