概要
最新の技術を持ってして造られた聖都市アムネジア。それはこの世界で煌々と輝きを放つ星。誰もが安寧を手に出来る理想郷。壁に囲まれたその都市は、今日も虚像の上に息をする──
アムネジアから遠く離れた場所に存在する深淵の地、ゲヘナ。
誰もが幸せを手放すこの地で、主人公の咲穂と上司の朱音は【何でも屋】を営んでいた。
今回の依頼人は、自分の息子ニアが【狩り】で行方知らずとなったと話す女性リタ。
彼女に捜索を依頼された二人は、少年を助けるために動き出そうとする。
しかしその裏ではある計画が進んでいた──
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!絢爛の裏に残酷が塗り込められた世界にて、痛ましくも煌めく生命たちの物語
裕福な都市とスラム街が隣り合い、退廃の翳りを漂わせる世界に、情景を描き出す典麗な文章。けれど綴られているのは、どこまでも痛ましく苦しげで、「生きている」ことを叫び叩きつけてくる登場人物たちの姿。
泣いている、痛い苦しいと顔を歪める、未知を恐れる、血塗られた世界で手を取り合う。嘘偽りや巧妙を盾に護りを固めていなければならず、安々とくつろげる平穏は儚い。そうして生きている生命たちの、生き抜くために覆い隠された内面が見えた瞬間、心が震える。この世界に生きていると、こちらの胸に訴えかけて揺すぶってくる。その目を離せなくなる美しさが、多くの読者の心を、握り潰さんばかりに掴んでいるのではと思います。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!圧倒的文章力で綴られる残酷で美しい世界
大切な人や自分がいつ狩られるか分からない……ゲヘナで暮らしながら必死に絶望に抗おうとする咲穂たち。
そして管理された安寧の中でゲヘナへ抑えきれない渇望のようなものを抱く瑞綺。
立場によって変わる価値観・思惑を、驚きの文章力で描いた作品。
そう!この作品の最大の魅力は圧倒的文章力!多彩で魅力的な文章に時々差し込まれるドキッとするくらい美しい詩的な表現……びっくりしました!私には絶対にこんな文章書けない!すごいです!ゾクゾクするほど魅力的な文章!何を食べたらこんな文章書けるようになるんだろう(;゚Д゚)
そして、英数字の羅列などを使った視覚効果も積極的に取り入れられていたり、とつぜん太宰が引…続きを読む - ★★★ Excellent!!!隙の無い世界観と表現力による圧倒的『醜美』の世界
第二章まであっという間に一気読みしてしまいました。それくらい没入感がすごい作品です。
たくさんの方が触れていますが、まず文章力、というか、語彙力に長けた作品です。一節がとても鮮やかに彩られているのは、作者様の言葉の魔術のようにも思えました。台詞回しもちゃちじゃなく、とてもよく練られています。自分では中々思い浮かばなそうな表現だったので、思わずメモを取らせていただきました。
また、作り込まれた世界観が作品のリアリティを底上げしています。ファンタジーですが、作り物っぽくはない。完成度で読者を圧倒するような世界が広がっています。
人間はふるいにかけられて、条件に遭わなかった者はアンダーグラウ…続きを読む