第14話 LARP同人誌をノリノリでつくってみた

 コミックマーケットこと、コミケにて同人誌を販売し、認知普及を頑張ろう!という作戦を立てた我々。


「そもそも何を作るの?」

「だいたい、LARPゲームそのものが日本にとってマイナーじゃない?」

「だったら、それを逆手に取ろう。むしろ、普及するための、汎用性の高い同人誌を作るんだ。しかも、かなり豪華で、中身の割に安価な同人誌を!」


 安価ということは、つまりはあまり過剰な利益を意識しないということ。それでもいい。次の印刷代が確保できるくらいの金額で、拡散力をつけたい!!

 というわけで、この理念のもと、DTPデザインを著者の悠が、イラスト・漫画をマダムさんが、校正を星屑が手がけることに。


 サイズはA5、中身はフルカラー。その代わり、かなり多めに刷ることで、なんとか最初の目標ラインをクリア。内容は、マダムさんの写真と漫画、イラストをふんだんに入れつつ、「LARPとは何か」「何をするのか」「どんな風に遊ぶのか」「どんな準備をどこですればいいのか」などを入れ込み、デザイナーのプロでもある著者が整えていく。可読性と全体的な見易さを意識。色合いも出来るだけ考える。


 そうして出来上がったのが、「LARPのススメ」だった。イベント頒布価格500円でA5フルカラー28Pなのだから、割と頑張った方ではないだろうか。さて、結構刷ったし、いよいよコミケで販売しよう! となり、はたと気づく。


「あっ…頒布するもの1つだけだよね。スペース寂しくなりそう」

「いいんだよ、逆に販売しないけれど実際に使う展示物を並べればいいんじゃない」

「なるほど、それはいい考えだね」


 というわけで、実際に使用されたゴブリンやゾンビマスク、LARP専用のラテックスで作られた柔らかい武器、血糊のついた研究資料や、魔法陣の浮き出た羊皮紙めいた紙、そしてガチの羊皮紙を丸めたスクロールを置くことにした。これだけで、かなりスペースが華やかになる。

 さらに、売り子である我々も、著者と星屑はエルフに扮し、革鎧とマントで完全武装である。我々はどこに闘いに行くのか? 無論、コミケに他ならない。もちろん、軍資金入った布袋も完備している。素晴らしい。


 そしていよいよ、コミケ参加の日が近づいてくることになった。日本にまだ知られてすらいないマイナーなアナログゲームジャンルに、戦場の女神は微笑むのだろうか?

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