概要
勇気を出して彼女を誘った夜から、ふたりの恋は思わぬ方向に転がっていく。
珠里に一目惚れしたエリートサラリーマンの哲朗、篤志に想いを寄せる後輩のサコ……。
なにもかもまるで障害物競走のように思うように進まない。珠里の「しあわせの青い鳥」は本当はどこにいるのか――?
平たくすると、
あるところに「不幸」な女がいた。女は孤独が嫌いで、しあわせが欲しかった。なかでも彼女が望んだのは『家』と『家族』。住むところと一緒に暮らす人だ。彼女はそんなしあわせを探して日々を送る。まるで『しあわせの青い鳥』を探すように。青い鳥は本当に彼女の足元にいるのだろうか?
と
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- ★★★ Excellent!!!情熱とアンニュイと退廃を詰め込んだ、日常を映す「邦画」
ひょんなことから付き合った若い男女の、浮き沈みと日常を描いた邦画。
邦画といって差し支えない。
篤志と珠里の、時に情熱的で、時にアンニュイで、時に退廃的にすら感じられる、そのなんてことない日常が、2人の心情を交えながら、丁寧に丁寧に綴られていく。
学生時代に多かれ少なかれ誰もが経験したことのある思い出が、蘇る。
出かけて帰ってきた。夕飯を食べた。それだけのシーンに映る景色がたくさんあって、だからこそ読んでいるとこの余りにもリアルな世界に没入してしまうのだ。
そしてハラハラ、のち、ハラハラ。ああっ、もう! ちゃんと幸せになれるんでしょうねえ! とじれじれしながら気付いたら寝る時間をまわっ…続きを読む - ★★ Very Good!!青い鳥はどこにいる? どこか満ち足りないすべての人のための恋愛小説
楽天カードマンばりにいきなりですが、引用させてください。
「アメリカの民族学者アラン・ダンデスはネイティブアメリカンの民話は全て「欠落」と「欠落の回復」の対から成す、と考えました。何かがない状態からある状態――例えば雨が降らないので水がないから雨を降らす、という過程の中に「物語」が成立し、そして欠落したものを「回復」する人物が「主人公」になるわけです。「欠落」と「回復」は「目的」と「その達成」と同じ意味であるのは言うまでもありません」
大塚英志『キャラクター小説の作り方』
「欠落」とその「回復」。これが物語の基本構造であることに異論はないでしょう。
別の場所にも書いたのですが、この作…続きを読む - ★★★ Excellent!!!青い鳥を探して!
メーテルリンクはその名作の中に、身近に居るからこそ「青い鳥は見えない」と書きました。この物語も、すぐ隣に居るからこそ迷い、戸惑う、そんな恋人たちです。
物語の主人公は、このまま大学に残って研究を続けるのか悩む理系の大学生の篤志、そしてヒロインはスレンダーな年上美人の珠里。二人はふとした切っ掛けで、アルバイトさきの学習塾で出会います。
美人の珠里をつい目で追ってしまう篤志。その視線を気に掛ける珠理。二人が結ばれ、恋仲になるのは時の必然だったのでしょう。しかし、周囲は二人を放っておいてくれません。
珠里の隣にあらわれた、高学歴、高収入のタワーマンション男の哲郎。
篤志を追っかけ、純情一途?に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この不安定で脆い恋愛こそが、本当の大人のラブストーリーなのかも。
2人の距離が縮まったのは、突然のことだった。
勇気を振り出し、飲みに誘うと、次の日から2人は付き合う事となる。
幸せいっぱいな生活が始まるが、少しづつその形は変わっていく。
しかし、どんな時も健気に支える主人公は、まさに理想の恋人ではないでしょうか。
2人の愛は壊れかけては、より硬く修復され、大きくなっていく。
と思いきや、第二章から波乱の幕開け。
このまま幸せになって欲しいと願っていたが、暑苦しくも暖かいかもしれない謎の人物が登場!
本当に目が離せない。
読んでいて、こんなにも心が落ち着かない恋愛ストーリーは初めて見ました。
早く続きが読みたいです。
是非ご覧下さい!