48 三人怪談in高津の富亭 

2024/03/02(土)10:31 かきはじめ ※エブリスタ同文のエッセイには画像も有


 昨日の03/01夕刻、谷町九丁目駅で下車して。高津宮へと。こうづぐう、と読むみたい。高津神社とも言います。そこは上方落語「高津の富」舞台でもあります。境内の中に様々な落語会等が催される小屋があるんですね。

 それが、高津の富亭。

 前回同様、桂健枝郎さん・桂笑金さん・桂二豆さんの御三方プラス怪談師のゲスト。昨日は田辺青蛙さんでした。

 この日の演目。


 一、「もう一人」桂健枝郎

 一、「器」桂笑金

 一、「七度狐」桂二豆

 一、「実話怪談」田辺青蛙

 仲入り

 一、トーク


 演目表が出ていたの知らなかった、ショックだ。

 それはともかく。

 「もう一人」健枝郎さんの創作新作落語だろうか、自分のドッペルゲンガーがいる! 気味が悪いと相談を受けた男の話。いつのまにか友人が入れ替わってた! というサゲでございました。これって現代の日本で、決して笑いごとじゃなくて。日常に潜む怖さ……特に誰かが自分のこと四六時中、覗いているかもと気づいたときの気持ち悪さを存分に味わいました。さげ方も、とても綺麗で。しかも背筋がゾクゾクするという巧みさ。

「器」笑金さん創作落語ですね! 昨年にツギハギ荘等で拝聴していたストーリーに心霊現象を加えて、更に! 気持ち悪みと怖さをアップデートして魅せてくださったという感想です。女性のエゴを中心に据えてますよね。息子を自分の思い通りにしたい・言いなりに育てたいという潜在的な欲望って、あるよね。ほんっと、こういう子どもに対する支配欲って人によりけり、だとは思うけど。これが娘だと、器のストーリーは作れない。子どもが異性だからこそ成立する。

「田辺青蛙さんの実話怪談」なかなか生で拝聴できる機会がないよね、怪談師さんのお話って。大阪にもミステリースポットがたくさんあるんだなあと、しみじみ怖がらせていただきました。ご主人のご実家は札幌にあるようですね。ぱっと思ったのはさ。北海道の女性って気性が「強い」んだよね。津軽の「じょっぱり」とは多少違う「強さ」は、遭遇するとビックリする人も多いかと思う。なんてったって離婚率全国トップの地域じゃないですか北海道って。中島みゆきさまも仰っておられる「耐えるのは、むしろ南の女」と。とにかく雪国育ちの女を舐めてはいけない。

「七度狐」実は、この日の前日に桂笑金さんの「七度狐」を拝聴したばかりだった。なので非常に興味深かったです! 笑金さんとは違うアプローチで、尚且つ二豆さんならではの深みを存分に堪能いたしました。この方も、話の本題に入るとガラッと変わるねえ、ほんと観に来てよかったわー! ますます推し噺家、決定です。心底から思いました。それと余談になるけれども、三人怪談の開場受付が二豆さんだったのね。わたしが行ったときだけだったのかもしれないけど。そのときの言葉の遣り取りとかが本当に素直で、あったかくって。この方のご両親も、とても素敵な方々なのだろうなと思いました。

 あとね、わたしの隣に座っておられた女性がね。鳴り物が終わってからトップバッターの健枝郎さんが出て来られたときに、背筋をピンと伸ばして、大きく手を挙げて演者を大きな拍手で迎えていらして。

「応援しているよ! これからも応援するよ!」

という、ひたむきな感情がこちらまで伝わってきました。それが、わたし個人的には癒されるというか、ほこほこするというか。とにかくこちらの気持ちが、とても温かくなったんです。

 そういう意味でも、昨日の怪談会はヒットでした。また行きたいです!


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