第34話 京都でLARP体験会&ビギナー向けレクチャー開催!
2016年初夏。
いつもお世話になっているコストマリー事務局さんから、こんなお話を頂いた。
「京都でイベント開催するのですが、その後スカイプ生中継でセミナーやってみます?」
いわゆる、オンラインでのネット生中継セミナーというやつだ。この時代、遠い場所に行かなくとも、少ない機材でオンライン生中継が流せるとは…! 良き時代になったものだ。
「はい、ぜひぜひ!!」
車で一緒に同乗して京都に行くご提案も頂いたのだが、その日はLARP関連の別件のイベントを進めていた関係で、体の負担を考え、さすがに無理だろうと思っていた。
のだが───
オンラインセミナーの準備を進め、いよいよ告知を出した段階で、風向きが大きく変わる。今まで準備を進めていた別のイベントが、急遽行わないこととなったのだ。
「あれ、これって……」
「私たち、京都に行ける!?」
というわけで、急遽予定を変更し、7月10日のビギナー向けレクチャーはレイムーンLARPスタッフ直参という形になった!
しかし、これだけだと交通費の多くは賄えない。苦心した結果、
「よーし、前日の9日にLARP体験会もやっちゃうぞ!!」
ということで、こちらはシーンごとに実際に体を動かして五感でLARPゲームの片鱗を楽しめる、そんな会を企画することとなった。10日はこれに比べると座学に近い形式となる。
そんなわけで、当日は朝3時半に起きての会場直行、12時近く到着でのノンストップ設営!! 9日のLARP体験会はこうして行われる運びとなった。
こちらの参加者はMAX15名に近い14名。やはり関西でLARP体験できるという価値は、かなり大きいものだったようだ。(ちなみに、二日間とも有理・ベーテ・黒崎さんも参加している。彼については第1話参照の事)
この会は、TRPG文華祭で行った内容にプラスアルファを加えたものとなった。まずLARPゲームの遊び方と流れを説明した後、サーコートやマント、ローブを渡して着用してもらい、3チームに分かれ、以下3つのシーンをそれぞれチームごとに体験してもらう。
・山賊に捕まり牢屋からのスタート、脱出
・山賊のアジトを探索し、隠し扉を見つける
・お疲れモードで酒場に戻った所、新たな依頼者が訪れる
最後のシーンだけは14人全員が登場するが、それ以外のシーンは4〜5名3チームごとのパーティとなり、順番にゲームを体験してもらう。しかし時間制限があるため、手間取っていると山賊たちに見つかりゲームオーバー。
1チームが体験している間、観客という形で別の2チームは見学してもらい、体験が終わったら全く同じシーンを別のチームが体験する。前のチームが行ったことはプレイヤーたちは分かっていて良い。「強くてニューゲーム」というやつだ。
これは、単にゲームを体験することだけが趣旨ではなく、LARPゲームを遊ぶ流れを別の視点から観察し、プレイヤーたちの動きを手本としてみることで、LARPゲームの動きを学んでほしいというねらいがある。プレイヤーだけではなく、GMの動きを客観的に観察することもできるだろう。
「『強くてニューゲーム』なんて、前のチームがやってきた正解プレイが分かってるってことでしょ? つまんないのでは? だって、パパッと仕掛けをクリアできちゃうじゃない」
もしかしたら、読者諸兄の中ではそう思うかもしない。
いやいや、しかし、意外にも───そんなことはなかったのである。実際にやってみた所、3チーム目でようやくクリアできるか、3チーム目でもギリギリクリアできずにタイムオーバーになるか、という感じだった。
これはやはり、そもそもLARPゲームが全くの初体験だからだと思われる。まだキャラクターの動き方に慣れていないのだから、探索にしろ鍵開けにしろ、うまくできなくて当たり前。それでいいのだ。だってこれは、体験会なのだから!
最後に、酒場のシーン。
実際にエルダーフラワーシロップという美味しいシロップを水で溶かしたものを皆で飲み、「散々だったねえ」と労う。そこへ依頼人が訪れ、
「領地にゴブリンが大量発生して困っている。これは依頼料だ」
と、金貨がたんまりと入った袋をバサァッ!!と逆さに広げ、金貨が机に広がるのだ。これには皆で湧き立ち、
「さあ、新たな冒険に乾杯だあー!!」
と、皆で笑顔の乾杯! ここで、体験会は終了となった。
この一連の体験会の流れは非常に好印象だった様子で、ツイッターでも様々な反応を伺うことができた。我々も確かな手応えを感じ、今後もこういった体験会を各地で開くことも検討に入れると良いかもしれないと思ったくらいである。
もちろん、その交通費・宿泊費を考えると、今後価格は変動するかもしれないが───これについては、どうかご容赦願いたい。
翌日の10日は、ビギナー向けレクチャー。座学がメイン、どちらかというと運営のノウハウをお伝えしていくものだ。こちらについては9名の参加となった。
内容は動画紹介を交えつつ、実質的にレイムーンLARPはどのように運営をしているのか、どんなトラブルがあったか、どのように対処したか、金銭的な経費はどうなっているかを、赤裸々にお伝えするものだ。また、参加者からの質問にもお答えし、自分達だったらどうするか、より良い進め方はどうしていけば良いかなどをお話した。
こちらも反響高く、ツイッター上でというより、メールやDMにての感想を頂けた。やはり関西ではLARPゲームをまず行う団体が皆無であることから、自分で立ち上げねば、という熱い意思を持つ方も多く感じる。それは非常に嬉しく、今後も応援していきたい。
また、こちらはイベントではないが、9日は参加者数名と懇親会を行う運びとなった。場所は劇場型レストラン『BAHAMUT』(※2)。関西でLARPゲームを精力的に行いたいとする店長エスタさんの、とても素敵なレストランである。
(※2)『BAHAMUT』……店長エスタさんがコーディネートする、京都市の劇場型レストラン。素晴らしい内装に加え、店長の手厚く丁寧なトーク・対応、そして非常に美味な料理が並ぶ、人気のお店。内装は舞台形式にもなっており、魅力的なコンサートが開かれることも。隣には細部までこだわった大人の空間であるBAR『ODIN』も併設されている。
エスタさんは元々、ファイナルファンタジーがお好きとのことで、レストランを会場として「スチームパンク初心者の館」というイベントも行っていた。このスチームパンクのコスチュームを纏って参加できるイベントを数度行っていた所、「海外でやっているLARPゲームをうちでもやってみたい!」と検索した結果、レイムーンLARPを知って頂けたとのこと。
「いやあ、ビックリしましたよ。だって、日本でほぼメインでやってる所が埼玉県でやってるとか、『え、どこ!?』って二度見しましたもん」
「ですよねー。私たちもそう思ってます(笑)」
これは毎回言われることなのだが、「日本でこれだけのことをやっている所がなぜ埼玉県、しかも入間市なの!?」ということの答えは、主催者がそこに住んでいるということが理由である。いやあ、LARPゲームの道具を毎月運ぶにあたり、遠方の会場は辛いのだ。マジで。
エスタさんは、2016年8月27日に「リアルRPG酒場」という、この『BAHAMUT』を会場としたLARPゲームを実施するとのことで、ご挨拶も兼ねて伺ったのだ。そして、会場を一目見、エスタさんと様々に深くお話することで、そのイベントは非常に素晴らしいものになると確信できた。
本当に本当に、私たちが行きたい!!
我々はなぜ、京都に住んでいないのだ……!!
というわけで、この京都遠征はLARPゲームに興味がある方々にも恐らく良いものになったと実感でき、また我々にとっても、素晴らしい収穫をたくさん得ることができるものとなった。
これについては、コストマリー事務局さんと、友人として宿を提供して頂けた有理さんのご協力無くして実現は成しえなかっただろう。心から感謝を申し上げたい。
この二日間の出来事に関しては、以下のトゥギャッターにてまとめておいた。写真もふんだんに掲載しているので、是非読んで頂きたくご紹介して、今回は筆を置くこととする。
【京都リアルRPG体験会】7月9・10日で関西にLARPを伝えてきた!
http://togetter.com/li/999259
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