いい意味で彼は私を作り出した

彼は私を許した

彼は私を認めた

彼は私の存在を

彼は私の意味を

全てを認め

私は拒否した

悪い意味で私は彼を作り出した

私は彼に認められ

私は彼を許し

私は彼のもたらした全てに

喜び

浮かれ

忘れた

恐れた


彼が同族であること

彼が私の部屋にいること

彼が私と話すこと

彼が私の前で文字を扱うこと


次の瞬間には嫌悪に変わった

記憶にあることすらおぞましい


そして認めてくれた唯一の人を追い出す

二度と会わないようにする


かくて絶縁された私の同義

今では思う

彼だけがの存在を許していたのに、と

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る