05 ミーハーになりたい・2
この項は少し長い っつか前ページと書いていること、ほぼ同じ
それだけ筆者コーフンの坩堝、と勘弁していただきたく
2023/06/16(金)17:22
この御二人は王子さまですよマジで。
はい、
寄席舞台の片側に置かれている「めくり」。噺家さまの御名前が書かれているアレですね。まずは墨痕鮮やかに「桂八十助」と書かれている。んもう、ここでわたしはドキドキが止まらない。
―—ずっと待っていたのよ、この人のことを!
実は今年の1月に「えびす神社」お祭りがあったんです。えべっさん初日の1月9日(いわゆる宵宮ですかね?)この日は、シフト休だったんです。
で、朝はやくから地元寄席発信のLINEが飛んできた。本日から三日間、午前11時から色々な落語家さんが来て高座を打ってくださるとのこと。
「えー。いっつも、あそこ昼は午後2時からじゃん。ぶうぶう」
などと言いつつも
「ヒマだから、いっか! でも今日って確か……えべっさん祭りの初日じゃなかったっけ。人混みばっかりだったら、やだなぁ」
なんて結局行くんかーい状態で現地に着いたところ。ちっこい寄席の前の通り、見事に人が通っていない。気配さえもない。
えべっさんに福をもらいに行く人の群れから路地一本外れたら、こんなもんさ。
半身は逃げる態勢をとっていたけど、おそるおそる当該建物入口に近づく。
「あっ! どうぞどうぞ!」
着物を身につけた若い人ほかが、満面の笑みを浮かべて近寄ってくる。
に、逃げられない……。観念してフロアに入る。
結局、わたし以外誰もいない。
そこそこの広さがあるフロアでトイメンで(滝汗)高座を打ってくださったのは森乃石松さんと仰る噺家さまでした。
はじめのうち、わたしもついつい甘えてしまって
「えー、帰りたいんですけどー」
とか言ったら
「待って! もうちょっとしたらぼくの同級生が来るから!」
って、汗びっしょりになっていた石松さん。当時は、すみませんすみません。もう二度といたしませんので、お許しください。
石松さんは一席おわってから観客ふたりの眼前で「かっぽれ」を踊ってくださいました。それがとても色っぽかった。
その日の地元寄席のルールは「一回一回の高座が終わったら、ザルの中に投げ銭をして外に出ること」でした。
一度、寄席から出て。通りすがる人たちに向けて一所懸命に呼び込みする若手さんたちの中に、あきらかに異質なオーラを放っている男性がいらしたのです。
(え、誰? この日のためのバイトさん? そんな風にも到底、見えないんだけど一体誰?)
とても爽やかで堂々としていらして、しかも控えめな清潔な空気を全身から放っていた男性……。
なんて、まぶしい人だろう。
それが桂八十助さん。
米朝一門の御方であると、あとから知りました。
(まとめながら、次回に続きます)
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