この作品はホラーであり、コメディでもあり、はたまたヒューマンドラマでもある。誰もが一度は耳にしたであろうメリーさんの都市伝説をテーマにしつつ、全く新しい切り口で繰り広げられるストーリーは、それまでのメリーさんのイメージとは真逆をいってるのだけれど、どこかメリーさんだと納得してしまうパワーがある。そして、この物語ではプリンが良いスパイスになっている。甘いプリンがスパイス?おかしな事を言ってるようだけど、間違いなくこのストーリーにプリンは欠かせないのだ!
こんなメリーさんは初めて見ました。私もホラーを書くのですが、基本ハートフル路線なので大好物で大満足な作品でした!着眼点が面白い。確かにホラーで、会話もグッド。そしてツンでデレルメリーさんにぐっときました。一見の価値は大アリ!ぜひ見てください。一話目から、あなたの都市伝説の常識はくつがえされますよ……。
孤独を抱える大学生の男がある日突然、都市伝説の「メリーさん」と出遭って……というところから始まるショートストーリーです。ジャンルはホラーですが、恐怖度は控えめ。鬱屈とした主人公とおちゃめなメリーさんとの対比が好印象です。すぐ後ろにいるはずなのに、決してそれ以上近づくことはなく、近づき過ぎればきっと関係そのものが変わってしまう彼女との距離……。主人公の静かなモノローグが切ない感傷を誘います。ほろ苦く、でも少し希望のあるラストも心地よいです。