夜になって言祝ぐ



彼方の狭間に

僕は見た

あの色を、雲を、風を、星を、月を陽を、

初夏の音が耳元で囁き

長くなった昼の名残を

線路伝いに落としては

小さな絶望をそれに抱いた


家に帰りつつ

街の喧騒が何処か遠い理由を

他人事の自分に問うて

返答がないことにまた、涙を覚える

やはり、と、

…自我がない

見上げた目を伏せるのは

青藍の空が全ての始まり故



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