第7章 新団体CLOSSの設立&日本全国へ

第36話 全国にLARPを!! 新規団体「CLOSS」の設立

 LARPゲームを広める団体として、少しずつレイムーンLARPも認知度が広がってきたように思う。のだが、ここでひとつ、ずっと前から懸念していた問題があった。


 「レイムーンLARP」という名前で各所に周りLARPに関するイベントやコラボ、同人誌作成やイベントサークル参加を行ってきたわけだが、これらの毎月のゲーム活動と分離する、いわば「外の活動」は、具体的にメンバーと相談して行っているわけではない。コアスタッフのみで活動していると言っても過言ではないのだ。


 そのため、半年ずつ会費として頂いているお金に関しては、すべてそこの活動とは分離し、区別している。主な資金源は同人誌の販売だ。そうやってやりくりして、今までやってきていた。が───


「ねねね、星屑さん。ちょいと前から思ってた事があるのよ」

「なんだね、ゆーさん?」

「うん。ほら、イベント参加とかレイムーンLARPの名前でやってるじゃん? でもさ、もし、そのイベント参加の際とか、イベント主催とかやってる中で、外部で関わった参加者さんが、不満を持ったとするじゃない」

「うんうん」

「その時、レイムーンLARPの名前で活動してると、当然レイムーンLARPの名前に意識が向くよね。うちらスタッフに直接言って頂けたら良いんだけど、例えばこの件に関して本来責任の所在として異なる何か言われたりすることも可能性として無くはないよね?」

「あっ」

「そこの責任の所在は、分けておくべきじゃない?」


 そう、責任の所在だ。


 名前が同じだけといえど、外から見れば皆同じ。外部の人間からすれば、あれやこれやの活動は「スタッフとメンバー全員で色々決めているかも」、と誤解を受けても仕方がない所ではある。


 そこで、我々はコアスタッフで、新団体の設立について話し合う事にした。


「レイムーンLARPとは違う団体で、代表は星屑さん。スタッフはうちら3人として。活動は今までと変わらず、レイムーンLARPから離れたLARP活動全てを担う。『LARPを日本に広める』を活動のメイン目的としよう」

「まあ、今までと動きはほぼ変わらないね」

「あとは名前だなー」


 実はこの名前が、なかなか悩みどころだった。


「んー、わかりやすい名前がいいな」

「すぐに聞いて耳に残る感じで」

「なおかつ、活動にも関わる感じ……うーんうーん」


 なんて悩む中、ぽつりとマダムさんがこんなことを呟いた。


「ここいらの地名にちなんで、『クロス』はどうかな?」

「安直だなー」

「……でも、悪くないかもしれない。クロス、交差。様々な活動と交差できる、交わっていけるという象徴になるんじゃないかな」

「綴りはCROSSか。じゃあ、RをLARPのLに変えよう。『CLOSS』。どうよ?」

「いいね! CLOSS!!」


 というわけで、


『アナログゲームLARP団体CLOSSクロス


 が設立されることとなった。レイムーンLARPとは違う新たな団体でもって、我々は再出発することとなったのである。


 さあ───新たな時代の幕開けだ!!

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