アブサン



夜は風

酒のように香気だって

包めば一握りの月よ

トラの内に眠りてウヰスキーをあおれば

夜の脆弱のみそこに横たわっている

哀しいなぁと歩を進めれば

飛んでいくのは一握りの愛ばかり


夜は風

たった一遍の詩に歌える程の

病める風



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