83 怒涛の3daysはじまってます 初日
2024/10/12(土)かきはじめ
木曜から落語三昧(そうでもないかも/汗)はじまってます。
一日目は月亭柳正・桂八十助、二人会。昼夜の参加です。昼夜ともに、お客さまに演目を決めていただくという趣向でした(笑)。
急遽ゲストに柳正さんの大師匠である月亭八方さまが決まりまして、それもあってか昼夜ともにギャラリーみっちみちでしたよ。
昼の部
一、トーク
一、湯屋番 柳正
一、大安売り 八十助
一、崇徳院 八方
仲入り
一、時うどん 柳正
一、くっしゃみ講釈 八十助
時うどん……柳正さん、あんまり高座で掛けていなかったと仰ってて、めちゃくちゃドキドキしてたみたいだけど「さすがプロだなー」と感じ入りました。ほかの感想は後ほど。
夜の部
一、トーク
一、住吉駕籠 八十助
一、紙入れ 柳正
一、紀文の船出 八方
仲入り
一、猫の茶碗 柳正
一、佐々木裁き 八十助
「湯屋番」
銭湯の番台に座りたい男。願望を叶えたものの……業務中に、はかどる妄想が果てしない。それを観ている着替え場の男性客の様子が愉しい。
柳正さんは“抜けた”感があるなあ……(何様)。こういう、わちゃわちゃ感がある噺は非常に似合ってて、すごくいいなー。
それに柳正さん、仕草がどんどんキレイになっていってる……ちょいちょい以前から拝聴させてもらっているけど、この日は特にまぶしく見えました。
「大安売り」
このネタは八十助さんで、六甲で観ていた(笑)勉強会でも拝聴していた。また観たいなと思っていたのでうれしかったですー!
一所懸命に取り組みしているけど、どうしても土俵で勝ち星が取れない御方……親方にも取り巻き衆にも、いいところ見せたいのにね。
お相撲さん口調が好きだなー! あと、ぱしんぱっしんと相手方を叩く手振りが好き(手フェチなんだよ)。
「崇徳院」
百人一首のかるたで有名な恋の歌。せをはやみ……が、ますます好きになる噺ですよね。恋わずらいで食事が摂れないで寝込む人がいた時代、生まれたかったなあ。
「時うどん」
演者も観客もドキドキハラハラの時間になりました(笑)。すっごく良かったーーーー! 柳正さんの魅力が満載な時間でもありました。
「くっしゃみ講釈」
八十助さんの演じるものって安定感とおちゃめ感がいいバランスで観られるから、そういうところが好きだな。
演者さんによって「のぞきからくり」を滔々と述べるところを、こってり脂っこい節まわしで言われるのだけれども。個人的に脂っこくされると聴いていると胸やけがしてしまうんだ。講釈を語るパートも、この話の見せ場のひとつ。講釈を語りながら、我慢できずにくしゃみを連続してしまうところも、見せ場になるんだろう。少なくともわたしにとっての、おたのしみポイント(笑)。全編を通して八十助さんの血肉になっている噺なのかなあと感じ入るばかり。いろんな噺家さまが動画サイトに挙げていらっしゃる演目でもある。演者さまごとに、美しさが違うのも古典のよいところなのでしょう。
夜の部は、ちょっと前に一緒に喜楽館に行ってくださった落友さまが来ていらっしゃいました(その方も、御自分の落友さまと一緒に来られていた)。愉しい時間を親しい方と共有できる幸せって、いいものだとしみじみ感じた次第です。
「住吉駕籠」
おおー。再聴できてうれしいー。これも古典の味わいがある演目だなって思う。この前の八十助さん勉強会で拝聴していて良かったよぅ。
住吉大社と高津宮は上方落語に頻繁に出てくる神社ですね。
あと「よこまち」(笑)。横町、って書けばいいのかな。住吉大社は一度参詣したことがあるけれど、当時の街並みや茶店などの並びは、どんな風だったのだろう。ジオラマでもいいから観てみたいな。想像すると、わくわくしますね。
あのねえ、前にも書いたかもしれないけれども。ちょっと前に地元寄席に桂吉弥さまが来られた際に見せてくださった演目が住吉駕籠だったのね。
吉弥師匠を観てる最中に、ものすごく衝撃を受けてた。笑わせていただきながら同時進行で、演者の凄さに圧倒されて鳥肌が立ってたというね。たぶん、ファンの勝手な欲目や妄想ではなくて……近いうちに二豆さんと八十助さん、弥壱さんはポンッと弾けて、そっち側の気持ちを味あわせてくださるような気がするなあ。
「紙入れ」
率直に言う。はじめのうち「えっ柳正さんが演じるのマジで」と思っていたが、まるきりの杞憂だった(ほんと何様で、ごめんなさいごめんなさい)。某噺家さまをはじめて拝聴したときに演じられてて、それが女性の怖さや可愛らしさ、お色気が絶妙なバランスだったので(もちろん、その噺家さまを即好きになってしまった経緯があります)……他の噺家さまで、この演目がよかったと思えたことが正直言って、あんまりなかった。なので実は、凄く難しい演目なのではないかと思っていたので。おかみさんの演じ方がキモになるんかなって。
この演目は柳正さんに似合っていると思ったよ! おかみさんが出入りの小間物屋男子を誘うところとか、エロさを強調させず良い塩梅で。もしかしたら演者さんの素の姿が露呈してしまうネタなのかもしれないね。手拭いを紙入れに見立てる演出にドキドキしました。あと、サゲのご主人の鷹揚さが逆に恐ろしい(ヒエッ)。
「紀文の船出」
紀伊国屋文左衛門が紀州から江戸へと、みかんを運ぼうとするが生憎の嵐……どうするどうなる! というストーリーでした。
紀伊国屋さんの富豪っぷりに驚嘆。様々な噺で紀州の紀伊国屋さんの財力が語られているので(後世の脚色もあると思うが)。きっと、伝説がたくさんある方なのだろう。
「猫の茶碗」
これも柳正さんに似合っていたネタでした! 猫を可愛がる様子がとてもいい! モフモフ度合いが伝わってくるのね! 一両を運んでくる猫……そりゃあ大事にされて当然だ(笑)!
「佐々木裁き」
前に勉強会を拝聴したときに仰ってましたね。お奉行職の言葉遣いは、ちょっと違ってて憶えるのが大変だった、と。
そうかぁ、聴いているだけの側は単純に楽しんでいるだけだったんだけれども……演じる側になると全く違う御苦労があるよねって。記憶力と演技力がなかったら噺家稼業なんて無理だもんね。
しろちゃんが可愛い。
元々わたしは、極端にこまっしゃくれている子どもや丁稚が出てくる噺はあんまり好きじゃないのだ(笑)。それが、なんということでしょう。
いかにも賢くて口が立ちまくりの生意気だらけのキャラクターが変貌してしまっている。例えるならば電車の中で見かける塾の鞄を肩から下げている上流世帯の御子息ならではの「フフン」と鼻息が聴こえてきそうな子どもが(大きな偏見だけど/汗)内面の底の部分では、賢さと同じくらいの可愛らしさもあるんだよー、みたいな。あー、この噺も演者さんの素の姿が露呈するのかもしれませんね。ってか落語の、ほとんどの演目はそういうものかもしれません。
だいぶ文章を削りました、これでも。これでもー!
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