餓狼
喘ぐ
喘ぐ
喘ぐ喘ぐ
喉を通らない声が欲しいと
喘ぐ
いづれかの過去によって
八キロの声を失い
かの現実によって
一キロの声を失い
数多の未来によって
五キロの声を喪う
そう言う声が欲しいと喘いだ
空気で掠れ
血が滲む
落ちるのは声の痕跡で
決して声ではなく
喘ぐ
喘ぐ
喘ぐ
秘匿の声が欲しいと
喘いでいる。
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