謐々と香る[]



ゆるやかに聞こえるのは恐らく水流

遠く遠くに厳かに流れる音

それに沈むように微睡み

真白い部屋で真白い香を嗅ぐ

いっそ怖いほど緩やかな流れ

起きるのが恐ろしい

真白い部屋の誘惑

燻らせれば歪んでしまうような

愛おしいこの聖櫃

何にも勝るものはなく

きっと誰にも通じないだろう

この真白い部屋

そうしてやはり

水音に落ちるのだ

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