地上の都




雨を見ました…

縁側の向かうに銀糸が垂れてゐるのを

ひつそりと奥間から

じつと、見て

こはいそれが消へて行くところを

このごろめつきりと仕事をしない我が感性がこの時ばかりは揺れて

ただ畳に坐す私が揺れて


雨を見やるのは罪なりや?


ただ今は

その言葉を反芻いたしましやう

つつとして流るるを見つつ

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