第9話 サークル規定と同意書
次に、サークルの規定と同意書を固める。LARPは体を動かすゲームであるため、慎重なものを求められる。主に固めるべき箇所は以下の点だ。
・会費(年会費なのか、半年刻みなのか、参加ごとか、メンバー制か)
・見学についての規定
・サークル運営上の規定
・安全上の規定
・ドレスコードの規定
会費については、前話にて説明したので割愛する。
無料の見学は、日本において新しいイベントをするなら、無くてはならないものだと感じる。没入感が損なわれると感じる場合は、部屋のある一定ライン以上は入れない、とすれば良い。(※1)ただぼーっと見ているだけだと意外と辛いかもしれないので、無料の代わりに大道具の移動などをスタッフと一緒に手伝ってもらう形にした。
※1)…実際、「見学なのにも関わらず、部屋の奥まで入って見ようとする方が出てくる」という事態になったことがある。没入感に関して割とレイムーンはゆるい方にしていたものの、さすがにこれは参加者さんも抵抗を感じるため、規定を定めた。
サークル運営と安全上の規定については、様々あると思うが、必ず「スタッフの指示に従わない場合は退場の可能性がある」等の毅然とした対応を取る旨を記載しておいた。体を動かすゲームであるだけに、危険に対する意識が薄い、またはみんなで楽しもうとする意識が薄い人が来てしまうと、卓上でするゲームよりシナリオ崩壊する危険が高いと感じるだろうし、実際の所、事故の確率を高める。それは結果的に、施設が使えなくなったり、サークル存続の危機に関わってくる。きちんとした対応は必要だ。こちらについては、後述の同意書にて説明したい。
ドレスコードについてもあまりに細かく規定すると参加するハードルを上げるので、コスプレイベントの規定などを参考にして、サークルの趣旨に沿うくらいのものを定めた。基本的にざっくりと「なにかしら1つでも中世ファンタジー要素が入っていればOK」といった感じだ。逆にまったく中世ファンタジー要素が入っていないものはお断りし、その場でレンタル衣装をレンタルしてもらう。
参加したい人が判断に迷う場合は、メールで写真を送ってもらうなどの対応も視野に入れる。特に装備関係は安全上のチェックをゲーム前にGMがして、通らないと使えないとしている。せっかく持ってきたのに着られない、はストレスが溜まるだろう。
また、公共施設で行う場合は、できるだけ床を傷つけないものにした方が良いと考えた。床を傷つけなくても、靴を擦ることで黒い線が残ってしまうものは避けるようにした。また、それでも残ってしまう場合はサークルで雑巾を用意して、ゲーム後に全員で床を拭くことにする。今後施設を気持ちよく使うためにも、会場は大切にする気持ちで取り組むことが必要だと感じたからだ。
さて、それでは今回において、「最重要な」同意書について話しておきたい。
同意書、と聞くと堅苦しいが、要するに「参加者も、サークルも、双方を守るための書類」だと考えてもらえると良い。
ライブアクションロールプレイングはどうしても体を動かすため、怪我の危険の可能性がゼロではない。あまりに大きな事故や、部屋の損傷を招いてしまうと、最悪、施設が使えなくなる未来が待っている。双方の危険に対しての意識を高める意味でも、良い効果を期待できるだろう。(※2)
※2)…実際、アメリカのLARPゲームの現場では、同意書を作成し、参加者に書いてもらうようだ(アメリカから来られた参加者さんのお話)。
また、これにはもう1つの意味がある。自分本位な、または危険について意識の薄い方が来る可能性もあるオープンサークルにとって、良い抑制にも繋がる。特に体を動かすゲームである以上、無責任な遊び方をすると大事故に繋がりかねないため、ここはしっかりと作っておくことにした。(※3)
※3)…同意書は名前は違えど、合意という意味では法的に「契約書」にもなる。もし万が一、トラブルにより不当でありながら法的にサークルを訴えるぞと脅された…という話が来たとしても、この同意書をきちんと作っておくと安心。何を大袈裟なと思われるかもしれないが、『本当にあり得るし、作成してなかったらと思うとぞっとすることもあるかもしれない』とだけ伝えておきたい。
こちらについては、レイムーンLARPのスタッフ内でも何度か話し合い、しっかりと固めることにした。あくまで柔軟に、現状に合わせた物に更新していく方針で決定したのが、以下のものだ。参考のために掲載しておく。
レイムーンLARP参加同意書
http://laymun.minim.ne.jp/douisho.html
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