爛々



沿道を見た

そうして向こうを見た

鈍色の海原と地平があった

そうして地を見た

何もないと確認した

何かないかと何かを探す

そうしてどうにか

やはりないことを確認する

平手打ちのような風が

無意味に通り過ぎ

ただあたりに辛い匂いが残った

ぽつねんとした無感動だけがしん、と感ぜられ

軋む音が只々耳に響いては

やはり自分がただいるという事実だけがあった

この気持ちをなんというのだろう

コンクリィトの気持ちがわからないように…

私の気持ちはどこにあるのだろう

海鳥が食べたのだろうか…


謐々ひつひつとしたこの感性

並べただけのこの言葉


うっかり死んでしまいそうなこの夕暮れに

やはり何かを必死に探したけれど


ついぞ隙間から伸びるその花に

気づくことはなかった…

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