LIFESTORY Vol.1

作者 幻中紫都

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★★★ Excellent!!!

第二章まであっという間に一気読みしてしまいました。それくらい没入感がすごい作品です。

たくさんの方が触れていますが、まず文章力、というか、語彙力に長けた作品です。一節がとても鮮やかに彩られているのは、作者様の言葉の魔術のようにも思えました。台詞回しもちゃちじゃなく、とてもよく練られています。自分では中々思い浮かばなそうな表現だったので、思わずメモを取らせていただきました。

また、作り込まれた世界観が作品のリアリティを底上げしています。ファンタジーですが、作り物っぽくはない。完成度で読者を圧倒するような世界が広がっています。

人間はふるいにかけられて、条件に遭わなかった者はアンダーグラウンドな世界に押し込められて人造人間に狩られる日々。目を背けたくなるほど残酷世界が、尊いものをより美しく魅せる。そんな印象を受けました。

そして、彼女を取り巻く人物たちも個性に溢れたキャラばかり。登場人物は多いですが、誰も霞んでいない。『キャラクターが息をする』というのはこういうことかと感心するくらい、全員がこの物語の中で『生きて』いました。

週末を彩る素敵な読書時間をありがとうございました。
執筆、がんばってください!

★★★ Excellent!!!

まずとにかく、文章が美しい。するりと読み込めて溶けていく、そんな印象の文章だ。けれどその美しい文章で描かれるのは血生臭く残酷なダークファンタジー、この落差がどうにも残酷なのにふわりとして漂うような非日常の感覚を与えてくれる。
そして挟まれる数字とアルファベットの羅列が謎を深める。途中にあった人間失格の引用も効いていた。
登場人物は多いものの、今誰がいて誰が喋っているかも分かりやすい。これはひとえに作者のキャラクターへの理解が成せる技だろう。

★★★ Excellent!!!

 鮮烈な描写で描かれるのは究極的な格差社会、荒れ果てた外界を「忘却した」都アムネジアと生きる権利などないと見放された者たちの地獄ゲヘナ。壁で隔てられたその二つの天国と地獄に生き、死んでいく人々。
 残酷な世界を生きる主人公が、狩りといい虐殺の夜に出逢った「白い孔雀」とは何者なのか? 
 世界観を見事に書き上げる描写力と、「白い孔雀」との邂逅に希望を見出だした主人公の行く先にこうご期待!

★★★ Excellent!!!

 本作は、ダークな雰囲気を帯びたSF小説である。読んでいて、私は本作の物語に惹き込まれて仕方なかった。無論、謎が謎を呼ぶ重厚な展開や、暗澹とした中に儚さ美しさのある世界観が魅力的だというのもあるが、決してそれだけではない。

 先に述べた通り、本作には物語に起因する謎や疑いはあれど、言葉遣いにおいては一切の違和感が存在しない。ネーミングや会話から始まり、終いには文章の一隅においてまで、綿密な配慮の元組み立てられているのだろう。そのため『白い孔雀』という端的かつ優美なキーワードは読者の心にすっと入り込むし、繊細な言葉選びの末に綴られる淡々とした文章は、読者の没入感に一切の阻害を行わない。
 まだ物語は序盤と言うこともあり情報量は氾濫しているため、一抹の分かりにくさはあるものの、それゆえに読者はじっくりと作品に向き合わされる。そうして、気付けば本作の世界の虜になっているのである。これはひとえに、著者のセンスなくして不可能な偉業であろう。

 また、『貴方へ』の節にある通り、著者は本作にささやかなメッセージを込めている。いずれこの世界を覗き込む読者には、その前に是非こちらに目を通していただきたい。さすればそれは、貴方がさらに深くこの世界に囚われるための一助となろう。

★★★ Excellent!!!

素敵な小説は読むのでは無く観るものだと、昔どこかで聞いた事がある様な、読んだ事がある様な。
しかし、それはボクの中にずっと残っていて、そんな感想を記す事を思い付き表題の紹介文に落ち着きました。
(個人の感想です)

あらすじ、プロローグに裏打ちされて重厚なストーリーは如何でしょうか?