44 柳田格之進 

 2024/02/03(土)11:16 かきはじめ。


 文字打ち速度、遅い……。

 まあいいか。ちみちみ他サイトをめぐっていたりするから進まないのだ。ワハハ。


 さて林家染吉さん演じる「柳田格之進」はと、いうと。

 ……小鯛さんに感じた「なんだコレ!」と同レベルの衝撃。最初から最後までコレ。

 そしてやっぱり率直に思ったことは『もちろん、いい意味だよ!』「こいつバケモンだろ……」だった。本当に噺家なのか? 一龍斎の御一門とかじゃないのか? とか話に集中しながらも脳みその中がグラグラしていた。

 まずはサラッと武家社会の説明をしてくださる染吉さん。柳田は生来の生真面目さが疎まれて彦根藩から追放されてしまうのだ。碁会所で碁を打ち合うようになった商家、万屋よろずやと心を通わすようになる。

 柳田は万屋宅に招かれて酒を勧められる。何度か断るも、遂に万屋の熱意に負けてしまう。その折りにさかずきを唇に運ぶとき……一瞬、柳田が泣き出しそうに頬や目尻、口元を崩す。

 このをとらえたわたしの脳みそは崩壊しました。大袈裟ではなく崩壊しました。虜になる、とはこういうことか。こういうことなんだよ!

 柳田の娘、おきぬ。この娘も、これまた。まあ清楚で程よい色気があって(もちろん演者の力量によるところが大きいのは、わかってるよ!)。父の無実を信じて大坂新町の廓に身を沈めることになるのだが(今ちょっと調べたら心斎橋の近くで結構な敷地もあったようですね)。

 十両盗んだら打ち首獄門という時代、五十両盗難という濡れ衣を着せられた柳田。着せた張本人の万屋番頭の言い分も「ごく当たり前の『人』の感情」として見せてくれる。男の嫉妬のほうが、ひどいものだから。でも人として、していいことと悪いことはあるよね! そして「俺の小遣いで帳面につけておけと言っただろう!」と番頭を叱る万屋さんも男気があって好感を持てました。この人は柳田のことを心底から信頼していたのだものね。

 ふたりは首を落とされることを覚悟して柳田の前に現れる。そりゃそうだ、十両盗っても打ち首になる時代。ましてやその五倍の金額の「罪」を着せていたのだから。

「白黒は付いた。もう盤は要らぬ」

 ……どこまでも実直で恩義に厚いサムライを、演じ切ってくださった演者に感謝しかない。

 本当に凄いものを見てしまった、という感想。これが夜の部の「淀五郎」にもつながっていくんだよなー!














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る