麓清

まるで文献から引用したような神話が描かれる冒頭から、これはただの異世界ファンタジーではないぞ、と思わせてくれます。 その期待通り、いわゆるテンプレもののラノベ異世界ファンタジーとは…続きを読む

もしも好きになった人が、自分の親友だったら…… そんなモノローグから始まるストーリー。 これが、ただの甘いだけのイチャイチャ系ガールズラブなら、すんなりとその感情を受け入れられてし…続きを読む

王道な青春百合モノという感じなのですが、とにかくストーリーの良さと、巧みな心理描写、そして構成の良さが抜きん出ています。 キャラクターも、主人公の周りの子たちはコメディ要素が強めな…続きを読む

ステータスのすべてを「くよくよ」に極振りしたらこんな冒険譚ができました、ていう感じの異世界転生モノっていうのかな。 しかも、ヒロインと揃って二人して！ それ、「誰の為の物語なんだ…続きを読む

この作品の特徴は、丁寧な描写と重厚な表現による、本格的なミステリー作品として楽しめる文体だと思う。 WEB小説界隈は、ライトでシンプル、スカッと爽快な文章を求められる傾向にあるけ…続きを読む

お馬鹿な題材に真正面から切り込みつつも、なぜかチャンとラブコメになっちゃうという、学園アオハルコメディ！ そのヒロインと主人公を繋ぐのは、なんとネットワークビジネス⁉ 主人公をネ…続きを読む

騙された……

めっちゃ騙されないつもりで読んでたのに。
読み返したら、ちゃんと作者ののえるさんの騙してやるって意図が見えてるのに！
くそうー、やられたー！

現実世界で公務員として働いていたはずの主人公、はばけんがある日、異世界に通じるトンネルを抜けて、現実世界とはことなるユリーガノ王国に転移というか「移住」するところから物語は始まりま…続きを読む

最高だー！ タイトル通りに一人の女の子を巡る恋の三角関係なわけだけど、作り込まれた青春トリオコントを見ているかのような、軽快なボケとボケとツッコミの応酬が素晴らしい！ 短い作品…続きを読む

野外フェスをステージ側ではなく、屋台出店者という裏方目線で描き出す快作。 コスト、調理器具、人員など様々な問題に真っ向から立ち向かうコータの直球さと、それを支えながらも、どこか影を…続きを読む

異世界コメディの体裁をとっているけれど、その中味はしっかりとした組織マネジメントのハウツー本という、一粒で二度美味しい本作品。 特に、30代〜40代の働き盛りのビジネスマンにとっ…続きを読む

面白すぎて一気に読んでしまいました。 コメディとして非常にハイレベルで一行と空けずに怒涛のように繰り広げられる、軽快なボケとツッコミ！ いわゆる異世界転生モノとしての要素、ある日…続きを読む

まず、タイトルからしてブッ飛んでます。 なんだよ、会社で全裸になるんだ、って！ そう思ってあらすじを読むと、さらにブッ飛んでます。 娘（未成年）が魔法少女になってその力を使うと…続きを読む

とてもよく作り込まれた世界観の作品です。 記憶をなくした律歌が迷い込んだ世界では、アマゾウという通販で何でも無料で手に入る。 働かなくても良いし、好きなことをしていられる、そんな夢…続きを読む

宇宙人大好きな金髪少女ピぺと、記憶をなくした少年ジュンが出会うところから物語は始まります。 物語の序盤は終始テンション高めのピぺにジュンが振り回されるという形で展開していきます。 …続きを読む

異世界転生ものじゃない、いわゆるクラシックな世界観をもったファンタジーストーリー。 シリアスな冒頭から、本編にはいると途端に雰囲気ががらりと明るくなって、ライトなテイストの冒険もの…続きを読む

ムッツリ鈴木とあだ名されるぐらいに惚れっぽい性格の主人公が、高校入学最初の自己紹介で、彼女作らない宣言をした直後、同じクラスの美少女、前田に公開告白？されるところから物語が始まりま…続きを読む

終始、まとすけと羽織ちゃんによる、ハイテンションな掛け合いが繰り広げられる、ノンストップ・ハイスピード・アオハルコメディ！ さあ笑え、そして笑え！ 生き生きとしたキャラクター描写…続きを読む

奄美大島というマニアックな地域の、更にマニアックな奄美民謡を描く本作品が、大賞を受賞できたのは、偏に関西人のくせに「奄美奄美」とアホの一つ覚えのように繰り返す「勝手に奄美観光大使活…続きを読む

目が覚めて、突如、見覚えのない日本家屋のお屋敷にいたら… 王道の異世界トリップ要素を取り入れながらも、どことなくのんびりのした雰囲気の漂う作品。 主人公の真音と、屋敷の住人呉葉の…続きを読む

会話や主人公エリナの心の声を中心にしたテンポ感のある文体。 いちいち突っこんだり毒づいたりするのがなんとも落ち目のアラサーぽくて笑えます。 可愛い服を着て可愛いセットの中でキュー…続きを読む

主人公、高木の独白調に進行する物語なんですが、こう、モテない男の悲哀がどういうわけか笑ってしまう。 テンポ感がよくチョコチョコと笑いを挟みつつ（バレンタインだけに！）パパッと読みき…続きを読む

15センチコン参加作品の後日談的作品。 十一郎の元に届いたラブレター、そして張り出された謎の予告状。 二つの謎が絡まりながら物語は軽快なテンポで進みます。 個性的なキャラクターたち…続きを読む

物語の持つ二面性を見事に描き分けた傑作です。 物語の冒頭に描かれる風景と、エンディングに描かれるそれは全く異なっているのに、驚くほど見事な一致によってストーリーが完成しているのは、…続きを読む

非常に完成度の高い短編です。 過去の弓道の県大会で驚くべき好成績を残しながら、全国大会では一本も的に当てられなかったというトラウマから、弓道から遠ざかってしまった主人公が、退部を決…続きを読む

この作品はホラーであり、コメディでもあり、はたまたヒューマンドラマでもある。 誰もが一度は耳にしたであろうメリーさんの都市伝説をテーマにしつつ、全く新しい切り口で繰り広げられるス…続きを読む

面白いです。 ストーリーとしては最初に明示されている通りで、ヒロインの知奈ちゃんが幼馴染の和人の事が好きだという事に対して、和人の「15cm以内に近づいた女の子が惚れる」という特異…続きを読む

誰もいないとわかっているからこそ、誰かいたら怖い。 怪談としてはオーソドックスながら、ひとひたと迫るような語り口も相まって、ジワリとくる怖さがあります。 夜勤のお仕事のお供にどう…続きを読む

この短い文字の物語に季節の情景、登場人物の心、そして胸に響く結末を収めた職人技のような超短編集。 あっという間に読んでしまえますが、その読後感は短編小説のそれと変わりません。 …続きを読む

相手の感情が矢印になって見える、という少し不思議設定が面白いです。 その能力を利用して他人の恋愛の手引きばかりする主人公と、突如現れた、元恋人。 七夕の夜、二人の矢印がどこに向かう…続きを読む

作品の中に男女にまつわる関係性を示しつつ、それを逆転させてアンバランスさを生み出しながら、それと微妙な恋心を絡めたラブコメ作品です。 身長差、年の差、知能の差（？）。いろんな違い…続きを読む

自分のことが好きになれないまま、なんとなく周りに合わせるように生きてきた主人公の美奈。 何を求めるわけでもなく、ただハガキサイズに切り取られた空の写真の場所を求めて、連絡を取ったか…続きを読む

物語の舞台となるのは片田舎の小さな学校。 主人公の少年ジュンはその学校に運び込まれてきたピアノに取り付いている幽霊、頼子さんを目撃することから物語が始まります。 人間の少年と幽霊…続きを読む

明と暗、王道と邪道、伝統と革新、愛と恋。 様々な対立軸を用いて一人の男の子の、二人の女の子の間で揺れ動く心を描いた学園青春群像劇。 ほのかにビターテイストのある作風で、様々な経験を…続きを読む

最後の最後までハラハラ、ドキドキさせる探偵モノミステリー。 その完成度の高さはお見事の一言。 探偵に憧れる女子高生の夕風と、探偵を叔父に持つ主人公の学園モノには、謎解きあり、片想…続きを読む

これは面白い。 ありえねぇだろ〜ってツッコミを入れることさえ忘れて楽しめる。 毎回立たされる秋山。 今回はどんな理由で立たされるのかとワクワクしてしまいます、 まあ、結局は穂咲のせ…続きを読む

スマホの画面の中に並ぶ文字。 SNSでやり取りされるメッセージは、近いようでいて手の届きそうのない不思議な距離感。 憧れの先輩のことを知りたくてSNSのアカウントをフォローすると…続きを読む

やつらはあんたが自宅のドアを開けた瞬間にも容赦なく襲ってくるからな。
なんの話かって？
それは読んで確かめな。

男ののなら誰しも一度はハマったことがあるだろう、ミニ四駆やガンプラ。 そのいいとこ取りをした小さなAIロボットバトルがテーマのこの作品は、童心を見事にくすぐる内容。 ロボット自体は…続きを読む

15センチの使い方が非常にうまいと感じる作品。 どうしても15cmという長さの説明に終始しがちな作品が多いなか、この作品では15センチというもの自体には大きな意味を与えず、距離とい…続きを読む

作品からそこはかとなく漂うバニラの香り、ティーンズらしいライトな文体は読みやすく、なるほど、こういうキュンとくるストーリーね、なんて思いながら読み進められる… と、思いきや、あれ？…続きを読む

生きているものには等しく死が待っている。 命が新しい命に生まれ変わる、その現場を通して、人は何を感じ取るだろうかと思わせる、素敵な作品です。 主人公である理麗にもたらされる運命に…続きを読む

お国自慢を絡めた美味しい作品。
テンションの上がったヒロインの一穂がいい味を出してる。

どじょうの唐揚げに笑う。

結末がすこしほろ苦くて、でもどこか一穂らしくてそれも好き。

厳しい冬を越し、ようやく芽吹いた春の味は、どれも少し苦味があって子供達にとっては苦手なもの。 そんな春の代表的な食材、菜の花を巡って、新任教師の主人公と、ヤンチャ盛りの中学一年生…続きを読む

柔らかなやまと言葉も美しいけれど、何より花乃の真っ直ぐさと、飄として何も考えていないような総司のさりげない気持ちが言葉になったとき、ホロリとしました。 美味い この一言がこんな…続きを読む

うん、腹減った。
そんな話。
ラーメン一杯に隠れた家族の物語って感じでほっこりする。
ご飯は飲み物なご飯食べたい。
そんな話。

なんて、どこかで聞いたことのあるようなキャッチコピーだけど、まさにその文字通り、愛の力を強く感じるSF作品です。 荒廃した世界観のなかの凜とした美しさが、墨絵の中に一粒の青いイン…続きを読む

自分が変わるのはほんの些細なきっかけからかもしれません。 なんていうことのないものとの偶然の出会いを積み重ねて、人は成長していきます。 それがたった一度食べた胡麻豆腐だったとして…続きを読む

一言でいうなら、上手い。 文章力、構成力、表現力。 いずれもプロ作家の作品と比べても見劣りしないレベルです。 現実にありそうで、でもどこか「そんなことってあるか？」みたいな、絶妙…続きを読む

作者の玉鬘さんの圧倒的な表現力と言葉の美しさは、とてもではありませんが文字にして説明できません。 とにかく、その言葉の海に溺れてみてほしい。 百人一首をテーマにした作品は、過去と現…続きを読む