春の驕り




君は勝てると思っていたんだろう

君の言葉が通じると思ったんだろう

君は唯一生命の息吹だから


でも

また一人声を木枯らしに乗せて

走り去る電車に目を奪われて

掻き消される焦燥を叫んだだけだった


こんな生温い夜に

君は何を思う何を戸惑う


小石を蹴ることの無意味さを問うて

切羽詰まったネオン管を見て

また何も無いと呟くだけ


なのだろうね


可哀想にね



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