隙の無い世界観と表現力による圧倒的『醜美』の世界

第二章まであっという間に一気読みしてしまいました。それくらい没入感がすごい作品です。

たくさんの方が触れていますが、まず文章力、というか、語彙力に長けた作品です。一節がとても鮮やかに彩られているのは、作者様の言葉の魔術のようにも思えました。台詞回しもちゃちじゃなく、とてもよく練られています。自分では中々思い浮かばなそうな表現だったので、思わずメモを取らせていただきました。

また、作り込まれた世界観が作品のリアリティを底上げしています。ファンタジーですが、作り物っぽくはない。完成度で読者を圧倒するような世界が広がっています。

人間はふるいにかけられて、条件に遭わなかった者はアンダーグラウンドな世界に押し込められて人造人間に狩られる日々。目を背けたくなるほど残酷世界が、尊いものをより美しく魅せる。そんな印象を受けました。

そして、彼女を取り巻く人物たちも個性に溢れたキャラばかり。登場人物は多いですが、誰も霞んでいない。『キャラクターが息をする』というのはこういうことかと感心するくらい、全員がこの物語の中で『生きて』いました。

週末を彩る素敵な読書時間をありがとうございました。
執筆、がんばってください!

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