ト長調

またたき




はお、や

何かをした記憶

ご飯を食べに行った普遍の記憶

買い物に出かけた午後の記憶

旅行に行った一週間の記憶

隣で話してた不変の記憶


街中で親子を

見つけた

はは

おや

歩いている少女少年


賢しい私は思う

私の母親は何処にいる

あれは母親だったのか

賢しい私は疑う

私は母の子なのか

私が生きている原因は


全て確かな記憶だ

けれど怖いのだよ

認めること

あの人を母と呼ぶこと

日曜に卵焼きを作ってくれた

あの人


ははおや

最早呪いの言葉

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