飽く 〈〉






どこかでいつも望んでいた

もう二度と鏡に映らないことを

どこかでいつも望んでいた

夏の太陽を見ても許されることを

どこかでいつも望んでいた

この地に足をつけ歩くことを

どこかでいつもやはり望んでいた

何もかもを捨てることを

どこかで許されたかった

私の死の理由を誰かに押し付けることを

ぼやけてしまう

滲んでしまう

不明瞭

透明

いっそそうなればいいと思ったのに

どうにもこうにもそうならない



望んでいる

私は私が私のままで消えることを

そうしてそれが

気づかれることに





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