73 月亭柳正さん桂八十助さん二人会がありました

 2024/07/27(土)19:50 かきはじめ


 今週の木曜日、タイトルに書きました落語会に参戦いたしておりました。挙行された日時は2024/07/25(木)です。

 いつもよりも開始時間が早かったんだけど……わたし、そわそわしすぎて開場時刻よりも一時間はやく到着していたのね(汗)まあ駅前だから喫茶店やら、涼めるポイントもありますから「どっかで時間を潰そうー」と駅に向かって歩き出すとですね。

 カンカン照りの狭い道、対面方向から。コンビニ袋を下げている黒Tシャツ(やたらロックなTシャツ柄だ、とぼんやり思った/汗。後から知りましたがモハメド・アリさまの写真画像でございました)と、ジーンズ姿の男性が歩いてくる。

 思わず、ちいさな声が出た。

「あ……っ」八十助さん?

 どうやら、あちらさんも気がついたらしい。唇のかたちが「あっ」って、なってた。

 わたし、訳わかんないうちに日傘を畳んでいました。

 八十助さんの方から声をかけてくださる。

「今日は、夜も」

「あっ、はい」

「ありがとうございます!」

「あ、いえいえいえっ!」

 八十助さん、すっごく日焼けしたなぁ……と思いました。んもう、ドッキドキですワタクシ。

「この前は、ありがとうございました」

「はっ、はい」

 ペコペコ頭を下げていたことと「はい」しか言っていない記憶があります(汗)。なんとか

「きょ、今日はよろしくお願いします」

 と言って再度、頭を下げました。

 至福タイム……! まさか、お着替え前の八十助さんと遭遇できるとは思っていなかったーーーー!


 昼の部はトークから、はじまりました。


 一、トーク

 一、犬の目 八十助

 一、宗論  柳正

 仲入り

 一、阿弥陀池 柳正

 一、佐々木裁き 八十助


「宗論」初見ネタでした! ”宗論はどちら負けても釈迦の恥” いい言葉だなあと感じました。「阿弥陀池」の演目をかけているときも感じたんだけれども、柳正さんタッチが変わった???? って、すっごく思った! 前から二十代前半という若さを充分に活かした瑞々しさや爽やかさがあった噺家さんだけれども、そこに半端ないドライブ感が加わったというか! いやー、あらためてファンになりました。年季明け前から、ちょいちょい拝聴させていただいていると、些細な変化にも気がつけて……お姐さんはウレシイ(何様)。

「犬の目」

 このネタ、好きー!

 扇子で患者さんの目をポリポリほじくるところとか、助手の前田くんのおバカ加減とか。八十助さんが、どのように演じてくださるのか。とても楽しみでした。ストーリー展開をテキストに起こそうと思うとホラーなんだけどね。でも、演じられる噺家さんはホラーな匂いを跡形もなく消してくれて、愉しく仕上げてくれるよね。そんでもって八十助さんは期待を外さずに、きっちり仕上げてくれるんだよー。

「佐々木裁き」

 お師匠さんにお稽古をつけていただいたネタ、十個目にあたるのだそうです。お奉行さん言葉は独特で覚えるのが大変だったとのこと。高座から発せられる心地よい言葉の数々が、良い感じです。こういうのがフラっていうのかな? よくわからないけど、八十助さんのやさしい気持ちが静かに流れてたっていうか。語彙なし、すみまそん!


 お見送りのときに八十助さんが「お疲れじゃないんですか? 昼も夜もですから」と仰ってくださってて、非常に恥ずかしかった。だって正直言って、「佐々木裁き」があまりにも居心地よすぎてウトウトしかけていたのだもの(非常に失礼な女である。ごめんなさいごめんなさい)。

「今日は有給とってきたんです、お二人とも凄く好きだから―」とか告白しちゃったぞぃ(滝汗)。

 柳正さん八十助さん「ほんまですか、ありがとうございます!」と口々に仰ってくださいました。いやいや、有給休暇を取った価値がありましたよ、本当に。

「柳正さん、芸風がすごく変わりましたねえ。なんかハジけたっていうか、どっか飛んだ?」

「え、え! ホントですか、前とどっちがいいですか!」

「今の方が絶対にいいですー(ぽわわ目線&ババアのスタンス)」

 八十助さんも一年以上前に、月亭希遊さん二人会に出てくださったときからすっごくすっごく進化しているので、本当に楽しみ……!

 しかしこのババア、はっちゃけすぎやわ。もうちょっと慎みをもたねば。反省してもしきれない。


 んでもって夜の部。


 一、トーク

 一、動物園 柳正

 一、替わり目 八十助

 仲入り

 一、稲荷俥いなりくるま 八十助

 一、書割盗人 柳正


「動物園」

 すっごく好きなネタ。柳正さん、やっぱ弾けっぷりがすごいなあ。こういう噺が柳正さんに似合っていらっしゃるのかな? 虎の着ぐるみをかぶるときに悪戦苦闘する主人公が、可愛いー。めちゃくちゃ爽やかな香りがしますね、くんかくんか。 

「替わり目」

 鉄瓶さんが演じられると「リアル酔っ払いキター!」になる。ほんと、鉄瓶さん凄いと思い知る。んでもって八十助さんが演じられるとねえ、不思議なのよ。登場人物が全員、おちゃめさんになるの。どっちの酔っ払いとも一緒に呑んだら愉しそう! 日々の悩みなんて吹き飛びそう! 

稲荷俥いなりくるま

 八十助さんで二回目のネタでした(先日、動楽亭での勉強会で拝聴いたしました)。個人的には、くっしゃみ講釈、でも良かった(笑)。某NHKでの収録を観に行かれたお客様が、えびす亭に来ていらしてて

「当日、(八十助さんの、くっしゃみ)二回観ました(笑)」とのこと。それで稲荷、になったのですが(笑)八十助さんご自身が

「出だしを忘れてしまいまして、ごめんなさいね」

と言いつつ、披露してくださいました。

 ああー、今思ったわ。

 はじめて春風亭一朝先生を観たときの、あの空気感がよみがえってたんですね自分。きっちり本寸法ながら、堅苦しいところが微塵もなくって。流れる水のように、やさしい空気がいっぱいになる。やっぱり落語って……奥が深いですね。演じる側のお人柄が滲み出るんだなあって思います。

「書割盗人」

 だくだく、とも言いますね。柳正さんドライブ感が満載、めっちゃ楽しい! 貧乏生活の主人公に頼まれて、壁紙にあれこれ描いた絵師のスキルがスゴイ! 柳正さん演じると状景が目に見えます!

 帰りもいっぱい写真を撮らせていただけました。ホントは告知していた喜楽館での「柳正・喬明・八十助、三人会」も行きたいんだけど……そっちは日程に都合がつかないんだよぅ、しくしく。





 

 






 














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