第8話 サークルの運営を考える 〜会場と会費
会場は、実は目星を付けていた。そこは、入間市の公共施設である「入間市市民会館」だ。そこでは多目的室と言うパーテーションで区切ることができ、ある程度ならば体を動かしても良いとされる演劇やダンスの練習スペースがあった。
とはいえ、許可を得るのはかなり勇気がいる。なぜなら、日本でまだ知られていないゲームをやるというのだ。
説明する当日のこと。公共施設は40~50代のスタッフも多く、理解されないまま門前払いを食らわないかとひやひやした。
「あの、安全な柔らかい武器を使うんですが…」
そんな緊張した顔でのこちらの問い掛けに、あっさりと笑顔で。
「あ、いいですよー」
これにはビックリ。あまりにもあっさりして、肩透かしだ。
施設としてかなり年数が経過していること、単に公共施設と言っても市が管理しているのではなく別の財団が管理していたこと、なんとコスプレイヤーの写真撮影イベントが定期的に行われていたことなど、数々の幸運が功を奏したが、一番の決め手だったのは「別団体で2年以上利用していたため、顔を知られており信頼を得ていた」ことだったと思う。
さあ、会場の心配はなくなった。となると、次に考えなければならないのは会費である。非営利のサークルと言えど、必要経費は頂かないと、そもそも運営ができない。赤字にならない程度の運営資金はきちんと集めた方が無難である。公共施設の中には会場内で会費を取ることなどをNGにしている所も存在するが、レイムーンLARPの会場はとある財団に運営委託されているため、ここは問題とならなかった。
ちなみに、予想できる支出はこんな感じである。
・会場の予約確保
・武器の購入(レンタルorNPC用)
・衣装の追加
・小道具の追加
さて、ここから会費を考えよう。この会場は9~17時の8時間借りることで3300円支払う。(2016年3月現在)そこから逆算して、以下のような会費に決定した。(※1)
メンバー会費:
下半期(4~9月)/¥3000
上半期(10~3月)/¥3000
非メンバー会費:
一回700円
会場を毎月借りる(=1年で39600円)金額に加え、備品購入にあてられて丁度いい感じとなるのでは、と私たちは予想した。少し余った時は、夏場辛い時に冷たい水を購入して参加者に渡したりするなど、なんらかの形で還元することを念頭に置くことにした。
しかしどうしても、参加者が集まる前となると、最初にお金を出すのはスタッフになる。その場合は、レイムーンLARPの場合はスタート費が大体2万前後くらいになった。これはサークルへの借金という形にして、適宜返金するようにしていくことに決定。(現時点では完済している)
※1)…しかし、プロットなどの印刷費や小道具代などで微妙に足が出る結果となり、2015年9月には価格改定を行い、メンバー会費を下半期(4~9月)/¥4500・上半期(10~3月)/¥4500、非メンバー会費を一回1500円に変更している。
サークルの会場と会費が決まれば、後は運営形態だ。次はサークル規定について考えることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます