第6話 世界観を決める

 「世界観は何がいいかな?」


 自宅で、星屑とそんな話になる。

 …実は、LARPゲームにはいろいろな世界観を作って良い。海外の動画では中世ファンタジーが多いため、中世ファンタジー=LARPゲームと考える方もいるかもしれないが、基本はゴシックホラー、クトゥルフ、映画世界観、SF、現代、なんでもアリだ。


 色々考えた末、カーミニアで使われていたLARPルールブック(ニコさんと杉浦さんが作成したものだ)が非営利のフリールールであり、ルールを作成する負担なく使えるため、こちらを使うこととなった。そうなると、必然的に中世ファンタジー世界となる。色々吟味した末、それでいこうということに。ほとんど正統派に近い中世ファンタジー世界だ。エルフもドワーフもモンスターも暮らす、剣と魔法と冒険の世界。


 次に作り出す必要があったのは、遊ぶ舞台となる大陸と国、街だった。ここは色々考える必要がある。大きな国は3つあり、それぞれに金属や宝石の名前を当てはめる。魔法先進国家プラータ王国、商業都市アウルム、武装城砦国家ディアマント金剛石帝国…。


 プレイヤーたちが遊びやすいように、舞台は魔法先進国家プラータ王国の王都プラタにした。ここはかなり先進的な国で、全ての民族や階級への差別撤廃を理念に動いている。そのため、様々な種族が集うという設定だ。


 逆に、血生臭い策略渦巻く国も必要だろうということで、武装城砦国家ディアマント帝国が作られた。「このような国があり、ある程度不安定でなければ、冒険など発生しないからだ!」というのが星屑の主張だった。


 立場的にも中間に位置する商業都市アウルムは、そんな2国に挟まれながらも飄々と商売・貿易をしてのける、たくましい国だ。イメージはそのまま、大阪だった。

 他にも、異種族の里として、エルフの森の街エスメラルダエメラルド、ドワーフの国ラピス王国、そしてオークの村であるラーブ溶岩を作り出した。


 そして次に手を加えたのは、敵側のモンスターたち…この世界ではそういったものを総じて「妖魔」と呼び、邪悪な軍勢が東の森から虎視眈々と隙を見ては攻め入ろうとしている、という設定だ。


 これらを総合して過去の歴史を作り出し、LARPゲームの舞台を整える。著者は元々Webサイト作成の心得があったので、それを活かして世界観を伝える公式サイトを用意する。世界観は重要な要素だ。これがあるかないか、きちんと煮詰めているかどうかで、遊びたい人間がある程度方針を固めることができる。


 こうして、遊ぶサークルのワールドは創り出されていった。

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