亜が啼く



そして藤を探した

美しいあの花を求めてあっちに向かって

それで…

落ちた音を見つけた

薄い灯りも拙い木々も

淡い紫に消えて

あんなに好きだったのに愛したのに

見る影もなく

そっちもどっちも行けなくて

くたくたになってそれが嫌で


蹲ってただ吠えるだけの喉

鍵を閉め忘れて寝たあの夜

雨が入り込んで濡れた床


どうしてこの終わり方なんだろうか

もう少し慈悲はなかったのか

背中に突き刺さる花弁が

最後の音





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