感化する眼光 <>




例えば空の紅茶

例えば高価な陶磁器

例えばシルクの光沢

数ある調度品の華々しさすら

そのいっそ異様な寂しさを

どうにもできない


真夏を駆け抜けるような

浅い呼吸

深い緑



例えそれが偽物であったとしても

私を陥れるには充分すぎる

どこかで何も感じていないことを

やはり駆け抜けるように理解した

だがどこかでやはり

寂しい…

かつての春はもう二度と来ず

遥かの秋は訪れず

懐かしき冬はもう会えない

春に出会い

秋で確かめ

冬で共に出かけ

ふと感じた違和感が消えることはなかった

…気づかなければ


かくてさらば

我が道行き

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