概要
地上の全てを焼き尽くした戦争《アトミック》。そこから再建された世界は、巨大都市・市《シティ》の当局によって支配されることになった。
そんな世界を「心理交流干渉士」という特殊技能の力で生きる、ゼロ・コーネル。時には権力の、時には弱き者の味方として、事態に立ち向かいながら。
スリルとサスペンスの、レトロフューチャーSF大作。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611
(メトロポリタン・ストーリーズ)
*** 主な登場人物 ***
ゼロ・コーネル
本作の主人公、アッシュグレーの長髪が特徴の、一見クールな男性。
上級グレードの心理交流干渉士(Σ-PIA)として、確実に仕事を成功させることを誇りとしているプロフェッショナル。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心理交流干渉士ゼロ・コーネル、世界の危機に立ち向かう!
過去の戦争《アトミック》で焼き尽くされた世界は、
唯一の巨大都市・市《シティ》と、その他の地域として再建された。
そのほぼ全土に、巨大企業・羽ヶ淵の息がかかっている。
仕事の依頼を受けたゼロ・コーネルは、市《シティ》から、
はるか南部へと旅立つ。
掌編集『メトロポリタン・ストーリーズ』の舞台で綴られる長編。
(掌編集未読でも本作を読むのは一切問題ありません)
細かい世界観やSF的小道具ができあがっているので、
メトロポリタンの世界にどっぷり浸かれます!
コーネルの武器は、頭脳と交渉術。
世界を揺るがすような陰謀を前に、どう立ち向かうのか?
読み易く、読んでいて心地よい文章に、最初の方は
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ゼロ・コーネルはまさにハードボイルド・ヒーロー
この作品は以前から追いかけていました。まずは完結おめでとうございます。
個人的には、この作品は優れたハードボイルドであると思って読んでいました。物語が、主人公ゼロ・コーネルの一人称で進行するから……だけではありません。抑制のきいた冷静な語り口や、自身も含めて人間の心情に踏み込みすぎないところが、非常にハードボイルドとしてよくできています。作者は、ハードボイルドの何たるかをよく理解していらっしゃるのだなと、個人的に思いました。
それから、主人公の造形も非常にハードボイルド・ヒーローらしい! フィリップ・マーロウとコンチネンタル・オプを混ぜ合わせて、ビジネスマンとしての礼儀正しさを加えたよ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!散りばめられた「もしも」から成る緻密な世界の、旅情溢れるSF冒険活劇
本作は掌編連作『メトロポリタン・ストーリーズ』と共通の世界観で繰り広げられるスピンオフ的作品とのことで、
同作においては実に50篇(!)もの掌編により、メトロポリタン・ワールドにおける独特の文化・インフラ・生活模様が高密度に描き込まれましたが、
本作ではその緻密な世界の質感がさらに体系的かつ確かなものとして、コーネル氏の冒険を通して追体験できるのが大きな魅力となっています。
しかも、それは決して世界観の設定をひたすら読まされるような、退屈で億劫なものとはなっていません。
一見落ち着いた語り口ですが、絶え間なく好奇心を刺激されながら読み進めていく内に、この魅力的な世界での冒険にきっと没入でき…続きを読む - ★★★ Excellent!!!映像作品で見てみたい。つくり込まれたSFメトロポリタンワールド。
※#9時点でのレビューです。
本作は掌編集『メトロポリタン・ストーリーズ』を下地とし、戦争後に再建された近未来の世界を舞台としたSF作品です。
エピソード#9の時点で、心理交流干渉士のゼロ・コーネルがカイネリ技師長からある依頼を受け、南方深部へ列車の旅をするシーンが描かれています。
『メトロポリタン・ストーリー』同様、大都会の摩天楼や南部の極渦(常に吹き荒れる暴風雨のこと)など、地方によって風景に特色があり、読む人の旅情を誘います。
実際目の前にこうした摩天楼や嵐があったら壮観だと思います。
映画のような映像作品でこの世界を堪能してみたいです。
南部へ向かう列車の内装や食事シーン、…続きを読む